2008年6月23日月曜日

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第11回 080623 を終えて

本日は、直流機の原理、構成と、電機子巻線の電圧方程式と、直流機における電気ー機械エネルギー変換におけるエネルギーの流れについて統一的に解説をしました。特に、電機子の電圧方程式を、電気機器学基礎で扱う、定常現象としての直流の回路方程式と、電流が変化する際に巻線のインダクタンスの影響が生じることから、過渡現象として扱う場合の方程式を比較して議論することを通じて、制御工学第一やモーションコントロールの講義との関係についても述べました。整流子形の機械では、電機子電圧から電流への伝達関数の時定数が、界磁巻線に比較して著しく小さいことから、古来、良い制御の応答を得るために、界磁電流を一定に保ち、電機子電流を積極的に変化させる制御が用いられてきたこと、パワーエレクトロニクス+ACモータを用いる今日のサーボ制御でも、特殊な座標変換を用いることで、仮想的に電機子巻線、界磁巻線を分離した考えかたをしており、直流モータの制御方法をきちんと理解することが非常に重要な基礎になることを強調しました。

これらの点を良く意識していただいた上で、次回は、直流機の電機子反作用、励磁方式(巻線接続の仕方)に伴う特性の相違を解説します。

------第11回目の演習問題(6/30提出分)------
所属学科/学生証番号/氏名 

同期機の試験法、直流機・整流子形機械一般 演習問題:

(1) 1980年くらいまで、速度制御に要する車両やエレベータの駆動、オートメーションなどに専ら整流子形の機械が用いられてきた理由は何か?その後、このタイプの機械の使用(新設)例が急速に減少しているのはなぜか?

(2) 直流機の電機子巻線の電圧方程式とトルクの式を、モータ定数Kを用いて示せ。この電機子巻線の電圧方程式の両辺に電機子電流を掛け算することで、直流機におけるパワーの流れを説明せよ。

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