Monday, 27 August 2007

制御CAD演習 実施要領(10/02更新)

3年生冬学期は、実験に加え月曜日午後は演習が行われます。堀教授と古関が担当するEA3 制御CAD演習ではPC上の制御CADソフトを用いて実践的な制御系の応答計算や設計の演習を扱います。

このブログの昨年度の記載でその様子がお分かりになると思います。本年度もほぼ同じ内容で演習をします。

実際に演習に使うテキストは、ここから入手してください。
演習当日の時間を有効に活用するため、事前にテキストに目を通し予習をして演習に臨むことを強く推奨します。

(10/01に配布された全体の実験計画の中で確認した結果、実施日程を以下の通りとします。)

場所: 工学部2号館12階古関研(123D1室)
日時: 月曜13:00-16:00

10/1(月) 午後 実験/演習全体のガイダンス

前半グループ (*はレポート課題出題日)

基礎演習: (1) 10/15 (2) 10/22* (3) 10/29 (4) 11/5*
応用演習: (5) 11/12 (6) 11/19*
レポート締切日: (2) 11/5(13:00@演習) (4) 11/19(13:00@演習) (6) 01/11(17:00@事務室)

後半グループ (*はレポート課題出題日)
基礎演習: (1) 11/26 (2) 12/03* (3) 12/10 (4) 12/17*
応用演習: (5) 01/21 (6) 01/28*
レポート締切日: (2) 12/17(13:00@演習) (4) 01/28(13:00@演習) (6) 02/15(17:00@事務室)

担当者: 堀教授 古関准教授 TA 鈴木武海(修士2年生)

以下に、後期実験テキストに掲載予定の、演習の紹介(の一部を最新情報に基づき微修正したもの)を転載しておきます。

講義だけでは何となく納得のいかなかった部分が、自分でシミュレーションをし、時間応答波形や周波数特性を見る中で、直感的に理解できるようになることを 目指していますので、エネルギーコースの人のみならず、情報系、電子系の科目を中心に履修している皆さんにも積極的にご参加いただきたいと思います。

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MATLAB, Simulinkを用いた制御系CAD演習(2007年度)

担当: 堀洋一, 古関隆章


  1. はじめに

 制御工学は電気系のみならずあらゆる工学分野で用いられている基礎的な技術であり、この演習の受講者の多くはすでに夏学期の「制御工学I」を履修していることであろう。また、駒場4学期でも制御工学と非常に関連の深いラプラス変換を用いた微分方程式の取扱を必修科目として学んでいるはずである。しかし、そこでは、例題があくまでも紙の上の計算で扱える範囲の比較的単純なものに限定されざるを得ず、面白さと言う点でも、現実的なより複雑な問題を解決するためのトレーニングを行うという点でも物足りなさを感じたに違いない。

 堀や古関の学生時代は、現在のように能力のすぐれた計算機・便利なソフトウェアが簡単に使える環境ではなく、時間応答のディジタルシミュレーションを行うことは、それ自体で数日を要する作業であった。たえば、分母多項式を導出し、ニュートンラフソン法で多項式の解を求めるプログラムを作成、留数の定理などを用いて各時間におけるラプラス逆変換を数値的に求め、さらに、それをグラフで表現するためのプログラムを作成するという作業を経てようやく一つの応答波形を可視化することができるという具合であった。さらに制御工学Iの授業で習ったような、いわゆる「古典制御理論」が盛んに研究された頃は、解析式の導出とアナログのアンプを組み合わせて積分器や近似的な微分器の回路をつくり、その出力波形を観測しながら研究が進められていたと聞く。(これをアナログコンピュータと呼んでいた。)

 今日では、幸いにして、高速の計算機と、プログラムやモデル作成の容易なグラフィック機能も含むソフトウェアが比較的簡単に手に入るようになっている。その代表的なものがこの演習で用いるMATLABで、もともとは行列の演算を扱う数値ライブラリ(サブルーチン集)を使いよくするために、変数をわたす部分のインターフェースを良くするツールとして生まれた。その後、それをベースにグラフィクスの機能などが強化され、商用の技術計算用言語として頒布されるようになった。さらに、フィルタ設計や最適化問題あるいは制御のシミュレーションなどに便利な、Toolboxと呼ばれるアプリケーションごとのルーチン集が別売りされるようになって、CADツールとして研究機関や産業界で広く用いられるようになった。MATLAB本体はあくまでもキャラクタ ベースでコマンドをスクリプトとして記述しプログラムを行う形態のツールであるが、制御の分野でMATLABが広く用いられる様になったのは、ブロック線図をカットアンドペーストでグラフィカルに作成することで非常に簡単に過渡応答の計算ができてしまうSimulinkというツールがMATLAB上で動くようになってからであろう。

 本演習でもMATLABの基本機能と、Simulinkを必要に応じて使い分けながら作業を進めて行くが、その便利な機能を堪能すると同時に、安直にその便利さに溺れることなく、問題そのもののもつ物理的本質やディジタルシミュレーションに伴う様々な問題点に注意しながら、頭を使って結果を考察するようにしよう。

 与えられた問題の他にも、自分自身で発展例題を作成しあるいは参考書を参照して興味のある問題を探してそれを解いてみることは大いに推奨される。ただし、この演習で用いているMATLAB/SimulinkStudent Editionであるため非常に複雑な問題を考えると、変数の数やブロックの上限が問題となる可能性もあることに注意してほしい。(詳細はソフトウェアのマニュアルを参照のこと。例:http://www.mathworks.com/access/helpdesk/help/toolbox/control/

 MATLAB/Simulinkの使い方に関しては、演習の現場でも指導を行うが、現場で閲覧できるStudent Edition のマニュアル(英語版)のほか、生協にもいくつかの成書があるのでそれを各自で適宜選択して購入するとよい。たとえばこの演習の内容に近いものとしては

西村, 野波:「MATLABによる制御理論の基礎」東京電気大学出版局1998

などが最近出版されている。またMATLABの概要を知りいくつかのデモなどがみたければ、このソフトを日本で販売しているサイバネット社のホームページ http://www.cybernet.co.jp/products/matlabを覗いてみると良いであろう。

 MATLABは、オンラインヘルプもマニュアルもすべて英語で書かれているが、少し慣れれば難しいことはない。 このようなマニュアルは、翻訳されたものよりも原文を読んだほうがずっとわかりやすいことを実際の研究の中でしばしば経験する。また、プログラム中のコメントやグラフの軸などもすべて英語で書かねばならない。もちろんローマ字で日本語を書くことは可能である。技術的な英語を用いることにアレルギーを起こさず、良い訓練の機会と思って積極的に活用し、必要なtechnical termを覚えてしまうと良い。


  1. 日程と学習内容

 本演習は、電子情報学専攻貸与のノートPCを用いて、工学部2号館12階の古関研究室にて、教員およびTAの指導の下で行う。1回のペースで6週で完結する。その概要を以下の表に示す。主として制御工学Iの内容に準拠している。制御工学I教科書の該当箇所を読み事前に準備することが可能である。具体的演習問題説明などは配布プリントで与える。古関隆章ブログ http://takafumikoseki.blogspot.com/ からもテキストをダウンロード可能とする予定。 制御工学IIの内容として演習の課題となりうるものとしては

2.1. ディジタル制御:Z変換
微分と疑似微分:Bode線図と波形の応答/Tustin 変換と厳密なZ変換の応答の比較
MatLab
を用いたディジタルフィルタの設計

2.2. 状態方程式と伝達関数:相互の書き換え
極配置に基づく状態フィードバック
時不変線形システムの最適レギュレータ問題と結果として与えられる極配置の関係
2.3.
状態観測器の設計
2.4.
定常カルマンフィルタ

などが挙げられる。これらを本演習の基礎編で本格的に扱うことは時間の制約上残念ながらできないが、今は、制御工学第一の範囲で状態空間法入門を扱っているので、これに関する演習も原理的に可能である。4回までの演習でMATLABを用いた作業に習熟したら、その後の選択課題の中で、これら冬学期の講義内容にも関係する課題に積極的に挑戦し、授業で習った内容の理解に役立て欲しい。


  • 1: MATLAB/Simulink入門、微分方程式とラプラス変換

  • 2: システムの応答, システムの周波数特性とボーデ線図, 安定性の解析: ラウスの判定法, フルビッツの判定法, ナイキストの判定法

  • 3: 二次系の性質と極の位置, フィードバック制御の特性, フィードバック制御の設計

  • 4: PI(D)制御とI-P(D)制御と分子多項式の影響/二自由度制御, フィードバックとフィードフォワード, 状態空間法入門

  • 選択課題: 第5, 6回 発展課題:磁気浮上, 電気自動車の制御, カオス現象の解析と制御など

3. 参考書

なお、演習に役立つであろう制御理論に関する参考書としては、講義で指定している堀の教科書「制御工学の基礎」の他、

[1] 茅陽一:「制御工学第一」

[2] 細江繁幸:「システムと制御」オーム社

[3] 伊藤正美:「制御理論演習」 昭晃堂

[4] 平井一正, 羽根田博正, 北村新三:「システム制御工学」森北出版

などがあるので適宜自分の気に入ったものを参照して欲しい。


4. 有用なフリーソフトに関して

 このガイダンスの文書は、Sun Microsystemsが本学の情報基盤センターを通じて学内関係者にフリーで使用権を認めてくれているStarSuiteというソフトを用いて作成している。本演習ではレポート用のワープロ、作図、数式エディタを用いてレポートをまとめたいという履修者の希望に対応するため、フリーソフトであるopenoffice.org2002年度から導入した。その後、2003年度から、本来商用ソフトであるStarSuiteが東大関係者には自由に使えるようになったため、StarSuiteあるいはLaTexを使用してレポーティングを行うことを強く推奨している。情報理工学系から貸与されているPCで学内のLANから情報基盤センターに接続し、ダウンロードしてPCにインストールするとよい。(もちろん、一般向けに公開されているフリーソフトOpenOfficeVer. 1.1 以降は商用版のStarSuitesとほぼ同等の機能を有しているので、そちらを使用することは自由である。)


-----情報基盤センターからの連絡------

> 下記のURLから、利用申請を行なうことができます。

> http://www.nc.u-tokyo.ac.jp/software-license/starsuite/

> 教育用計算機システムのアカウントをお持ちの方は、そのIDとパスワードで認証を行い、ダウンロードする。

アップデート用のソフトもあるのでSUNのページ http://jp.sun.com/starsuite/ も参照するとよい。

このSUNの商用ソフト、Star Suite 8は、2007年8月に、Googleが買い取って、Google パックとして、無料で使用できるよう公開されるようになりました。したがって、これを、このリンクから入手して使うのがよいと思います。

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 また、本演習で用いているMATLABは、比較的高価な商用ソフトであり、自宅学習用に配布することはできない。(演習で用いているソフト自体が、機能限定のついた学生版の古いバージョンのものである。)しかし、MATLABに対しても俗称MATLABクローンと呼ばれる優秀なフリーのソフトウェアが存在する。自習用にはフリーソフトSciLabhttp://www-rocq.inria.fr/scilab/からダウンロードして、自分のPCにインストールし使用してみることも奨める。これらフリーソフトに関しては


早稲田大学の大石先生による数値計算の基礎教育のページ

http://www.oishi.info.waseda.ac.jp/~oishi/lec2001/l-1.htm

メディアラボのホームページにあるフリーの科学技術計算用のプログラム

http://www.mlb.co.jp/linux/science/

特に、シミュリンク相当のツールもあるプログラムの紹介

http://www.geocities.jp/rui_hirokawa/scilab/

などのページが参考になろう。200787日リンク有効確認済。)インターネットのキーワード検索で「Matlabクローン」などの用語で検索すると、様々な関連プログラムの情報が得られる。なお、これらのフリーソフトウェアに関する情報は、古関の個人HP (http://www.geocities.jp/takafumikoseki/)にも掲載している。



Monday, 20 August 2007

3年夏学期講義「電気機器学基礎」期末試験の結果と講評

得点分布と最終成績評価との対応


半年にわたる聴講と、試験の際のアンケート、まじめにやってくれてありがとうございました。

書いていただいた内容を見ると、やはり今年度の講義は、時間配分があまりうまくいっていなくて分かりにくいところがあったのだと反省をいたしました。今年度は、シラバスに示しているように、多相交流が回転磁界(進行磁界)を作るという一番の基礎原理から入って、交流機の一般論から同期機のベクトル線図を説き起こすという、理論的に最も正統的な進め方を志向しましたが、現場的感覚、実験における直感的理解を重視するならば、直流機の様々な外部結線方式の相違が、トルク-速度などの定常特性にどのように関係するのかということから説く方が、分かりやすかったようです。

多くの傾聴すべき建設的批判をいただいた一方、明らかに学ぶ者の態度として誤っていると感じるような「横着な」要求もありました。

たとえば、
「仁田本は買っていないので参照箇所を示されても役に立たない、本を買わなくてもすべて分かる良いな講義をしてくれ」との要求がありました。

仁田先生の参考書は、推奨参考書であるので必ずしも買う必要はありませんが、自分で学びやすい本を用いて勉強しなさいといって洋書を含むいくつかの技術文献を講義の初回およびweb上で紹介したはずです。それらを本屋で探して何冊か買ったり、図書室で紐解いてみる手間を惜しんだのだとすれば、それは学ぶ者としての基本的態度に問題ありということになります。

1科目に対して数冊の参考書を見ながら、自分の理解しやすいようにノートにまとめる過程で初めて生きた知識が身につくものだと思いますし、高々数千円で買える参考書を何冊か自分のものとすることは、一生の役に立であろう専門分野の基礎知識や基本的考え方を身につけるためだと考えれば、非常にコストパフォーマンスの良い投資であるはずです。さらに、必ずしも最新の本はないとしても、図書室には高い評価を受けている多くの良書があり、電気機器のような伝統的科目ではそれら(多少古めの?)本も十分有用な知識を与えてくれます。

自発的に参考文献を紐解いて積極的に知識を吸収しようという最低限の努力を怠たる人は、むしろ学びの場を去るべきでしょう。

それと、講義で変圧器を扱っていないという批判がありましたが、初回の講義で述べたとおり、それは2年生4学期のエネルギー工学の講義で扱う範囲であって、この3年生の講義および実験における電気機器関係のテーマは、その基礎的な知識を駒場の4学期の段階で身につけているという前提で組み立てられているのです。

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 期末試験の概要
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[1] 同期機
(1) 同期機(円筒機)の定常状態における等価回路を示し、(発電機として)その定数を定めるための基本的測定法を説明せよ。
これは基本中の基本なので概ねできている人が多かったのですが、何名か、誘導機の等価回路を書いている人がいるのが目立ちました。また、発電機としての試験ということは、軸を外部の機械入力で回しながら、開放電圧や短絡電流の測定をするということです。

(2) 同期機の界磁電流を変化させることで何ができるかを説明せよ。
界磁電流を変化させると内部起電力の大きさを直接変化させることができ、それが回路の中では力率を変化させるという本質に触れている人には高い得点を与えました。ベクトル線図を用いて定量的な議論をした人にはさらに良い得点を与えました。界磁電流が直流だということを分かっていない人が数名見られたのは残念です。
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[2] 誘導電動機
三相誘導電動機の1相あたりの等価回路を示す。
(1) 図の回路の定数を定めるための基本的な測定法を、(実験室での経験を思い出しながら)説明せよ。
これは実験をまじめにやった人ならば満点に近い得点を得られるはずだと思いましたが、等価回路が似ているということもあって、変圧器の試験法について述べている人が何名かいたのが残念です。

(2) 上のトルクの式に基づき、駆動電源の電圧、周波数を一定とし、すべりが からまで変化する場合の、典型的なすべり---トルク曲線の概形を示せ。すべりの大きさでこの機械の動作状態を分類し、各々の状態における動作、エネルギーの流れに関して説明せよ。
これは誘導機の定常的な動作を直感的なレベルできちんと理解しているかどうかを試す問題でした。持ち込んだ紙に描かれた図を、理解することなく丸写ししたのか、きちんと自分自身の言葉で説明できているかに、大きく差があり、理解しているかどうか個人差が顕著に分かりました。

(3) 上のトルクの式に基づき、二次抵抗が変化した場合の、すべり---トルク曲線の比例推移特性ついて説明せよ。そして、その誘導機の始動方法との関係を論じてみよ。(ヒント: 始動に関しては、かご形と二次巻線形に分けて論じる方が解答しやすいと思われる。)

二次抵抗とトルク--速度特性の基本的関係を理解しているかどうかで勝負がわかれましたが、講義でも強調したとおり比例推移特性は誘導機の定常特性の基本中の基本とも言うべき重要な概念ですので、ここできちんとした答案が書けなかった人はもう一度参考書を見直してでも、この言葉は押さえておいてください。二次巻線形で始動抵抗を入れて、始動トルクを大きく取る一方、始動時の電流を抑えるということについては、実験での記憶もあってよくかけた人が多かったのですが、かご型ではそのような操作ができないため、深みぞ形や二重みぞ形で表皮効果を応用して、始動時の二次抵抗を大きくするという伝統的方法は、講義で時間をかけて説明したにも関わらず、理解できている人が少なかったことが残念です。
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[3] 直流機
4kW 100Vの定格を持つ直流機がある。この電機子抵抗は とする。回転数1500rpm一定の速度で外部から回転させたときの他励発電機としての電機子巻線の無負荷端子電圧 が、界磁電流の関数として図のように計測されている。(以下の(1)(2)では、グラフを描く根拠とした回路図や式も併記せよ。)

(1) この直流機を他励の発電機として用いる。同期モータを駆動源として1500rpmで回転させたとき、 界磁電流と設定した場合における電機子電流と電圧との関係を3本のグラフに示せ。
(2) この直流機を分巻電動機として用いる。電機子巻線をの一定電圧源に接続したとき、界磁電流をと3通りに変化させた場合の回転数とトルクとの関係を3本のグラフとして示せ。
(3) 直巻直流機の速度--トルク特性を考え、上記の分巻電動機と比較し、その特徴について自由に論じよ。

これは具体的な特性の式や曲線に関しての記憶がなくても、基本的な結線を理解し、逆起電力の速度特性とオームの法則を理解していればその場で簡単に計算できると思ったのですが、極めて正答率の低い結果になってしまいました。直流機の基本特性の解説にあまり講義の時間を咲かなかったことは失敗であったと反省させられる結果になりました。詳しい数値があっているかどうかは別として、少なくとも(1)については、負荷電流をとると共に内部抵抗(電機子抵抗分)だけ微妙に端子電圧が下がっていくという、電源としての常識的な特性曲線になるはずだというくらいのエンジニアリングセンスが働くようであって欲しいと望みます。


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[4] パワーエレクトロニクスの基礎

(1) パワーエレクトロニクスにおける半導体素子の使い方の特徴を、信号処理用のアナログ増幅器などとの比較の中で論じよ。
ここは、アナログアンプのように素子内での損失を許容しながら中開きの状態で使うのか、損失を理想的にはゼロに近づけるためにオンオフのみのスイッチとして半導体素子を使うのかというパワエレの基本思想を問うてみた問題でした。講義に出席していた人はきちんとできたのではないかと思います。

(2) 単相用の全波整流器を、ダイオード4つを用いて構成する。その回路図を示し、基本的動作を説明せよ。

これは、駒場での物理実験や、前期実験の範囲でも実際に設計をし測定をした基本的回路なので全員ができるはずと思いましたが意外に正答率が低くて驚きました。正解がかけなかったという思いのある人はきちんと復習して何も見なくても回路図くらいはかけるようにしておく必要があるでしょう。本来は、パワーエレクトロニクスがスイッチング素子と、エネルギー蓄積デバイスの組み合わせで初めて機能するという基本を押さえて、平滑回路も含めて議論をして欲しかったのですが、そのような記述ができた人は非常に少なかったので、平滑回路にかんする記述がない答案でも、採点を甘くしました。

(3) (2)のダイオード4つをサイリスタに置きかえると、講義中に説明したように、出力電圧の制御を行うことが可能となる。その動作を説明し、これを例に「点弧角を用いた電圧制御」の原理と問題点を述べよ。

これは、基本的なスイッチング素子であるサイリスタの限定的な機能と、点弧角制御は、結局力率を悪化させながら直流側の出力電圧を制御しているという点を関係付けて述べて欲しかったのですが、その両者に言及した答案は1割くらいでした。

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今回の期末テストは、工業高校の電気機械の教科書の演習問題程度の難易度となるよう努めて問題を易しくした上、自分で書いたメモ1枚の持込を可としました。その結 果、このページの最上部の図にあるとおり、かなり高い得点を得た人が出ている一方、結局何も学ばなかったのではないかと思われる人まで幅広く差がついています。

レポート提出状況も加味し図の ような厳正な採点分類を行いました。せっかく受験したのに、可や不可となった成績下位の人は、不本意でしょうが、レポート提出状況も悪いので、残念ながら救済措置の取 りようがありませんでした。必修科目ではないので問題はないでしょう。ここで悔しいと思った人は、その思いをばねに、冬学期から地道に勉強をしてもらえるといいと思います。

半年のつたない講義にお付き合いいただき、熱心に学んでくださった皆さん、ありがとうございました。冬学期は「制御工学第二」「制御CAD演習」で是非お目にかかりましょう。

夏学期の試験成績が事務室から返却された時点で、納得が行かないという人は遠慮なく古関までご連絡ください。答案自体をお見せして評価や内容についての議論をすることが可能です。