2008年6月23日月曜日

重要: 総合科目 人間・環境一般 「足からロケットまで---走る/飛ぶ/探る科学入門 」の最終レポート課題出題

重要:

本講義の成績評価の主たる部分は以下のレポートの評価結果に基づき行います。

(本日、このアナウンスを出すのは、6/6の講義の際にご相談したとおり、期末試験期間に入る前に十分な時間的余裕を持ってレポート作成をしたいという方のご要望に答えるためです。)

レポートを、以下の要領でe-mailで提出してください。成績評価は、レポート採点結果と講義への出席回数を総合し、厳正に行います。

(重要な修正:7/4の議論の結果、レポー締切り日を下記の日まで延長しました。ただし、2年生の履修者については、進振りとの関係でより早い時期に成績を出す必要のある可能性があるため、教務課にスケジュールを確認後、再度連絡します。)
[1] 締め切り 2007/07/31(木曜日) 12:00 JST
[2] 提出先 pdfのe-mailの添付ファイルとして takafumikoseki AT gmail.com あてに 
(古関から受け取り確認のメールを返しますので、その確認の連絡が2-3日以内に来ない場合には古関まで確認のご連絡をお願いします。)

[3]提出に関する技術的注意と参考情報
ワープロなどは任意ですが、 フリーのopenoffice.orgを用いれば、数式を用いた文書もpdf化も含めすべて簡単に処理できます。(ちなみにこのページや教材の作成は、OSすらWindows環境ではなく、Ubuntu上のソフトですべてを行っています。)
google docsを用いても図入りの文書作成とpdf化は可能です。(数式作成機能はありません。)
また、任意の文書ソフトからのpdf化もフリーのツールで可能です。
大きいファイル(数百 kB以上?)をメールに添付することは避けてください。そのような場合には senduit などをご利用ください。(100MBまでのファイルならば簡単に送ることができます.)


[4] レポート課題

課題名:  (課題1. )  ○○○○
学生証番号: ○○○○    提出者氏名: ○○○○
関係講義テーマと採点希望教員: ○○○○ (末尾の参考資料から選択)

-----------------------------------------
課題1: 参考資料にある講義課題に関係するキーワードを選び、自分の興味のあるテーマを1つ設定して、それに関して、(単なる調査ではなく)必ず自分の意見を入れて、A4 レポート用紙で、6ページ以内で論じてください。

(調査・参考した資料については、末尾に参考文献リストを記載し明示すること。)

課題2: 本講義の良かったところ悪かったところを忌憚なく御指摘ください。特に、来年度以降の講義の改善に役立つような、積極的批判、ご意見を期待しております。

(講義時間帯、講義の進め方、教室、話題の選択、成績評価の方法など、気づいたことは何でも遠慮なく指摘してください。教員に対して厳しいことを書いたから、評価が悪くなるということはまったくありませんので、遠慮なく意見を述べてください。)

-------------------------------------------
参考資料:本年度の講義の担当教員とキーワード
4/18 古関 ガイダンスおよび力学、電磁気の基礎
4/25 堀 電気自動車の科学
5/9 橋本 宇宙で使われる電気電子工学:
   宇宙で使われる物理、数学、電気電子工学について解説。 あわせて、宇宙研紹介。
5/16 呉(堀研) パーソナル移動アシストを目指した電気駆動と制御技術
    (パワーアシスト、二足歩行を例に)
5/30 (堀・)古関 生産研見学 16:20-... 電気自動車とスーパ・キャパシタ
6/06 古関 電気駆動と環境 
6/13 橋本 惑星探査機は電気で動く
6/20 久保田 宇宙探査ロボティクス
6/27 大崎 超電導技術と輸送の科学
7/04 古関 電気駆動と環境(続き) 電気鉄道とエネルギーマネージメント
7/09(水) 古関(大崎) 磁気浮上 リニアドライブ
7/11 坂井 人工衛星をどうやって動かす?  姿勢制御と超電導フォーメーションフライト



*なお、採点してくださった先生からのフィードバックが皆さんのもとにメールで返るように努めます。

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第11回 080623 を終えて

本日は、直流機の原理、構成と、電機子巻線の電圧方程式と、直流機における電気ー機械エネルギー変換におけるエネルギーの流れについて統一的に解説をしました。特に、電機子の電圧方程式を、電気機器学基礎で扱う、定常現象としての直流の回路方程式と、電流が変化する際に巻線のインダクタンスの影響が生じることから、過渡現象として扱う場合の方程式を比較して議論することを通じて、制御工学第一やモーションコントロールの講義との関係についても述べました。整流子形の機械では、電機子電圧から電流への伝達関数の時定数が、界磁巻線に比較して著しく小さいことから、古来、良い制御の応答を得るために、界磁電流を一定に保ち、電機子電流を積極的に変化させる制御が用いられてきたこと、パワーエレクトロニクス+ACモータを用いる今日のサーボ制御でも、特殊な座標変換を用いることで、仮想的に電機子巻線、界磁巻線を分離した考えかたをしており、直流モータの制御方法をきちんと理解することが非常に重要な基礎になることを強調しました。

これらの点を良く意識していただいた上で、次回は、直流機の電機子反作用、励磁方式(巻線接続の仕方)に伴う特性の相違を解説します。

------第11回目の演習問題(6/30提出分)------
所属学科/学生証番号/氏名 

同期機の試験法、直流機・整流子形機械一般 演習問題:

(1) 1980年くらいまで、速度制御に要する車両やエレベータの駆動、オートメーションなどに専ら整流子形の機械が用いられてきた理由は何か?その後、このタイプの機械の使用(新設)例が急速に減少しているのはなぜか?

(2) 直流機の電機子巻線の電圧方程式とトルクの式を、モータ定数Kを用いて示せ。この電機子巻線の電圧方程式の両辺に電機子電流を掛け算することで、直流機におけるパワーの流れを説明せよ。

2008年6月16日月曜日

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第10回 080616 を終えて

本日は同期発電機の基本的試験法、無負荷飽和曲線と短絡電流特性、同期発電機の並行運転を説明し、さらに同期電動機の概要、特に界磁電流の調整により、電機子電流の力率調整が図れること(V特性)およびそれに関連する話題として同期調相機の役割について述べました。最後に直流機と同期機は回転磁界を整流子によってつくるか、多相交流によって作るかの違いのみであって、機械としての基本動作が全く同じであることを説明しました。次回は、この話を受けて、5章の直流機の各論を扱っていきたいと考えています。



------第10回目の演習問題(6/23提出分)------
所属学科/学生証番号/氏名 

同期機の試験法、同期電動機 演習問題:

[1] 同期発電機の基本的試験法について説明せよ。
[2] 同期発電機の並行運転の際に注意すべきことを述べよ。
(発電機の界磁電流を調整することで何を変化させることができるか?発電機の出力電力の調整のためには何を制御する必要があるか?)

2008年6月9日月曜日

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第9回 080609 を終えて

本日は同期発電機の等価回路、フェーザ図と出力特性、円筒機、突極機とd軸・q軸の定義など、同期機を扱うための理論の最も大切な部分を扱いました。次回は同期電動機の話を中心にするため、実用上重要な同期電動機のV特性について、課題レポートをまとめる中で予習をしてきてください。また、本日講義の中で、教科書の記述に譲らざるを得なかった、d, q軸の異なるリアクタンスを考慮した場合のフェーザ図も、課題レポートの中で、自分自身で手を動かして書いてみてください。

講義の中で強調したように、同期機のフェーザ図を描く上で最も重要なポイントは、空間ベクトルとフェーザを1つの図の上に重ねて書くために「起磁力とそのもととなる電流のベクトルを同じ方向に書く」ということです。


------第9回目の演習問題(6/16提出分)------
所属学科/学生証番号/氏名 

同期機基礎 演習問題:

[1] 突極形発電機のフェーザ図を示し、それに基づき突極形発電機の出力の式を示せ。また、出力の2項のそれぞれについてそれらの意味を説明せよ。
[2] 次回の解説の予習として教科書/参考書を調べて、同期電動機のフェーザ図を示し、同期電動機のV特性と、同期機を用いて力率を調整する方法を説明せよ。


これまでの進捗状況を反映し、当初予定を下記のとおり、微修正します。

----本学期の講義予定(6/23 修正版)----
電気系事務室のアナウンスによれば

  4/3-7/17が講義期間、
  7/18-31が期末テストの期間

とされています。

回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2007/04/07 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

2) 2007/04/14 月
電気機器学の学問としての位置づけ、電気機械の種類、(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習、思考の手抜きの技術としての電気回路、フェーザ表示

3) 2007/04/21 月 多相交流と進行磁界
多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味

4) 2007/04/28 月 誘導電動機I
誘導機の原理と特長、誘導機の構成、変圧器と誘導電動機

5) 2007/05/12 月 誘導電動機II
誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、モデル同定のための測定法、円線図を用いた特性の表現

6) 2007/05/19 月 誘導電動機III
誘導機の種類とエネルギーの流れ、誘導機の可変速制御、空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意

7) 2007/05/26 月 同期機I
同期発電機の原理、構造と機能上の分類

8) 2007/06/02 月 同期機II
同期機の構成要素、電機子巻線、空間高調波の低減法と巻線係数、電機子反作用

9) 2007/06/09 月 同期機III
同期発電機のフェーザ図、等価回路と特性のモデリング
円筒機、突極機と直軸リアクタンス、横軸リアクタンス
同期発電機の出力とリラクタンス出力

10) 2007/06/16 月 同期機と直流機
測定法、
発電機の並行運転と電力系統、
トルクの発生原理、同期電動機の種類とその特長
v特性と同期調相機、永久磁石同期電動機とサーボ制御
同期機の原理と直流機の関係

11) 2007/06/23 月 直流機 電気機械一般の座標変換
直流電動機と発電機
直流機の種類と特性の比較
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論

12) 2007/06/30 月 直流機 
電機子反作用、直流機の結線方法と特性の相違

13) 2007/07/07 月 パワーエレクトロニクス入門I
パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己能力を持たない素子と転流回路、高調波問題と解析法
(<==ちなみにこの日の1限の制御工学第一では、主として状態空間法の基礎を概説しますが、その0打意図して直流機の制御について言及するつもりです。)

14) 2007/07/14 月 パワーエレクトロニクス入門II
自己消弧能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ
電気駆動制御

制御工学との関係:定常現象と過渡現象、産業応用の話題(電機駆動とモーション制御)


15) 2007/07/28 10:15-11:45 月 期末テスト
1限の制御工学第一@241号室の期末テストに引き続き245室にて「電気機器学基礎」の期末テストを行います。(月曜日の講義は大変ですね!)

2008年6月2日月曜日

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第8回 080602 を終えて

 どうもこのページの記述に6/2の講義予定が落ちていたということで、ご迷惑をおかけしました。本日はそのためか出席者が少なかったので、同期機の構成要素、電機子巻線、電機子反作用について時間をかけて解説をしました。HPの記述漏れのせいで休講だと誤解した方が不利にならぬよう、本日の宿題レポートは課していません。次回は同期機のフェーザ図を描いて特性の算出をする重要な部分になりますので、p122の4.5節をよく読んできていただくようお願いします。また、本日レポートを出さなかった方は来週6/9にお出しください。
 また、予習の際に気づかれると思いますが、p131に記述のあるポーシェリアクタンスについては教科書のほかの部分で解説がなされていません。(昨年度推奨参考書であった仁田他「大学課程 電気機器(1)」にも、全く記述がありません。)
 Googleで調べましたが、専門的言葉であるためか、日本語では京都大学の研究論文に関する記述以外の記載は発見できませんでした。英語ではPotier reactance あるいはPotier triangleという用語で検索できます。
 電気工学ハンドブック(電気学会)の記述に基づき、次回講義にて簡単な説明を行います。図上での計算法は比較的単純です。