Monday, 16 April 2007

三相巻線のつくる起磁力分布を実際に描いてみると


電気機器基礎の第三回目で説明する、三層巻線に位相差を持つ電流を流すとどうして進行磁界(回転磁界)ができるのか?は、何度説明を聞いてもきっと納得がいかないと思うのですが、自分でグラフを書いてみると良くわかります。その一例をここに示します。

この例はMatlabを用いた作画になっていますが、フリーのツールや表計算ソフトを用いても簡単にできるでしょうし、もちろん、時間が多少かかって面倒ですが、紙と鉛筆と電卓で自分でグラフを実際に書いてみるのが一番有効な理解の助けとなることでしょう。

この図を見ると、U, V, Wのそれぞれの巻線は、場所は変わらず、一箇所で見たときの大きさが単純な正弦波で変化する空間分布が台形状の起磁力を発生しているだけなのに、同じような作用を持つ3つの巻線の作用を単純に足し合わせるのみで、ほぼ一定の大きさを持つ進行磁界ができることが良くわかるかと思います。この図では、各巻線は方形波状1/6周期ずつをしめるように巻かれているという単純な仮定をおいたのみですが、それでも総合的な起磁力は、正弦波に近い空間分布になっていることがわかります。実際の電気機械では、起磁力の空間分布をより正弦波に近づけるような工夫がなされています。


-------上の図を描かせるためのMatlabのコマンドリスト-----------
clear
omex=2.0; omey=1.0; % ration of x- and y- speed
% INPUT j: from 1 to 20!!

%-----x-direction
x= 1/60: 1/60: 2;
form1=[1 1 1 1 1 1 1 1 1 1];
form0=[0 0 0 0 0 0 0 0 0 0];
formu=[form1 form0 form0 -form1 form0 form0];
formv=[form0 form0 form1 form0 form0 -form1];
formw=[form0 -form1 form0 form0 form1 form0];

for j=1:5
time= pi/11 * (j-1);

% +++++++calculation of x direction
iu=sin(omex*time); iv=sin(omex*time-2/3*pi); iw=sin(omex*time+2/3*pi);

sinuu=iu*formu; sinuv=iv*formv; sinuw=iw*formw;
sinuex=iu*formu + iv*formv + iw*formw;
sinuu2=[sinuu sinuu];
sinuv2=[sinuv sinuv];
sinuw2=[sinuw sinuw];
sinuex2=[sinuex sinuex];

for ipos=1:120
mmfu(ipos)=sum(sinuu2(1:ipos));
mmfv(ipos)=sum(sinuv2(1:ipos));
mmfw(ipos)=sum(sinuw2(1:ipos));
mmfx(ipos)=sum(sinuex2(1:ipos));
end
mmfcu = sum(mmfu(1:60))/60;
mmfcv = sum(mmfv(1:60))/60;
mmfcw = sum(mmfw(1:60))/60;
mmfc = sum(mmfx(1:60))/60;
for ipos=1:120
mmfacu(ipos,j)=mmfu(ipos) - mmfcu;
mmfacv(ipos,j)=mmfv(ipos) - mmfcv;
mmfacw(ipos,j)=mmfw(ipos) - mmfcw;
mmfacx(ipos,j)=mmfx(ipos) - mmfc;
end
% +++++++++calculation of y direction
end
%-----------------
subplot(4,1,1)
h1=plot(x, mmfacu);
set(h1,'LineWidth',3)
xlabel('x in pole-pair length')
ylabel('u-m.m.f. ')
grid on
axis([0 2 -13 13])
%-----------------
subplot(4,1,2)
h2=plot(x, mmfacv);
set(h2,'LineWidth',3)
xlabel('x in pole-pair length')
ylabel('v-m.m.f. ')
axis([0 2 -13 13])
grid on
%-----------------
subplot(4,1,3)
h3=plot(x, mmfacw)
set(h3,'LineWidth',3);
xlabel('x in pole-pair length')
ylabel('w-m.m.f. ')
axis([0 2 -13 13])
grid on
%-----------------
subplot(4,1,4)
h4=plot(x, mmfacx);
set(h4,'LineWidth',3)
xlabel('x in pole-pair length')
ylabel('m.m.f. total')
axis([0 2 -13 13])
grid on

4/14 正田英介先生のOB会:飛熊会に出席しました


卒業研究から博士課程まで一貫してご指導をいただいた正田先生が古希を迎えられたことをお祝いすることも含め、2年に一度開催されている正田研究室のOB会飛熊会(会長:大場善次郎教授)が、昨週末に竹芝のホテルで開催されました。正田先生は東京理科大の研究室も閉じられましたが、今年度から新たに(財)鉄道総合技術研究所会長に就任され、新たなご活躍を始められています。東京大学での正田先生の最後の弟子=(御本人曰く!)永遠の下っ端の馬場旬平先生も、東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻の准教授として、精力的な研究をされており、現在正田研の卒業生は、皆様、電気技術の中核を担う層として活躍されています。

次回の同会は、2年後の開催を目指して、横浜国立大学の河村篤男教授を実行委員長に私たち大学関係者を幹事グループとして準備を進める予定です。

電気機器学基礎 講義予定(4/16修正案)

本日4/16講義後の標記講義に関する情報を以下に掲載します。


----本学期の講義予定----

回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2007/04/09 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

2) 2007/04/16 月
電気機器学の学問としての位置づけ、電気機械の種類、(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習、思考の手抜きの技術としての電気回路、フェーザ表示

3) 2007/04/23 月多相交流と進行磁界
多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味同期機の原理と直流機の関係

4) 2007/05/07 月 同期発電機I
同期発電機の原理、構造と電力システム、特性のモデリングと測定法、発電機の並行運転と電力系統

5) 2007/05/14 月 同期電動機II
トルクの発生原理、同期電動機の種類とその特長、v特性と同期調相機、永久磁石同期電動機とサーボ制御

6) 2007/05/21 月 誘導電動機I
誘導機の原理と特長、誘導機の構成、変圧器と誘導電動機

7) 2007/05/28 月 誘導電動機II
誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、モデル同定のための測定法、円線図を用いた特性の表現

8) 2007/06/04 月 誘導電動機III
誘導機の種類とエネルギーの流れ、誘導機の可変速制御、空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意

9) 2007/06/11 月 直流機
直流電動機と発電機、直流機の種類と特性の比較

10) 2007/06/18 月 座標変換
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論?

11) 2007/06/25 月 パワーエレクトロニクス入門I
パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己能力を持たない素子と転流回路、高調波問題と解析法

12) 2007/07/02 月 パワーエレクトロニクス入門II
自己消弧能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ

13) 2007/07/09 月 電気駆動制御
制御工学との関係:定常現象と過渡現象、産業応用の話題(電機駆動とモーション制御)、
機器設計に伴う諸問題==>電磁界数値解析、

14 ) 2007/07/23 月 期末テスト

---推薦参考書----
仁田他: 大学課程 電気機器(1) オーム社

英語で基礎的なことが良く書かれている本
Fitzgerald/Kingsley/Umans: "Electric Machinery" International Student Edition, MacGrawHill

大変詳しい古典的名著(入手は困難)
K. Vogt: "Elektrische Maschinen ---Berechnung rotierender elektrischer Maschinen," VEB Verlag Tchnik Berlin (<<=これは東ドイツの出版社のため出版社が現在変わっている可能性が高い)

駒場講義 人間・環境一般 「電気駆動の魅力」 初回を終えて

本講義は、平成20年度夏学期、一部内容を大幅に見直し
「足からロケットまで---走る/飛ぶ/探る科学入門」
として、金曜5限の講義として、駒場キャンパスで開講予定です。乞御期待!
(平成19年11月)
初回は、4/13金曜日の5限に、テレビなどでも大きな話題になった小惑星イトカワの探査のプロジェクトに関して、わくわくするような体験をJAXA宇宙科学研究本部の橋本樹明教授にお話いただきました。聴講者の数が数人程度であったのはとても残念でした。この講義は途中からの参加も歓迎ですので、初回に出てくださった皆さんは、お友達にも紹介をしていただければありがたいです。

資料として配布した講義日程案の一部誤記を修正し、以下に公開しておきます。

連絡先:
 古関隆章 03-5841-6676 (教養学部教員コード 74075)


講義 人間・環境一般 「電気駆動の魅力」 11598
  場所 1222教室
 金曜日第5限(16:20-17:50)

(1) 4月13日:ガイダンス(古関), 橋本教授 
  宇宙研全体の御紹介とその中における電気工学者の活躍についての序論
   - 姿勢制御とフォーメーションフライト -

(2) 4月20日: 坂井准教授
  人工衛星における電気・制御工学の大事な役割
   惑星探査機は電気で動く

(3) 4月27日: 久保田准教授
   月惑星探査におけるロボット移動技術

(4) 5月4日:古関准教授
   電気機械エネルギー変換の基礎およびリニアモータ応用

(5) 5月18日: 古関准教授
   軌道交通システムにおける電気駆動技術の発展

(6) 6月1日: 生産技術研究所堀研究室の見学(引率 古関)

(7) 6月8日: 堀教授
   電気自動車とモーションコントロール 

(8) 6月15日 堀教授/オ助教/古関
   人に優しい機械とモーションコントロール:移動制約者の支援

(9) 6月22日: 大崎教授
   超電導技術の交通輸送システムへの応用I

(10) 6月29日: 大崎教授
   超電導技術の交通輸送システムへの応用II

(11) 7月6日: 藤井准教授
   エネルギーシステムにおける運輸部門

(12) 7月10日: 藤井准教授
   エネルギー、地球環境問題と電気自動車

(13) 7月13日 期末テスト

Monday, 9 April 2007

3年生夏学期講義 電気機器学基礎 @241講義室 月1010:-12:00について

本日4/9開講の標記講義に関する本日時点の情報を以下に掲載します。今後、PWの必要なファイルを公開する場合は、講義でお伝えしたPWを用いてください。

----本学期の講義予定----

回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2007/04/09 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

電気機器の種類については本日の説明が不十分だったため4/16に再度言及する。

2) 2007/04/16 月 多相交流と進行磁界
多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味同期機の原理と直流機の関係

3) 2007/04/23 月 同期発電機I
同期発電機の原理、構造と電力システム、特性のモデリングと測定法、発電機の並行運転と電力系統

4) 2007/05/07 月 同期電動機II
トルクの発生原理、同期電動機の種類とその特長、v特性と同期調相機、永久磁石同期電動機とサーボ制御

5) 2007/05/14 月 誘導電動機I
誘導機の原理と特長、誘導機の構成、変圧器と誘導電動機

6) 2007/05/21 月 誘導電動機II
誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、モデル同定のための測定法、円線図を用いた特性の表現

7) 2007/05/28 月 誘導電動機III
誘導機の種類とエネルギーの流れ、誘導機の可変速制御、空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意

8) 2007/06/04 月 直流機
直流電動機と発電機、直流機の種類と特性の比較

9) 2007/06/11 月 座標変換
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論?

10) 2007/06/18 月 パワーエレクトロニクス入門I
パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己能力を持たない素子と転流回路、高調波問題と解析法

11) 2007/06/25 月 パワーエレクトロニクス入門II
自己消弧能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ

12) 2007/07/02 月 電気駆動制御

13) 2007/07/09 月 予備日
定常現象と過渡現象、設計に伴う問題、電磁界数値解析、制御工学との関係、応用からの話題(電機駆動とモーション制御)

14 ) 2007/07/23 月 期末テスト

---推薦参考書----
仁田他: 大学課程 電気機器(1) オーム社

英語で基礎的なことが良く書かれている本
Fitzgerald/Kingsley/Umans: "Electric Machinery" International Student Edition, MacGrawHill

大変詳しい古典的名著(入手は困難)
K. Vogt: "Elektrische Maschinen ---Berechnung rotierender elektrischer Maschinen," VEB Verlag Tchnik Berlin (<<=これは東ドイツの出版社のため出版社が現在変わっている可能性が高い)

そのほかの参考資料などは講義で紹介後、あらためてこのブログに掲載予定です。