2008年4月21日月曜日

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第3回 080421 を終えて

本日から本論に入りましたが、やや進行に遅れを生じました。来週は、ホモポーラマシンを例に、電磁誘導現象について簡単に考察したのち、三相交流と回転磁界、誘導機の特性について話を進めたいと思います。

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4/28 第四回目提出用のレポート課題
学生証番号:               氏 名:

(個別のコメントなどのためにe-mail情報も差し支えなければ教えてください。)

[問1] 複素数を用いて正弦波的な物理量の振る舞いを表現するガウスの表示について説明をし、その応用であるフェーザ表示が交流の電気機械の特性表現に便利である理由を説明せよ。(参照:教科書pp.51-55, pp.66-69, p76 図3-15など)

[問2] 質点の力学(一次元の運動方程式)と1軸まわりの剛体の回転に関する運動方程式を並べて示し、その2つの式における力とトルクの対応関係を示せ。また、トルクの単位は何か?

以上、A4の紙一枚以内にまとめて次回4/21の講義時にご提出ください。

4/18 駒場講義「足からロケットまで」第1回目を終えて

雨の金曜日午後遅い時間であったにもかかわらず、熱心な御聴講ございました。また、昨年の配布物に手を加えて準備をし、作業結果の点検が完全でなかったために、配布プリントは講義名などに不備がありましたこと、誠に申し訳ありませんでした。このブログ上の記述が正しく、日程の修正も含め、次回の堀教授の電気自動車の講義の際に、プリントを配布し直していただくようお願いをしています。

1年生の皆さんは、講義の中で分からない言葉4や数式がでてきても、驚かず落ち込まず、それがあたり舞えて思って安心して講義にご参加ください。必要なことは、どうか、遠慮せずに教員にインタラプトをかけて質問するのが良いと思います。

2008年4月14日月曜日

電気機器学基礎 第二回講義 080414 を終えて

本日の講義では、不十分な内容ながら第1回の続きとして

(1) 電気機器の種類と歴史
(2) エレクトロニクスとパワー
(3) 電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性
(4) 電気機器学の学問としての位置づけ、電気機械の種類
(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習
(5) 思考の手抜きの技術としての電気回路

について、スライドも援用してお話をしました。スライドのコピーは後日PWつきでご覧いただけるようにするつもりです。

来週第3回目に

------第2回目の演習問題------
所属学科/学生証番号/氏名 
[1] 電気機械の運動、電気<-->機械エネルギー変換に関わる物理の体系を基礎方程式を例示しながら説明し、方法論としての「電気機器学」が、これらの基礎的な物理の理論と比較して、現象を考える際のうまい手抜きになっていることを説明せよ。
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について、簡単なレポート(A4 1枚)を提出してください。本日、第1回目のレポートを出しそびれた人は来週、それも合わせてお持ちください。

本日の積み残しとなった

(5) 思考の手抜きの技術としての電気回路
(6) フェーザ表示

についてはまた来週、続いて講義を進めていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。

2008年4月8日火曜日

昨今便利に思っているPCをめぐる環境について

 このブログはGoogleの提供するサービスを利用したものですが、最近多くの文書をGoogle docsZohoを利用して作成、管理しています。まだ、多くの人はこれに慣れていないし、企業の方は、会社内のネットワークのセキュリティ設定の問題などでアクセスができない場合もありますが、国際規格の審議などに、オンラインで直接複数の関係者が最新版にアクセスしながら共同作業できる環境は、幹事、事務局側のバージョン管理の手間が大幅に削減できるので良いと思っています。

 Lindowsがエッジ(ホリエモンがライブドアを買収する前に社長をしていた会社?)の商品として出されたころにはあまり現実的でなかった、メールの文書を含め「重要文書が向こう側にある」という環境は、上記に加えてGmailなどを使うようになった今日、現実的に仕事で機能するようになっています。そのLindowsもいまはFreespireとして、数多あるフリーで入手可能なLniux-デスクトップOSの一つとして位置付けられるようになったようです。

 3年前はとてもまともに使い物になるとは言えなかったLinuxマシンで仕事をするということも、ネット接続とFirefoxさえ使えれば、どこでも同じ使い勝手でできる、USBメモリなどのストレージデバイスが手元になくてもとりあえず大丈夫ということになって、現実味を帯びてきました。

 CDで起動するLinuxも、Knoppixが一番と思っていましたが、最近はUbuntuMepisなどの、非常にユーザにとって使いやすい優れたデスクトップOSがごく普通にダウンロードして入手できます。Windows2000やXPの動作が遅くて不自由が感じられるようになりつつある数年前から使っているノートPCで快適に動作するので、重宝しています。プリンタやUSBメモリなどの周辺装置との相性もずいぶんよくなって、mount umountのオプションを明示的に意識することなくデバイスの着脱もできるようになったのもありがたいと感じる今日この頃です。

 これら最近のLinuxは、それなりのマシンスペックを要求して重いため、古いマシンを復活させ、「ダマシダマシ使う」用途では困ると思っていたところ、EcolinuxDSLなどの軽いOSが、Firefox最新版を載せた形で普通に簡単に入手、インストールでき、綺麗に動作するので本当に便利になったと思います。このFirefoxが初期状態では含まれていないものの、Puppy Linux というのが、これらの軽量Linux-OSの中では特に使い勝手がいいように思います。 

ScilabOctaveを入れれば、ちょっと古くなった機械でも、実験データ処理や数値計算のための自分用マシンとして、とても有用なものになるでしょう。

2008年4月7日月曜日

電気機器基礎 第1回目080407を終わって

本日の講義、比較的多くの皆様に熱心に聞いていただきましてありがとうございました。その後、自動車の研究に興味を持つ学生さんが個人的に質問に来てくれたりして、ちょっと希望がもてる感じがしました。

成績評価は期末テストを行いますが、普段点の考慮を望まれる方が多いようですので、出席調査に代わるレポートの提出を、下記の通り次回以降考えたいと思います。今後もこのブログを毎週良く注意して見てください。

(最初の講義アナウンスのページの記述を一部改訂します。)

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4/14 第二回目提出用のレポート課題
学生証番号:               氏 名:

[問1] 電気機器の特徴がよく生かされている身の回りの製品を3つあげ、その中で電気機器の特長が具体的にどのように発揮されているか説明してください。

[問2] この講義への期待、要望事項があればお書きください。

以上、A4の紙一枚以内にまとめて次回4/14の講義開始時にご提出ください。

2008年4月3日木曜日

総合科目 人間・環境一般 「足からロケットまで---走る/飛ぶ/探る科学入門 」の講義スケジュール(4/20改訂)

総合科目 人間・環境一般 
「足からロケットまで---走る/飛ぶ/探る科学入門 」


平成20年5月23日(改訂)
取りまとめ: 情報理工学系研究科電子情報学専攻 工学部電気工学科 准教授  古関隆章
(URL http://www.koseki.t.u-tokyo.ac.jp,
e-mail: takafumikoseki AT ieee.org)
Skype: takafumikoseki
場所: 駒場キャンパス 511教室 金曜日5限(16:20-17:50)
科目コード 11348


対応が遅くなってすみませんが、これまで行われた講義の資料を、ご担当の先生方から入手することができましたので、その情報を以下から入手できるようにしておきます。

   講義資料を入手するためのリンク先はこちら

著作権などの問題のある資料については講義聴講者だけのために、講義の最初にお知らせをしたPWを付してあります。

標記講義を、駒場キャンパスにて開講します。ものを動かすことに興味のある人は、目指す専門分野を問わず広くご参加くださりますよう願っております。初回の4/18の講義では、配布資料に講義名の誤記など不備のありましたことをお詫び申し上げます。
 また、一部の方には初回講義の最後に申し上げたとおり、大学の講義では細かく見ればわからないところがたくさん出てきますが、それはむしろ当たり前のことなのです。わからないことがあったことを、いちいち気にする必要はありません。大切と思われることを、必要に応じて自分で調べ、あるいは教員に積極的に質問して、わからぬことをわからぬままに放置せぬ努力をすることさえ忘れねば大丈夫です。


 人や物を効率良く運ぶことが、文明社会の成立に欠かせず、移動手段を提供する技術が、我々の生活の基本を支え、そして生活を楽しく豊かにするために大切です。実際、日常的な生活の中で、自動車や鉄道などの身近な交通は不可欠なものとなっていることを実感しているでしょう。人々は太古の昔から、速くて、快適で、便利な移動手段を求めてきました。近年は、これに加えて、安全性への意識も高まっており、環境への負担の少ない交通、高齢社会への移行に伴い「交通弱者でも移動の自由が奪われない」バリアフリーに対応した交通など、移動手段の「質」に対する要求もさらに高いものとなっています。このような様々な要求に応える「運ぶ」営みのために、電気や情報の技術が貢献できることは多く、交通における電気・電子・情報技術の役割はますます大きくなっています。
 本講義では、このような視点から、電気エネルギーおよび情報通信や計算機技術を積極的に用いて人や物を「うまく」運ぶ方法論を

 --電気自動車、ハイブリッド自動車
 --リニアモータ・磁気浮上超高速鉄道
 --電気鉄道など軌道系の交通システム
 --宇宙環境におけるロボットの移動技術
 --エネルギー問題から見た交通と、グローバル環境への影響

を例に、オムニバス形式で2-3時間程度ずつ解説をし、高校や教養学部で習う物理や数学の延長上にどのようにこれらの技術が構築されているかをできるだけわかりやすく具体的に解説するとともに、最新の研究動向を紹介します。

(この研究に興味を持つ受講者には希望により研究室の見学なども可能です。熱心な文系の学生も歓迎するが、基本的には高校の理系科目選択者程度の物理、数学の知識を前提とした講義内容とします。)



講義内容

4/18 古関 ガイダンスおよび力学、電磁気の基礎
4/25 堀 電気自動車の科学
5/2  休講 
5/9 橋本 宇宙で使われる電気電子工学:
   宇宙で使われる物理、数学、電気電子工学について解説。 あわせて、宇宙研紹介。
5/16 呉(堀研) パーソナル移動アシストを目指した電気駆動と制御技術
    (パワーアシスト、二足歩行を例に)
5/30 (堀・)古関 生産研見学 16:20-...
6/06 古関 電気と電気駆動 (電気鉄道を例に)
6/13 惑星探査機は電気で動く: 例年の講義と同様。ただし、5/9の内容を少し差し引いたもの。
6/20 久保田 宇宙探査ロボティクス
6/27 大崎 超電導技術と輸送の科学
7/04 電気駆動と環境
7/09(水) <---5/23の振替日: 磁気浮上 リニアドライブ(古関/大崎)
7/11 坂井 人工衛星をどうやって動かす?  姿勢制御と超電導フォーメーションフライト


 講義の資料で電子ファイル配布の必要があるものは、この古関のHPからDL可能なようにします。ファイルにはPWをつけアクセス制限をかけることがあります。

Control and System Theory: Lecture for graduate students at EE-course / 大学院講義 制御システム論について

月曜日の3限に行われる上記の大学院講義は、堀洋一教授が主として取りまとめをしていますが、宇宙研の橋本・久保田・坂井先生とともに古関も3回分を担当しますので、その概要を以下にご紹介します。講義は英語で行います。

堀先生大学院講義「制御システム論」: 

Control and System Theory

Summer Semester Monday 14:45-16:25

夏学期 月曜4限 14:45-16:25

Documents prepared by KOSEKI can be downloaded here!


Fundamental part
(01) 4/14 Hori: State space representation I
(02) 4/21 Hori: State state representation II
(03) 5/12 Koseki: State feedback and optimal regulator of a linear system
(04) 5/19 Koseki: Linear state estimation
(05) 5/26 Hori: Disturbance observer and robust servo-control

Application-oriented part
(06) 6/2 Hori: Applied robust control for electric vehicles
(07) 6/9 Hashimoto: Control system dynamics in space application

(08) 6/16 Kubota: Robotic Control in Space

(09) 6/23 Sakai: Estimation in spacecraft control application
(10) 6/30 Oh: Human friendly motion control for power assist
(11) 7/7 Koseki: Multirate sampling digital observer

(12) 7/14 Occasional date

電気・電子工学科 学部3年生「電気機器学基礎」 (4/21改訂)

電気機器学基礎の講義は、月曜日の10:15-11:45@245号教室で行います。本年度は4/7開講になります。

昨年度の経験をフィードバックし、よりわかりやすい講義に努めますので、奮ってご参加ください。4/7の講義の際の、多くの皆様からのご要望により、出席調査がわりの簡単なレポート課題を出題しますので、毎週このブログを良く見てください。

----本学期の講義予定----
回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2008/04/07 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

2) 2008/04/14 月
電気機器学の学問としての位置づけ、電気機械の種類、(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習、思考の手抜きの技術としての電気回路、フェーザ表示

3) 2008/04/21 月 多相交流と進行磁界
多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味

4) 2008/04/28 月 誘導電動機I
誘導機の原理と特長、誘導機の構成、変圧器と誘導電動機

5) 2008/05/12 月 誘導電動機II
誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、モデル同定のための測定法、円線図を用いた特性の表現

6) 2008/05/19 月 誘導電動機III
誘導機の種類とエネルギーの流れ、誘導機の可変速制御、空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意

7) 2008/05/26 月 同期発電機I
同期発電機の原理、構造と電力システム、特性のモデリングと測定法、発電機の並行運転と電力系統

8) 2008/06/09 月 同期電動機II
トルクの発生原理、同期電動機の種類とその特長、v特性と同期調相機、永久磁石同期電動機とサーボ制御
同期機の原理と直流機の関係

9) 2008/06/16 月 直流機
直流電動機と発電機、直流機の種類と特性の比較

10) 2008/06/23 月 座標変換
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論?

11) 2008/06/30 月 パワーエレクトロニクス入門I
パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己能力を持たない素子と転流回路、高調波問題と解析法

12) 2008/07/07 月 パワーエレクトロニクス入門II
自己消弧能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ

(7月の予定は別途事務に確認後修正します!)
13) 2008/07/14 月 ???
電気駆動制御
制御工学との関係:定常現象と過渡現象、産業応用の話題(電機駆動とモーション制御)、
機器設計に伴う諸問題==>電磁界数値解析、

14 ) 2008/07/21 月 期末テスト?

---本年度教科書指定---
「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)

---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>

☆☆☆電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論

藤田:「電気機器」 森北出版
(amazonでは5つ星がついています!)

<一般的なもの>
☆☆☆☆☆:(株)日立製作所総合教育センタ技術研修所編
小形モータの技術」 オーム社
メーカのエンジニア養成を目的に書かれていますのでわかりやすく実用的です。電気自動車や有限要素法による特性計算の話題までカバーしますので、基礎的な知識を広く身につける意味でお薦めです!

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」

仁田他: 「大学課程 電気機器(1)」 オーム社
(これは昨年まで準教科書として用いていた書籍です。現在、名誉教授の仁田丹三先生が、数理工学社から出版予定の教科書を執筆準備されています。)


<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
☆☆☆:坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版

英語で基礎的なことが良く書かれている本(これは古関が大学院生の時に輪講のために購入したものですが、現在では入手が困難になっているようです。)
☆☆☆☆:
Fitzgerald/Kingsley/Umans: "Electric Machinery" International Student Edition, MacGrawHill

大変詳しい古典的名著(入手は困難 ドイツ語なので本当の専門家にのみおすすめです。)
☆☆
K. Vogt: "Elektrische Maschinen ---Berechnung rotierender elektrischer Maschinen," VEB Verlag Tchnik Berlin (<<=これは東ドイツの出版社のため出版社が現在変わっている可能性が高いです。)