2010年11月24日水曜日

AGSセミナー補足資料 (2010/11/28改訂)

「リニアと新幹線への高速鉄道の将来性と中央新幹線」
2010/11/23 東京大学大学院電気系工学専攻准教授 古関隆章
2010/11/25 16:10-16:45
リニア新幹線と将来への期待

(1) はじめに
  目次
  自己紹介
  修士論文(磁気車輪とリニア誘導モータ)
  博士論文(磁束合成形リニア誘導モータ)
  磁気浮上技術への現在のかかわり
  講演内容と自分の立場

(2) 磁気浮上技術の特長-----鉄輪式との比較
  鉄輪の3つの機能
  速度ごとのモード分類
  リニアモータ.....ダイレクトドライブと長所と短所
  非接触支持と磁気浮上
  実は硬い磁石のばね ..... 乗り心地の問題と脱線
  信号保安と動力が同じ仕組みの中でできること(車上一次形リニアドライブ)

(3) 磁気浮上/リニアドライブの技術方式
  支持/案内/推進の方式一覧
  車輪と車上一次式リニア誘導モータ (リニアメトロ、スカイトレイン)
  車輪と永久磁石形同期モータ
  電磁吸引式磁気浮上と車上一次形リニア誘導モータ
  電磁吸引式磁気浮上と地上一方式リニア同期モータ
  誘導反発式磁気浮上と地上一次式リニア同期モータ

(4) 磁気浮上/リニアドライブ技術の歴史 ----- ドイツ、スイス、中国など
  早期の非接触支持のアイデア
  ドイツにおける早期の研究開発
  Transrapid 黎明期
  Transrapid 05 以後
  Swissmetro
HSSTとリニモ
  中国 上海磁気浮上高速鉄道とその後の展開
  その他 イギリス ドイツ(M-Bahn) 韓国 アメリカ ブラジル...

(5) 日本の国鉄由来の浮上式鉄道---リニア新幹線
  これまでの歩み
  超電導の選択とEDS
  宮崎実験線(とサイクロコンバータ)
  コイル配置と浮上・推進
  車上電源と非接触浮上
  山梨実験線 ----- パワーエレクトロニクスと超電導磁石信頼性の向上

(6) 超電導EDSと中央新幹線 ----技術開発と評価の経緯
  開発の主体:国鉄/鉄道総研から東海旅客鉄道会社へ
  試験線における走行実績
  超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会まで行われた技術評価
  最新の「超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」での議論
  画期的な東海旅客鉄道(株)自主計画宣言とその後の調査活動
  交通政策審議会中央新幹線小委員会

(7) 現状と日本のとるべき道
  日本の磁気浮上鉄道開発の特長--- 純粋な民間サービスとしての鉄道の歴史
  躍進する中国
  中国の躍進?と日本の磁気浮上鉄道技術
  見せ球としての高速鉄道
  2010年は「はやぶさ」の年 ----子供たちの夢
  中央新幹線リニアは早期の実用化を!

(8) まとめ
  磁気浮上技術一般論---特長、位置づけ、方式と歴史
  リニア新幹線の技術
  中央新幹線にかかわる議論の本日時点での状況 
  今後にむけた私見 --- 見せ球/国威発揚としての高速鉄道、互換性のないシステムの軛

上記のアウトラインに基づいて当日発表のスライドを作成いたしました。

著作権上の問題も考慮して、当日配布の資料に記載したパスワードで暗号化したスライドのコピーのファイルを、ここにアップロードいたしました。古関の事実誤任による不適切な記述がございましたら訂正いたしますので、忌憚ないご指導をよろしくお願い申し上げます。(スライドのパスワードをお忘れの方は古関宛にメールで直接お問い合わせください。)

2010年11月4日木曜日

第1回鉄道技術展セミナー 海外への展開!日本の鉄道産業への将来の提言(古関担当分 2010/11/11 14:00-15:00) について 2010/11/18 更新

2010年11月10日-12日に最初の「鉄道技術展」が幕張メッセで開催されました。
その際のセミナーに関する資料を下記に掲載します。

第1回 鉄道技術展 セミナー

2010111114:00-15:00 幕張メッセ国際会議場 301会議室

「海外への展開!日本の鉄道産業の将来への提言」(2)

 -----電気技術者の視点から-----

東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 准教授 古 関 隆 章


[1] はじめに:
 日本の鉄道技術を語る会の論点

(1) 日本の高速鉄道は世界一だと言われているが、本当にそうなか?
(2) 日本のガラパゴス化? 技術者の問題意識
(3) 安全の性能、環境の性能、個々の製品の信頼性の高さは、日本の最大の強み
(4) 日本の鉄道技術の長所:きまじめな現場技術者による

[2] 鉄道の特長とは <== 特に 「電気鉄道」  (須田先生の言うとおり?)他モードとの比較では、何でも2番 でも大きな部分を担うのに都合が良い?   インフラ整備と維持が必要 <=> 人口密度が高い場所 

 公共性 ---
  都市間高速鉄道は国の力の象徴(新幹線 磁気浮上高速鉄道)
  都市鉄道はライフ・ライン: 市民のためのもの 都市景観の一部 観光的魅力
  地方: 交通弱者の移動手段 地方鉄道/ LRT/ バス,...
.........実はこの観点は欧州に比べれば弱い?
      早期の鉄道は民鉄として発達
      破綻した日本国有鉄道 ----公共性を正面に打ち出すことへの抵抗感
 高速性
 正確性
 環境適合性-----鉄道における環境対策は、暗黙のうちにローカルな公害対策であった (騒音、建設時の環境負荷,... グローバル環境として語られることは最近のこと)
 安全性
 安心感 

一方で、鉄道は、自由な資本主義 とは相容れない部分もある。

戦争のためのインフラとして発達した都市間幹線鉄道
自由な自動車 計画性を要求する鉄道

-----------
[3] 国際環境: グローバル化は不愉快か?
自動車産業との大きな相違: 国内市場できちんと食っていける(来られた?)日本の鉄道界
海外から見た日本の特徴:特殊な市場

---ヨーロッパで鉄道のシェアが圧倒的に高いスイス人による評価---
Compared with Swisses, Japaneses have: スイス人と比べて日本人は
Twice population concentration2倍の密度で住んでいる。
three times frequently use trains3倍頻繁に鉄道で旅している。
30% longer trip by rail 30%長く列車で旅をしている。
1/14 times freight by rail per capita1人あたり鉄道貨物輸送量は1/14倍。
60% more transport per operator1鉄道事業者あたり60%多く輸送実績がある。
30% less cars per capita人口1人あたり30%乗用車が少ない。
only ¼ times highway per capita人口1人あたりの高速道路長は1/4倍しかない。

海外市場への進出
市場開放の海外からの要求
国際標準化と日本の技術

日本語は世界に通じないというハンディキャップ

[4] 国際環境: 躍進する中国は脅威か?  日本の停滞は宿命か?
「賢明で誇り高い 隣人」 
==> 中国で鉄道が急速に延びるのは当然のこと  

ビジネスとしてみた場合「公平な競争にならないという問題」

知恵と経験にあふれる商人 上位下達の社会 

躍進する中国も高齢化の軛のもとに

長期的に持続可能でない発展 ---- 力のあるうちに進めねばならぬインフラ整備

==> 中国で鉄道整備が進むのは日本にとっても基本的に良いこと

[5] 再び「電気鉄道の優位性」についてのキーワード
車両技術:
 車両情報システム 合理的保守 
 高効率・正確な動力分散形駆動技術と回生制動 エネルギー管理
電力供給システム----歴史的多様性と保守管理の技術
運転保安と安全 将来を見て列車検知をどうするか?
運行計画・緻密な運行管理
ITの活用: 通信 車上情報システム 旅客営業 旅客案内設備   貨物? 
交通: さまざまな種類があり都市鉄道、地下鉄は強いが....
手薄なLRT分野 弱いネットワークとしての連携

[6] 海外ビジネス展開のために
(1) 己を知る
(2) 技術的先端性の主張
(3) 国際標準と日本の固有技術
(4) 計画性を重んじる文化、日本人のきまじめさは売れる技術となるのか?


[7] 己を知る

[強さと弱さは表裏一体!]

1. 組織
専門性と縦わり
事業者、メーカ、官、学、/コンサル、商社ーーー固定的? 基本的にdomesticーー>国際化対応への違和感?
日本的効率性と、匿名性
安全重視と保守性・変化に時間がかかること/持続性
日本語
独立採算性とインフラの持続可能性、更新の困難

2. 人
専門家としての矜持とモラル/偏狭姓と思考の固定化
鉄道としての一体感/異業種との人事・情報交換の不足
業界内での秩序と暗黙のヒエラルキー
弱点: 年齢構成のギャップ(JR?)と高齢化 持続可能性?

3. 技術
車両:
国鉄解体後の多様化:魅力向上と開発資源の分散化
環境親和性、信頼性の高さ<-->性能と堅牢性、快適性

土木:
鉄道固有技術についての国際標準化対応は基本的に不必要
日本固有技術ということで閉じていても構わない?しかし、東京大学において土木工学科はいち早く国際化を積極的に進めた

[8] 技術の先進性の国際発信:<見せ球 打ち上げ花火としての高速鉄道>
新幹線では<わかりやすい>先進性のアピールは難しい
日本のお家芸「超電導磁気浮上鉄道」の実用化は喫緊の課題
議論に時間をかけすぎる事なく早く建設すること!
 時間をかければ互換性のないインフラは死ぬ
日本の磁気浮上鉄道の特長: 鉄道事業者が主体的に研究開発を行ってきたこと 世界で稀有
==> ドイツ、スイスの轍を踏んではならない!
絶対にやるという気合が必要!
「賢明にして誇り高きわが隣人」の台頭を前に日本が国際競争力を目に見える形で示せる唯一最後のチャンス

方式 超電導誘導反発式リニア地上一次形同期モータ推進方式
 速いのがとりえ


[9] 国際標準化への取り組み ==> 片手間にはできない:人も金も本気でかける!

[10] 日本人のきまじめさは売り物になるか?----説明可能なシステム化、可視化がどこまでできるか?

[11] まとめ: 主 張
(1) 日本の技術は優れているという<先入観>を棄て頭を冷やす
==> 日本の強みと弱みを良く議論する 技術の囲い込みを回避
(2) 最高速の技術の早期商用化!==ナンバーワンでなければだめ
(3) 地方鉄道の持続可能な運営のための知恵の開発とアジアの大きな市場の重なり
(4) 「きまじめさ」を理解される形に!
 国際標準化と総合鉄道技術を俯瞰できる専門家の育成
(5) 「きまじめさ」をシステムとして体現する電気・電子・情報技術


おまけ: 沖縄に鉄軌道を! LRT Workshop in Okinawa 2010

訂正:

講演中で昨年度までの情報に基づき、日本の電子計算機の最高速度記録の世界的地位が急速に年々低下しているということを申し上げましたが、それから数日内に、現在の日本の地位が4位といわれるようになった事、評価法によっては最高性能とも言えるとの報道が出ましたので、(前言は講演時点では誤りではなかったものの)、現時点での情報に基づき修正させていただきます。

2010年10月3日日曜日

2010年度冬学期 「制御工学第二」火曜日1限 @242教室 2011/01/15改訂

制御工学第II (火曜日第一限 242教室)
古関隆章・堀 洋一
Ext. 26676, takafumikoseki @ ieee.org

第3回目の演習問題を出題中です!

期末試験の日程が正式に2/8午前中と発表されました。

制御工学第二講義予定

(01) 10/05 状態空間におけるシステムの取扱(1):夏学期の復習、講義の構成など導入的説明、状態変数と状態方程式I、
(02) 10/12 状態空間におけるシステムの取扱(2): 状態変数と状態方程式II、 実現問題、
(03) 10/19 状態空間におけるシステムの取扱(3):状態遷移行列と時間応答シミュレーション、可制御性と可観測性
(04) 10/26 藤本准教授特別講義: 制御工学の実際: 運動制御への応用
(05) 11/02 状態空間におけるシステムの取扱(4): 多項式法による極配置の提案、状態フィードバック、第1回目演習出題(12/07提出予定)と状態推定に関する説明資料の配布

第1回目のレポート用演習問題です。(12/07の講義の際に提出をお願いします。If you have problems in understanding Japanese problems, please contact me directly! )

(06) 11/09 居村助教特別講義: ワイヤレス給電と効率改善のための電力制御技術
(07) 11/16 状態FB制御系の設計の考え方:多項式法と最適制御(LQR)における評価関数の直感的理解について
(08) 11/30 LQRにおける最適性の証明、一次元時不変線形系のリカッチ方程式と最適制御の例題、指令値追従形制御への拡大系の構成 

ここに状態推定(State estimator, Luenberger observer) に関する説明資料をおきます。圧縮ファイルの中身は、学部講義用の日本語のスライドと、大学院講義用の英語のスライドに分かれていますが、その内容はほぼ同じものであるとご理解ください。次回12/07の講義で説明予定ですが、あらかじめ入手して目を通しておいていただけると理解が深まるものと思います。
(ファイルが開きにくいとの指摘がありましたが、動作確認をしてみて、少なくともWindows上では問題なく機能しましたので、そのままにしてあります。 12/07 10:47 JST)

(09) 12/07 状態推定
(10) 12/14 ディジタル制御(1): 空間量子化と時間量子化サンプリング動作の数学的表現、サンプリングを含む系の取扱とZ変換
(11) 12/21 ディジタル制御(2): ディジタル系安定性判別、ディジタル系のアナログ近似
第2回目演習出題 をこちらからご入手ください。(2011/01/11提出)
ディジタル制御の説明補足スライドはこちらから

(12) 01/11 ディジタル制御(3):
連続系の制御器と離散系の制御器の対応関係とディジタル系のアナログ近似(ディジタル再設計) + 第3回目の演習出題

最終回の出題では、第3回目のレポートにかける時間が不十分になるとの指摘がありましたので、次週以降の非線形制御入門を中心とした最終レポート(2/1の朝提出予定)をここに出題しておきます。
試験の準備としてはこれに加えて、本日学んだディジタル再設計を用いて、連続系の伝達関数から近似的に等価な漸化式を導く計算を練習しておくといいでしょう。

第3回目演習出題 をこちらからご入手ください。(2011/02/08提出
  <==期末試験日の発表に伴い提出日が変更になっております。)

(13) 01/18 堀教授:非線形制御入門(1)

(14) 01/25 非線形制御入門(2)   

(15) 02/08 08:30-11:30 期末テスト


制御工学第一の内容(復習)
1.序論
1.1  制御工学とは何か
1.2  制御システムの例,分類
1.3  閉ループ制御と開ループ制御
1.4  制御工学の歴史

2.システム動特性の表現
2.1  信号伝達と状態遷移
2.2  動作点まわりの線形化
2.3  線形システムの表現
(2.4  ラプラス変換法の基礎)
2.5  ブロック図とその合成
2.6  特性の計測法

3.制御システムの安定性
3.1  線形システムの安定性
3.2  ラウスの安定判別法
3.3  ナイキストの安定判別法
3.4  フィードバック系の安定度指標

4.フィードバック制御系の基本特性
4.1  入力追従特性と外乱抑圧特性
4.2  定常誤差と誤差係数
4.3  2次系の過渡応答
4.4  2次系の周波数応答
4.5  高次系の代表根

5.線形フィードバック系の補償
5.1  フィードバック制御系設計の基本指針
5.2  直列補償とフィードバック補償
5.3  ニコルズ線図を用いた制御系設計
5.4  根軌跡を用いた制御系設計
5.5  直列補償とPID調節計
5.6  フィードバック補償

制御工学第二から制御工学第一への移行
古典的制御の復習と状態空間法との関係(フィードバック制御と多項式法など)
状態空間におけるシステム序論:連続量と離散量

---

2. 教科書・参考書
新: 制御理論の基礎 昭晃堂 (これは生協などで購入可能と思われる。)


(堀・大西: 応用制御工学  丸善
ただし、この本は現在書店で入手できない。図書室にはあるはず。堀教授にお願いし、制御工学第一のときと同様に原稿のpdf版をここにいただいた。ただし、講義初回で示したPW付。)


い ずれにしても、これは教科書指定ではなく、推薦参考書なので、授業では該当ページを示すのみで板書の内容と一対一の対応にはなっていない。主として、自宅 学習や演習問題を解く際の参考として活用してほしい。具体的にはいろいろと探してみて自分に合うと思う本を買って学ぶのが良い。

平井・羽根田・北村: システム制御工学  森北出版
金原・黒須: ディジタル制御入門  日刊工業新聞社
小郷・美多: システム制御理論入門 実教出版社
前田・杉江: アドバンスト制御のためのシステム制御理論  システム制御情報学会編 朝倉書店
正田: 制御工学  培風館 

MATLAB: SimuLink, Control tool boxなど
計測制御学会誌、電気学会雑誌、論文誌など

3. 授業の受け方

式を自分で追ってみる-------演習問題。
学生実験課題18で体験する演習のように、SCILABなどを用いたシミュレーションもできると良い。
(このブログにある実験課題18の解説を参照されたい。)
演習問題のレポートをすべて期限内に提出することを、期末試験を受ける条件とする。

A4の方眼紙をノートとせよ: 授業は基本的に板書を中心に行う。
色鉛筆を用意する-------作図の理解に便利。
本年度は位相面軌跡を堀教授が11月に丁寧に解説してくれるが、非線形制御の解説は一般に手薄になりがち。冬休みなどに参考書の相当部分を自主的に読んでもらえるとありがたい。

本資料の更新版をはじめ、講義中の資料は必要に応じて、http://takafumikoseki.blogspot.com/ から入手可能なようにアップロードします。

2010年9月23日木曜日

第28回 日本ロボット学会学術講演会 OS: ロボットにおける生体運動制御の基調講演(9/22)に関する情報公開

第28回 日本ロボット学会学術講演会
1P1 OS: ロボットにおける生体運動制御
【基調講演】ロボット四肢の運動制御で二関節筋の機能を考慮する工学的意義
-技術者にとって冗長性に加え何が良いのか?-
○古関隆章(東京大学) 福正博之(東京大学) 杉本貴大(東京大学)

藤川先生、辻先生の適切かつ親切なセッションの司会で何とか上記の講演を終えることができました。自分自身としては最新の内容を話したつもりですが、基調講演という枠組みであったことと、予稿に書いた際、最も重要な結論部分の肝心の数式の係数に誤植があったためヤヤわかりにくいところが出てしまいました。そのお詫びと修正情報の提示を含め、修正済みの予稿と、9/22の講演のスライドをここに公開いたします。

いろいろとコメントいただければありがたいです。


(このスライドで最も重要なのは18ページ目の2つの数式です!)

2010年8月31日火曜日

3年生冬学期実験課題 No. 17 制御系設計と運動制御 (コントロールラボ担当 10/03 改訂)

 堀教授および古関准教授が共同で担当する課題17では、電気―機械系の相互作用で生ずる運動制御を通じ、講義で学んだ制御理論、特に、フィードバック制御を、外乱の影響や機械的振動の抑制を体験することで実践的に学ぶ。そして、制御系設計法を実践的スキルとして体得することを目的とする。本課題の履修者は、動的な物理現象への技術者としての関わり方、制御理論の基礎的な考え方を身につけることができる。同時に、ロボット、工作機械や搬送装置などのための産業用ドライブ、車両駆動など、広い範囲の実務に臨む際の有力な武器となる技術的素養を、この経験を通じて体得することが期待される。

重要: 初日に自分の使用するノートPCを必ず演習会場に持ってきてください!

MATLAB, Simulinkの使用法については、関連の参考書やweb上の説明(例)などを見てください。
英文ですが、Matlab入門として基本的なことが書かれているのはこれです。その他「Matlab 基本 初心者」などのキーワードで検索をすると、親切な解説を日本語で書いている方もいらっしゃります。
最も早いのは適切な入門的参考書を一冊購入することだと思います。


また、学生版を自分で購入する方は、このページから、あるいは大学生協などを通じて申し込みができると思います。フリーソフトSciLabの入手はこちらから


演習、実験に必要なテキストおよびファイルを以下から事前にダウンロードしてよくお読みください。
使用ソフトのリンク情報は暗号化されています。その内容を見るためのパスワードは演習初日に個別にお伝えします。

------------演習/実験の内容の解説と必要ファイル----------------
(リンクを右クリックで「新しいタブで開く」として、ファイルを閲覧あるいはダウンロードください。)

(1) 制御CAD演習テキスト (共通ファイル 重要)

(2) 数値計算ツール  (暗号化されています。)


以下は選択課題によってダウンロードするファイルが異なる

----実験課題A----
(3) 一軸ロボット実験指導書(堀 2010年度) <==ほぼ共通ファイル!  


----実験課題B----- <==ここは今年度は必要なさそうです!
(4) 二慣性系実験指導書 (古関 2010年 Β版)

(5) 二慣性系の実験装置のマニュアル  (圧縮暗号化されています。)



--------------------------------------
ここに、演習問題のサンプルファイルを置きますので、必要に応じてご参照ください。
(本当は ##.mというMファイル形式がよいのですが、ここでは表示の容易さのために sample.txtとしています。)

提出レポートについての具体的指示

<親レポートとして出す人>
演習問題の中で赤で書かれたもの(できるだけ網羅的に)
+実験(結果と考察を中心に) 考察課題 (2)+(5)+(7) +α

<子レポートとして出す人>
実験(結果の簡単なまとめ)+ 考察課題 2つを選んで提出

2010年8月29日日曜日

中央大学理工学部 2010年度冬学期科目 「電気機器」(01/13改訂)

「電気機器」

冬学期 1時限目 (09:00-10:30)

[1] 履修条件

高校および大学の理系の教養課程で物理学の基礎としての力学(剛体の力学を含む)および電磁気学を習得していること

複素インピーダンスを用いた交流回路計算法を含む基礎的な電気回路理論を習得していること

複素数、三角関数、簡単な定係数線形微分方程式やラブラス変換を用いた簡単な計算ができる数学的基礎を有すること

インターネットを通じた定期的情報取得が可能な環境とPCリテラシィを有していること


[2] 授業概要

電力システムの発変電の基本、電気自動車、鉄道車両や工作機械、ロボットなどの運動制御の基礎となる電気-機械エネルギー変換の基本的な仕組みと理論を学ぶ。

また、電気機械の理解を通じて、複雑な物理現象の本質を簡易に扱う「電気技術者の思考テクニックとしての等価回路に基づく考え方を修得する。


[3] 授業計画


1) はじめに 2010/09/23

講義/学習の進め方

電気-機械エネルギー変換、交流と直流、多相交流

電気-機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

電気機器学の学問としての位置づけ

電気機械の種類、静止器と回転機、エレクトロニクスとパワー


09/23の講義で用いたスライドの控え(暗号化ファイル 約8MB)

09/30に提出を求める第1回小レポート課題


上記のファイルのダウンロードが大学側のセキュリティ設定でできないという連絡をいただきました。

個人のネット環境からのアクセスでは問題ないと思いますが、当座の応急措置として、レポート課題の内容をいかにテキストの形でお示しします。ファイルのダウンロードがうまくできなかった方は下記のテキストA4の紙にカットアンドペーストして適当に整形して、次週にご提出ください。


---09/30に提出を求める第1回小レポート課題(テキスト版)---

2010/09/30 第二回目講義開始時に提出用のレポート課題


学生証番号:               氏 名:                   

[問1] 電気機器の特徴がよく生かされている身の回りの製品を3つあげ、その中で電気機器の特長が具体的にどのように発揮されているか説明してください。

<解答欄:適当なスペースを空けてください!>


[問2] この講義への期待、要望事項があればお書きください。

<解答欄:適当なスペースを空けてください!>


次回09/30の講義開始時にご提出ください。

--------------------------------------------------------------------------------

==>いずれにしても大学側のセキュリティ設定は古関の立場ではどうしようもないので、代替サーバの使用を試してみるしかありません。こちらでダウンロードできるかどうか試してみてください。


9/23の講義スライド(暗号化ファイル Ubuntuのサーバのリンク)

9/30に提出を求める課題(Ubuntuのサーバのリンク)


多分こちらは問題が少ないと思うのですが、もしこちらでもうまくいかなければ、再度古関宛にFBをかけてみてください。


2) 交流における電気エネルギー変換・電気機械エネルギー変換入門 2010/09/30

古典力学と電磁気の復習

10/07に提出を求める第2回小レポート課題(Ubuntuのサーバのリンク 改訂済)


単相、三相といわれてもわからないというコメントを書いた人がいます。三相交流について10/7に基礎的な解説をいたしました。


教科書が品切れで手に入らない

==> 確かにアマゾンでも中古しか置いていないということがわかりますので、在庫が少ないということですね。


ネットなどでも最も評判の良さそうな


藤田宏著 電気機器 (森北出版)


も推奨参考書として推薦します。(入手できるもので基本的に自分の気に入った参考書を用いるということでいいと思います。)


また、松井先生の本も良さそうです。


このような基礎科目は多くの本が出されていますので、自分の肌に合った本を探してじっくりと読んでみることが大事だと思います。


3) 2010/10/07

三相交流の基本 回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味

思考の手抜きの技術としての電気回路 フェーザ表示



10/14に提出を求める第3回小レポート課題(Ubuntuのサーバのリンク)

(10/7差し替えました!)


4)  変圧器 (電気材料、理想変圧器、実在の変圧器の等価回路表現) 2010/10/14


5) 2010/10/21

変圧器の等価回路と基本的測定法 

10/28に提出を求める第4回小レポート課題(Ubuntuサーバのリンク)

<==10/21の講義の復習として、ご活用ください。提出を1週間ずらしました。

   必要に応じ参考書の記述を参照してまとめるといいと思います。


6) 2010/10/28

変圧器のまとめ:パーセントインピーダンス 三相結線法など

誘導機I

誘導機の原理と特長


#)  2010/11/04 講 義 な し


交流回転機理論を理解するために不可欠な三相巻線と進行磁界の関係を理解するため、この記載を丁寧にご覧ください。 そして

11/11に提出を求める第5回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)

問1の用語については参考書の該当ページを参照しながら、理解しまとめてください。

問2は電気回路のノートや教科書を参照しつつ復習としてやってください。


[参考情報] 誘導機の定常特性は変圧器に似た単相等価回路を用いて議論され、特性測定法などもそのモデルに基づいて決められてますが、その等価回路自身の導出の理論展開は必ずしも簡単ではありません。講義ですべて説明するには分量が多すぎることもあり、講義の中では説明を省略せざるを得ません。その詳細な導出過程を学ぶにはこの記述を参照していただきたいと思います。この資料では、5.3.61式までにおいて、三相交流により進行波=回転磁界が形成されるという基本から単相回路回路の導出を説明しています。 

7) 2010/11/11 誘導機 II

誘導機の構成、変圧器と誘導電動機

誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、

等価回路計算のための準備(鳳-テブナンの定理の使い方)


11/18に提出を求める第6回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)


8) 2010/11/18 

誘導機 III モデル同定のための測定法
等価回路の導出と特性計算、誘導機の種類とエネルギーの流れ、
誘導機の始動法


11/25に提出を求める第7回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)


9) 2010/11/25

誘導機補足: 誘導機の試験法、 空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)

直流機概説: 直流電動機と発電機


12/02に提出を求める第8回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)

夏学期の講義、「パワーエレクトロニクス」ご担当の佐藤先生(千葉大学教授)とお話し合いをして、パワーエレクトロに関する説明を、その基礎的部分からほぼすべて佐藤先生にお任せることとしました。その結果、古関の講義本体部分では「鉄と銅」の機械に関する話に限定して扱うこといたします。このことに基づき、以下のとおりシラバスの改訂をいたします。

10) 同期機 I 2010/12/02

直流機と同期機入門: 同期機の特殊形としての(他励)直流機

エネルギー保存則とモータ定数

運動制御のアクチュエータとしてのモータの特性とその基礎モデルとしての電機子の回路方程式


12/09に提出を求める第9回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)
なお、12/02に第8回レポートを出しそこなった人は、12/09の講義開始時に提出機会を与えますので遅刻をしないようにしてください。


11) 同期機II :  2010/12/09

三相巻線と同期発電機の原理
構造と分類, 同期機の機能

12/16に提出を求める第10回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)

<補足説明>
ここで提出を求めた[2]の後半部分そして、同期機の機能上の3つの分類を示し、各々における有効電力や無効電力の関係を簡単に説明してください。について、何を書いて良いかわからないとの質問がありました。期待したのは、予習的な意味を含めて、「同期機の界磁電流の強さを操作することで、同期機が負荷電流の力率に影響を及ぼすことができるため、無効電流を供給/吸収する能力を持つ一方、有効電力は実際の物理的エネルギーの授受に関係するため軸を介した機械エネルギーの授受と直接つながりがある」というような説明でした。その意味は残りの同期機に関する講義の中でご理解いただけると思っています。

12 ) 同期機 III 2010/12/16

期末テストに関するアナウンスと試験準備に関する助言

電機子反作用と特性のモデリング

負荷電流の位相と電機子反作用による増磁/減磁作用


12/23に提出を求める第11回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)


13) 2010/12/23 授業アンケート+同期機 IV 

期末テストに関するアナウンスと試験準備に関する助言

円筒機特性のモデリング


01/13に提出を求める第12回レポート課題をここでご入手ください。(Ubuntuサーバへのリンク)

皆さん良いお年を!

14) 2011/01/13 同期機 V: 同期電動機 (最終講義日)

突極機特性のモデリング

同期発電機の基本特性の測定法

発電機の並行運転と電力系統

トルクの発生原理、同期電動機の種類とその特長

同期調相機と力率調整

今後の学習のために


[4] 評価方法

(インターネット経由で講義後毎週出題する)小レポートの講義開始時の毎週の提出(40%)と期末テスト(60%)

==>タイムリーに出し損ねたレポートは最終講義日にまとめて提出してください。

(既提出でも、不十分であった箇所を補いたい場合にはこの日に併せて持ってきてください。)


[5] テキスト 参考文献など


---教科書指定---

「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」

エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)

<== 2010年改訂の第二版が市場に出ているようです!

指定教科書はなく、ご自分でよいと感じる基礎的な参考書を選択し、仲間にも薦められるものがあれば、是非このブログのコメントとしてご紹介ください。


といっても、何も指定されなければ勉強できない、という方には、


藤田:「電気機器」 森北出版


も、推奨書として推薦します。


---推薦参考書----


<入門書として初学者に読みやすいもの>

森北出版 藤田「電気機器」

森北出版 松井「電気機器 (基礎からの電気・電子工学)」

電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」

 <==どれでも好きなものを選べばいいと思います。


<一般的なもの>

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」


<専門性の高いもの>

本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書

(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)

坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版


[6] 授業外の学習活動 特に無し


[7] そのほかの特記事項 特に無し


[8] 参考URL

古関のブログ:講義に関する情報、補足資料やレポート課題をここから御入手願います。

http://www.takafumikoseki.blogspot.com/


[9] 参考資料

上記のリンクから適宜入手してください。


[10] 履修者の皆様への備考

本ページは演習の出題なども含め、適宜更新されますので注意深く頻繁にご覧ください!

2010年7月27日火曜日

工学院大学・朝日カレッジ「鉄道技術各論シリーズB5」御聴講の皆様

とても暑い中、本日7/27の講義「超高速領域の新技術と磁気浮上式鉄道」にご参加いただき、熱心に話を聴いてくださってありがとうございました。配布資料に不備がございましたことをお詫び申し上げます。

スライドのハンドアウトを改めて

 ここからご入手(約1.2MB PWつき)

ください。講義の際にお示ししたPWつきです。公開資料のみに基づいて作成した資料ですが、これは電子ファイルの一般公開ではなく、あくまでも大学の講義室内での配布プリントの代替物に過ぎませんので、お取り扱いにご注意をいただきますよう、お願いを申し上げます。

(何か問題がございましたら 古関隆章 takafumikoseki@ieee.org までご連絡ください。)

2010年7月8日木曜日

重要: 3年生夏学期講義「制御工学Ⅰ」補足: 状態フィードバック制御系の設計法例題

2010年7月5日の最後の講義でご説明が間にあわなっかた「状態フィードバック制御系の設計法の簡単な具体例」を、講義で申し上げたとおり、ここにお示ししますので、講義のなくなった7/12月曜日1限の時間を用いたりして、しっかりとプリントの内容を学び、計算法を身につけてください。

(期末テストの対策としても有効ですが、この計算法をきちんと体験しておくことは、長期的に重要
だと思います。また、講義中に説明をした、状態空間表現をラプラス変換し伝達関数を計算する計算法も丹念に復習されることをお奨めします!)

2010年6月1日火曜日

2010/06/01 総合科目人間環境一般「人間社会と交通システム」   リニアモータ、磁気浮上の技術とそれらを応用した交通システム--開発の歴史と将来展望-- の講義を終えて

本日、熱心に聴講していただきありがとうございました。レポート課題は以下の通りです。

「本講義で紹介した、電気/磁気的な手段によって、非接触で車両を支持、駆動する方法の
  現存する方式の分類
  必要な技術要素
  長所と問題点
についてまとめ、それらの技術的背景に基づき、
今後の公共交通の中で、磁気浮上技術が今後、必要か、不必要かという自分の立場を明示し、その理由を具体的にまとめよ。」

本日のスライドの縮小版をここから入手してください。(約1.3MB)
ファイルを開けるには、講義でお伝えしたパスワードを入力してください。

2010年5月17日月曜日

2010年5月17日3限「環境電気工学」を終えて

本日2010/05/17の3限、拙い講義をお聴きいただきありがとうございました。
その際のスライドの控えを、講義の際に板書したPW(e##2###)つきでここから入手可能にします。(約16.4MB)

今後の勉強のためにお役立てください。

来週以降の講義予定は以下の通りです。

4/5,19,26    小田先生、小野亮先生  環境破壊(公害)と人間活動、公害対策技術 (集じん機、プラズマによる環境改善)

5/10  横山先生  環境と電力システム1(自然エネルギー)

5/17  古関 環境と交通システム1(電気鉄道)

5/24 池田先生  環境と電力システム2(超高圧送電)

5/31   大崎先生   電磁環境(EMC)

6/7   堀先生  環境と交通システム2(電気自動車1)

6/14  藤本先生  環境と交通システム3(電気自動車2)

6/21  熊田先生 環境と電力システム3(SF6代替)

6/28 谷口先生 環境と電力システム4

7/5  馬場先生 環境と電力システム5(超電導・エネルギー貯蔵)   

7/12 小野靖 先生  環境と新エネルギー

2010年4月27日火曜日

第32回「交通ビジネス塾」 リニアモータ・磁気浮上の技術と軌道交通への応用の展望 についての補足資料 (5/1改訂)

連休の合間の夜にお集まりいただきまして、熱心な御討論ありがとうございました。
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■テーマ リニアモータ・磁気浮上の技術と軌道交通への応用の展望

2010年4月4日日曜日

総合科目人間環境一般「足からロケットまで---走る/飛ぶ/探る科学入門」(2010/07/07 改訂)

取りまとめ:工学部電気電子工学科 准教授  古関隆章
(URL http://www.koseki.t.u-tokyo.ac.jp,
e-mail: takafumikoseki AT ieee.org)
Skype: takafumikoseki
場所: 駒場キャンパス 118教室 金曜日5限(16:20-17:50)
科目コード 11740

標記講義を、駒場キャンパスにて開講します。ものを動かすことに興味のある人は、目指す専門分野を問わず広くご参加くださりますよう願っております。大学の 講義では細かく見ればわからないところがたくさん出てきますが、それはむしろ当たり前のことです。わからないことがあったことを、いちいち気にする必要は ありません。大切と思われることを、必要に応じて自分で調べ、あるいは教員に積極的に質問し、わからぬことをわからぬままに放置せぬ努力を忘れねば大丈夫 です。
人や物を効率良く運ぶことが、文明社会の成立に欠かせず、移動手段を提供する技術が、我々の生活の基本を支え、そして生活を楽し く豊かにするために大切です。実際、日常的な生活の中で、自動車や鉄道などの身近な交通は不可欠なものとなっていることを実感しているでしょう。人々は太 古の昔から、速くて、快適で、便利な移動手段を求めてきました。近年は、これに加えて、安全性への意識も高まっており、環境への負担の少ない交通、高齢社 会への移行に伴い「交通弱者でも移動の自由が奪われない」バリアフリーに対応した交通など、移動手段の「質」に対する要求もさらに高いものとなっていま す。このような様々な要求に応える「運ぶ」営みのために、電気や情報の技術が貢献できることは多く、交通における電気・電子・情報技術の役割はますます大 きくなっています。
本講義では、このような視点から、電気エネルギーおよび情報通信や計算機技術を積極的に用いて人や物を「うまく」運ぶ方法論を
--電気自動車、ハイブリッド自動車
--リニアモータ・磁気浮上超高速鉄道
--電気鉄道など軌道系の交通システム
--宇宙環境におけるロボットの移動技術
--エネルギー問題から見た交通と、グローバル環境への影響
を例に、オムニバス形式で2-3コマ程度で解説をし、高校や教養学部で習う物理や数学の延長上にどのようにこれらの技術が構築されているかをできるだけわかりやすく具体的に解説するとともに、最新の研究動向を紹介します。
(この研究に興味を持つ受講者には希望により研究室の見学なども可能です。熱心な文系の学生も歓迎するが、基本的には高校の理系科目選択者程度の物理、数学の知識を前提とした講義内容とします。)
古関隆章(こせきたかふみ 准教授 工学部)以外の講師陣:
大崎博之(おおさきひろゆき 教授 工学部)
堀洋一(ほりよういち 教授 工学部)
藤本博志(ふじもとひろし 准教授 工学部)
呉 世訓(オ・セフン 助教 工学部)
+JAXA 宇宙科学研究所 および東日本旅客鉄道株式会社からのゲスト講師 計4名

---H22年度の講義スケジュール----

(1) 4/9: 久保田 導入(宇宙と電気技術者)+宇宙研の紹介(1)
月惑星探査,探査ロボット(仮題)
講義紹介スライド(70kB)
久保田講師の講義スライド(暗号化圧縮ファイル 710KB)
40名近い皆様にお集まりいただきありがとうございました。

(2) 4/16: 古関 講義全般の紹介と成績評価についての事務的連絡  
エネルギー変換と電気駆動
第1回目に出ていただきましたほとんどの皆さん、講義に継続して熱心にご参加くださりありがとうございます!
古関の講義スライド(暗号化pdf 1.65MB)

(3) 4/23: 藤本 電気自動車の運動制御

(4) 5/7: 大崎 超電導技術と輸送の科学

(5) 5/14: 古関 電気車両駆動技術史;電気鉄道と電気自動車の類似点と相違

古関の講義スライド(暗号化pdf 7.9MB)

(6) 5/21: 林屋(古関) 環境に優しい公共交通機関としての電気鉄道技術

5/28 五月祭準備のため講義なし
 
(生産技術研究室の公開は翌6/4, 5 でした。

  誤解に基づく誤った情報を掲載いたしましたことをお詫び申し上げます。)

6/2の午後に本郷キャンパス工学部2号館を中心に、電気電子情報系の学科に関係する研究室のオープンハウスを行います。ふるってご参加ください。

(7) 6/4:
福地(古関研): 高速な鉄道運行の安全を支える技術----信号保安技術 (16:20-17:10)
 古関: 世界の鉄道の高速化技術 (17:15-17:40)

古関の講義資料スライド(暗号化 約4.1MB)

福地の講義資料スライド(暗号化 約2.1MB)

(8) 6/11: 古関 磁気浮上とリニアモータの技術の軌道交通への応用
           +レポート課題と提出についての打診6/15 期末レポートについての重要情報を出しましたので、末尾の記述にご注意ください!

古関の講義資料スライド(暗号化 約3.4MB)

(9) 6/18: 呉 電動駆動で人間の足を作るには

(10) 6/25: 堀 「ちょこちょこ充電しながら走るクルマ社会へ」

(11) 7/2: 坂井 人工衛星の動かし方&作り方 人工衛星 姿勢制御 小型衛星 フォーメーションフライト +宇宙研公開情報

(12) 7/9: 橋本 宇宙研の紹介(2)+宇宙探査機は電気で動く
~小惑星探査機「はやぶさ」も電気で動く~
講義資料をここから入手(PW付き 約 10MB)
(13) 7/14: 林屋(古関)電気鉄道の環境性を支える電力技術の最新動向
+レポート課題と提出についての確認(古関)

講義資料で電子ファイル配布があるものは、このページからDL可能なようにします。ファイルにはPWをつけアクセス制限をかけることがあります。

-------------------------
重要:

本講義の成績評価の主たる部分は以下のレポートの評価結果に基づき行います。

(6/11にこのアナウンスを出すのは、期末試験期間に入る前に十分な時間的余裕を持ってレポート作成をしたいという方のご要望に答えるためです。)

レポートを、以下の要領でe-mailで提出してください。成績評価は、レポート採点結果と講義への出席回数を総合し、厳正に行います。

[1] 締め切り

すべての履修者: 2010/08/01 (Sun) 21:00 JST
==> レポートの受付を締め切りました。すべての提出者にはすでに受け取りの確認の連絡をしたつもりですので、おかしいと思った方は至急古関宛takafumikoseki AT ieee.orgにご連絡ください!

[2] 提出先 pdfのe-mailの添付ファイルとして takafumikoseki AT infoseek.jp あてに 
(古関から受け取り確認のメールを返しますので、その確認の連絡が2-3日以内に来ない場合には古関まで(別アドレス: takafumikoseki AT ieee.org)確認のご連絡をお願いします。)

[3]提出に関する技術的注意と参考情報
ワープロなどは任意ですが、 フリーのopenoffice.orgを用いれば、数式を用いた文書もpdf化も含めすべて簡単に処理できます。(ちなみにこのページや教材の作成は、 OSすらWindows環境ではなく、Ubuntu上のソフトですべてを行っています。)
google docs、zohoなどを用いても図入りの文書作成とpdf化は可能です。(ただし、数式作成機能はありません。)
また、任意の文書ソフトからの pdf化もフリーのツールで可能です。
大きいファイル(数百 kB以上?)をメールに添付することは避けてください。そのような場合には Dropsend  http://www.dropsend.com/ などをご利用ください。


[4] レポート課題

課題名:  (課題1. )  ○○○○
学生証番号: ○○○○    提出者氏名: ○○○○ とコメントを返すためのメールアドレス
関係講義テーマと採点希望教員: ○○○○ (末尾の参考資料から選択)

-----------------------------------------
課題1: 参考資料にある講義課題に関係するキーワードを選び、自分の興味のあるテーマを1つ設定し、それに関して、単なる調査ではなく必ず自分の意見を入れて、 A4 レポート用紙で、6ページ以内で論じてください。

(調査・参考した資料については、末尾に参考文献リストを記載し明示してください。参考文献の上手な挙げ方も評価対象になりえます。)

課題2: 本講義の良かったところ悪かったところを忌憚なく御指摘ください。特に、来年度以降の講義の改善に役立つような、積極的批判、ご意見を期待しております。
(講義時間帯、講義の進め方、教室、話題の選択、成績評価の方法など、気づいたことは何でも遠慮なく指摘してください。教員に対して厳しいことを書いたから、成績評価が悪くなることはまったくありません。遠慮なく有用な意見を述べてください。)==>ただし、匿名性を持たせるため、このブログページへのコメントの形でご記入いただいても結構です!

-------------------------------------------
参考資料:本年度の講義の担当教員とキーワード
(足からロケットまで の順で!)

呉 電動駆動で人間の足を作るには

藤本 電気自動車の運動制御
堀 「ちょこちょこ充電しながら走るクルマ社会へ」

古関 エネルギー変換と電気駆動
古関 電気車両駆動技術史;電気鉄道と電気自動車の類似点と相違
古関: 世界の鉄道の高速化技術
福地(古関研): 高速な鉄道運行の安全を支える技術----信号保安技術
林屋 環境に優しい公共交通機関としての電気鉄道技術
林屋 電気鉄道の環境性を支える電力技術の最新動向

大崎 超電導技術と輸送の科学
古関 磁気浮上とリニアモータ技術の軌道交通への応用

久保田 月惑星探査,探査ロボット
坂井 人工衛星の動かし方&作り方 人工衛星 姿勢制御 小型衛星 フォーメーションフライト +宇宙研公開情報
橋本 宇宙探査機は電気で動く

電気電子工学科 学部3年生「電気機器学基礎」 (2010/06/23改訂)

電気機器学基礎の講義は、月曜日の 10:15-11:45@245号教室で行います。本年度は4/5開講です。

昨年度効果的であった講義のやり方を踏襲し、出席調査がわりの簡単なレポート課題を出題します。毎週このブログを良く見てください。

----本学期の講義予定----
回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2010/04/05 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性、電気機器学の学問としての位置づけ

初回の講義に大勢お越しくださりありがとうございました。
本日のスライドのデータ、講義での説明の通り、暗号化してここから入手可能にしましたので、ご覧ください。来週は入学式のためお休みです。19日に再度お目にかかりましょう。
<==スライド配布資料の文字が見えないというご指摘がありました。そのために、みにくかった手書きの数式部分の補足説明ファイルをここに置きます。

---第1回目のレポート課題(4/19提出)---
電気エネルギー機械変換がわれわれの生活や産業界の世界で果たしている役割を述べよ。他の動力発生方法と比較して、電気機械による動力発生の優れている点、劣っている点は何かを考えそのことと関係付けて論じてみよ。(A4レポート用紙半ページ程度で短く回答してください。レポートの最初に、学生証番号、氏名と提出日を明記してください。)

<==引き続き4/26にも提出を受け付けます。 最初のレポートを拝見して:  第1回目のレポートを見て、何について論じているのか表題も無くいきなり書き始めているものが多く見られました。講義レポートといえども「読み物として完結」している必要があるでしょう。
 (1) 学生証番号/氏名
 (2) 表題(講義レポートの場合には問題文の再掲でも良い)
 (3) 内容(事実と意見コメントなどは明確に分けて書くのが良い)
 (4) (必要に応じ)参考文献リスト、参考資料の出典
などの基本的事項が、たとえ短い報告書であっても形式的に明確に示されている必要があると思います。

------------------------------------
2) 2010/04/12 月 入学式のため休講

3) 2010/04/19 月
電気機械の種類と分類、電気機械エネルギー変換の物理的基礎、思考の上手な手抜き:磁気回路法によるモデリング
次週以降の講義の順番を多少変更します。
第二回のレポート課題(4/26提出)はここからご入手ください(再訂正版)!(巻線抵抗rの定義がなされていないというご指摘があり4/22深夜に差し替えました。<==さらにお詫びと訂正: 既にいただいたレポート中で、問題文の重要な誤植(磁気抵抗のインバースの上付文字が書き落とされていたこと)が指摘されておりましたので訂正版に差し替えます。これに起因する採点上の不利は無いようにしますが、磁気抵抗に関わる次元が矛盾したままの答案が多くなってしまいましたので、今後の物理的な正しい理解のために御注意ください!)

4) 2010/04/26 月 直流機
直流電動機と発電機、同期機の特殊形としての直流機

5) 2010/04/30 金(月曜扱いの振替日)  直流機の結線の種類と特性の比較 

------第3回目の演習問題(5/10提出に変更しました!)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名 

(1) 直流電動機、直流発電機の電機子巻線の定常状態の回路方程式を示し、それに基づき直流機におけるエネルギーの流れを説明せよ。

(2) (必要に応じて参考書などの記述を参照しつつ)他励直流機の界磁巻線(field winding)、電機子巻線(armature winding)の結線方法を図示し、(1)で示した回路方程式に基づき、その結線をした場合の発電機(generator)としての負荷特性(回転数一定、界磁電流をパラメータとし、横軸--負荷電流、縦軸--電機子電圧の関係を示すグラフ)、および電動機(motor)としての負荷特性(電機子電圧を一定、界磁電流をパラメータとし横軸--機械トルク 縦軸--回転数の関係を示すグラフ)を描いて簡潔に説明せよ。

補足説明:4/30の講義中の最後に質問のあった他励直流電動機(motor)の負荷特性(電機子電圧を一定、界磁電流をパラメータとし横軸--機械トルク 縦軸--回転数の関係を示すグラフ)についての質問は、ご質問者の誤解に基づくもので、トルクの式を用いて電機子電流I_aを表現し、それを電機子巻線の回路方程式に代入して、I_aを消去しトルクと、界磁電流および負荷トルクの式を書くことで、講義で示したような綺麗な直線の特性が得られることをご納得いただきました。
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皆さん良い連休を!

6) 2010/05/10 月 直流機の特性のまとめ+ 誘導電動機I

------第4回目の演習問題(5/17提出: 5/13修正)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

(1) (必要に応じて参考書などの記述を参照しつつ)分巻直流電動機および直巻直流電動機の界磁巻線(field winding)、電機子巻線(armature winding)の結線方法を図示し、その回路方程式に基づき、これらの結線を施した場合の負荷特性(電機子電圧を一定として、横軸--機械トルク 縦軸--回転数の関係を 示すグラフ)を描き、その動作特性を簡潔に説明せよ。

(2) 誘導電動機について(5/13追記)
三相対称交流の復習と進行波形成の確認
V_1(x,t)=V_0 cos(x)*cos(wt)
V_2(x,t)=V_0 cos(x-2/3*%pi)*cos(wt-2/3*%pi)
V_3(x,t)=V_0 cos(x+2/3*%pi)*cos(wt+2/3*%pi)

この3つを重ねあわせた V_total(x,t)=V_1+V_2+V_3
が進行波となることを示せ。 図として表現する方法についてはこちらを参照

(3) 自習のために
誘導機の単相等価回路を示せ。(図示して簡単な説明を付け加えるのみでよい。)

[参考] 誘導機の定常特性は変圧器に似た単相等価回路を用いて議論され、特性測定法などもそのモデルに基づいて決められているが、その等価回路自身の導出は必ずしも自明ではない。講義ですべて説明するには分量が多すぎることもあり、講義の中では説明を省略する。その詳細な導出過程については
この記述を参照せよ。この資料では、5.3.61式までで、三相交流により進行波=回転磁界が形成されるという基本から単相回路回路の導出を説明している。

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7) 2010/05/17 月  誘 導電動機II
交流における 電気機械エネルギー変換入門 :(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習、思考の手抜きの技術としての電気回 路、多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味、誘導機の原理と特長、誘導機の構成

------第5回目の演習問題(5/24提出: 5/18出題)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

(1) 端子電圧と一次電圧が一定のときの誘導機の速度、トルク特性の典型的な概形を示し、同期速度、臨界トルク、始動トルク、定格動作点、すべりなどの主要な用語を、そのグラフとの関係の中で説明せよ。

(2) 講義の中では直接説明していないが、誘導電動機の二次側(回転子)の構造には、巻線形二次導体、かご形二次導体がある。参考書、WEBの記述などを参照し、それらの構造上の特徴と長短を説明せよ。

(3) (予習)参考書などを参照に、誘導電動機の定常特性を表現する1相あたりのT形等価回路を書き、変圧器の等価回路との類似点、相違点を説明せよ。
(ヒント:この等価回路の二次側回路において、二次回路の抵抗によるジュール損と機械出力が各々どのような形で表現されているか?)

8) 2010/05/24 月   誘導電動機III (項目を整理しました!)
変圧器と誘導電動機
誘導電動機の原理と等価回路(=T型、π型等価回路)
等価 回路に基づく特性計算

------第6回目の演習問題(5/31提出 5/24出題)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

[1] 誘導機の単相あたりの等価回路を図示し、この回路の二次電流をテブナンの定理を用いて簡単に計算する手順を示せ。そして、その手法を用いてギャップを介して二次側に伝達される電力を計算せよ。また、この電力の物理的意味を講義ノートを参照して説明せよ。

[2] 予習:誘導機等価回路の式を用いて、一次周波数一定の電圧源で駆動される誘導機のトルク--すべり特性(あるいはトルク--速度特性)が、二次抵抗を変化させることでどのように変化するかを説明せよ。この性質を利用し、巻線形誘導機の始動時の円滑な加速のために、どのような工夫がされるか。

-------

9) 2010/05/31 月 誘導機IV
モデル同定のための測定法
誘導機の種類とエネルギーの流れ、円線図を用いた特性の表現
誘導機の始動法と制御

------第7回目の演習問題(6/6提出 5/31出題)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

[1] 誘導機の単相T形等価回路を書き、(実験書や参考書の記述を参照しながら)この等価回路の定数を定める(=モデル同定)のための、基本的な試験法とその測定結果を用いた定数の具体的算出方法を簡潔に説明せよ。

[2] (参考書やウェブの関連ページなどを参照しつつ、)講義で簡単に触れた誘導機の円線図の概形を描け。ただし、一次側抵抗値は近似的にゼロとして良い。特に、s=0, 1, ±∞の動作点が、その円上のどこに位置するか記入し、その動作点の意味を説明せよ。

[3] かご形二次導体を持つ誘導機の場合、「比例推移特性」を生かし始動の円滑化を図るために、どのような原理/方法が用いられているかを説明せよ。

10) 2010/06/07 月  同期機I
(誘導機補遺:空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)) 
三相巻線と同期発電機の原理

------第8回目の演習問題(6/11出題 6/14の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名 

(1) 小電力用単相誘導モータにおいて、どのようにして回転磁界を得るかという点を中心に、その原理と方式を説明せよ。

(2])交流巻線の空間高調波低減方法について述べ、巻線係数の意味を説明せよ。

11) 2010/06/14 月   同期機II
構造と分類, 同期機の機能, 電機子反作用

------第9回目の演習問題(6/16出題 6/21の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名 

(1) (参考書を参照しながらの予習:)同期発電機(円筒機)の準定常状態における1相あたりの等価回路を示し、負荷の力率が1である場合の、内部起電力、端子電圧と、負荷電流、電機子巻線抵抗と同期リアクタンスによる電圧降下の関係をフェーザ図を描いて示せ。

(2) 上と同様に、負荷電流の力率がゼロ(遅れ負荷電流、進み負荷電流の場合のそれぞれについて)フェーザ図を描け。ただし、この図では電機子巻線抵抗は十分小さく無視できるとしてよい。これらの図から進みの負荷電流をとる場合には、電機子反作用が増磁作用になることを説明せよ。


12) 2010/06/21 月 同期機 III  電機子反作用、特性のモデリング

最初に説明をした、負荷電流が力率1および力率0(電機子反作用による減磁作用、増磁作用)のフェーザ図でおいていたモデル簡易化のための仮定は

(1) 電機子巻巻線の抵抗 r_aは無視できるほど小さい、
(2) 同期リアクタンスX_sの中で、漏れリアクタンスはきわめてわずかで、同期リアクタンスのほとんどは電機子反作用リアクタンスであると考えてよい、
の2つでした。(講義後に、質問に来た方から、あとの説明との関係が明確でないという指摘がありました。良いご質問ありがとうございました。)

------ 第10回目の演習問題(6/23出題 6/28の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名

(1) 6/21の講義ノートを復習し、円筒形同期発電機のフェーザ図の描き方を確認せよ。(これは特にレポートに記載する必要はない。)そして、同期発電機の(準)定常状態を表現する単相等価回路を描き、内部起電力、電機子反作用の影響を考慮するために等価回路の中に含める同期インピーダンスとして考慮する各インピーダンスについて簡単に説明せよ。

(2) 参考書の該当する記述を参考にしつつ、突極機のフェーザ図を描け。また、突極機において、直軸リアクタンスと横軸リアクタンスが一般に異なる値をとるのはなぜかを簡潔に説明せよ。

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13) 2010/06/28 月 同期機IV
測定法、 発電機と力系統 トルクの発生原理、

------ 第11回目の演習問題(6/29出題 7/05の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名

(1) (参考書のp142ページなどの記述を参照しつつ)同期電動機の界磁電流を調整することで電機子電流の力率が調整できる原理を説明せよ。同期機のV特性といわれるグラフを示し、その原理を説明せよ。

(2) 6/28の講義で扱った電力の式に基づき、(電機子巻線の抵抗が十分小さいという前提のもとでの)突極機のトルクの式を示せ。その右辺第二項を積極的に利用したモータをリラクタンスモータという。リラクタンスモータの長所と欠点を述べよ。

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7/5の講義は最後のコマとなるため、板書を行う時間が十分にないことが予想されます。
そこで、この講義ノートを投影する形で説明を迅速に進めたいと思います。
(約400kB PWつき 初回の講義で通知したとおり、k####0です。)

7/12を休講とせざるをえないため変則的な加速を伴う進め方となりますことをお詫び申し上げます。

14) 2010/07/05 月
同期機補足:
同期発電機の並行運転 同期電動機の種類とその特長、同期電動機: V特性と同期調相機
パワーエレクトロニクス入門 I
パワーエレクトロニクス入門I: パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己消弧能力を持たない素子と転流回路


15 ) 2010/07/12 月  パワーエレクトロニクス入門II
高調波問題と解析法, 自己消弧能力を持つ素子とPWM,
ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ

+電気駆動制御と座標変換
制 御 同期機の原理と直流機の関係
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論?
制御工学との関係:定常現象と過渡 現 象、産業応用の話題(電機駆動とモーション制御)、
機器設計に伴う諸問題==> 電磁界数値解析(上記リンクの説明のみで概ね斜字で示したこの発展部分は省略とします。)

休講予定: ==> すみません。
講義の進度に応じ、適宜補足説明をこの部分に掲載する予定です。

電気機器学基礎の講義の範囲を超えますが、4年夏学期の堀教授の「モーションコントロール」の講義などで習う、回転機械の一般的な座標変換を用いた永久同期形モータの「速い制御」の考え方をまとめた資料を、参考のためここにご提供します。この資料では、制御および過渡現象のシミュレーションを、MatlabのSimulinkというツールを用いて、古典的な電流フィードバック制御器、速度フィードバック制御器、位置フィードバック制御器を順を追って設計する方法をまとめています。

16) 2010/07/22 木 13:00-14:40  期末テスト
自分で書いたA4の紙1枚持ち込み可能

--- 本年度教科書指定---
「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)

---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>

☆☆☆ 電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」

藤田:「電気機器」 森北出版
(amazonでは5つ星がついています!)

<一般的なもの>
☆☆☆☆☆:(株)日立製作所総合教育センタ技術研修所編
「小形モータの技術」 オーム社
メーカのエンジニア養成を目的に書かれていますのでわかりやすく実用的です。電気自動車や有限要素法による特性計算の話題までカバーしますので、基礎的な知識を広く身につける意味でお薦めです!

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」

仁田他: 「大学課程 電気機器(1)」 オーム社
(これは昨年まで準教科書として用いていた書籍です。現在、名誉教授の仁田丹三先生が、数理工学社から出版予定の教科書を執筆準備されています。)


<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
☆☆☆:坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版

英語で基礎的なことが良く書かれている本(これは古関が大学院生の時に輪講のために購入したものですが、現在では入手が困難になっているようです。)
☆☆☆☆:
Fitzgerald/Kingsley/Umans: "Electric Machinery" International Student Edition, MacGrawHill