Sunday, 22 March 2015

電気電子工学科 学部3年生「電気機器学基礎」 (2015/07/06 改訂)

What's NEW
05/11の(一次側から見た)変圧器の等価回路の説明の一部に誤記がありましたので以下の通り修正します。

一次漏れインダクタンス: 
 誤 L_sigma1 = L_1-M   正  L_sigma1 = L_1-a*M  = (1-alpha) L_1
主インダクタンス
 誤 M    正 aM = alpha * L_1


==========
昨年度まで効果的であった講義のやり方を踏襲し、出席調査がわりの簡単なレポート課題を出題します。毎週このブログを良く見てください。

----本学期の講義予定----
回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2015/04/06 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史

4/6の説明に用いたスライドのコピー(暗号化ファイル)をこちらから御入手ください。
4/13 に提出をお願いする第1回目のレポート課題をこちらから御入手ください。


  ★講義レポートといえども「読み物として完結」している必要があります。したがって、
(1) 学生証番号/氏名
(2) 表題(講義レポートの場合には問題文の再掲でも良い)
(3) 内容(事実と意見コメントなどは明確に分けて書くのが良い)
(4) (必要に応じ)参考文献リスト、参考資料の出典
などの基本的事項が、たとえ短い報告書であっても形式的に明確に示すようにしてください。

-------------------------------------------------------------------
2) 2015/04/13 月
電気機械の種類と分類、電気機械エネルギー変換の物理的基礎、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性、電気機器学の学問としての位置づけ

04/27に提出をお願いするレポート課題をこちらから御入手ください。

X3) 2015/04/20 月 講師都合により休講
ご迷惑をおかけしてすみません。4/13出題の演習問題に自習要素を多く盛り込んで、バックアップをさせていただきます。

4) 2015/04/27 月 思考の上手な手抜き:交流電力の考え方 単相交流と三相交流
なぜ三相交流が好んで用いられるのか?
三相交流の典型的な電力測定法 ---2電力法
磁気回路法によるモデリング(導入)
(変圧器の復習+電磁誘導における各種起電力)

05/11に提出をお願いするレポート課題をこちらから御入手ください。

5) 2015/05/11 月 変圧器、誘導機の等価回路と測定法(ごく簡単に!)
磁気回路法によるモデリング(続き)
(変圧器の復習+電磁誘導における各種起電力)
午後の学生実験課題との関係: 変圧器(と誘導機)の等価回路 <==板書に誤記あり、本ページトップの正誤アナウンスをご参照!

直流機入門: 直流電動機と発電機、同期機の特殊形としての直流機

###今週末は五月祭のため、5/18提出のレポートはなし###
五月祭 電気系の展示 優秀賞受賞おめでとうございます!!!

6) 2015/05/18 月 
直流機: 他励直流機の結線と特性の比較 
各種自励直流機の結線と特性比較
  (複巻電動機・発電機)
 速度制御と弱め界磁 
 直流機の過渡現象の制御モデル

5/25に提出をお願いするレポート課題をこちらから御入手ください。

三相巻線、三相対称交流で回転磁界(進行磁界)が何故できるかについて、教科書の記述pp.56-57に加え、こちらの図もご参照ください。

7) 2015/05/25 月 
誘導電動機I
   三相対称交流と回転磁界 誘導機の単相等価回路 
   変圧器と誘導電動機の関係
  誘導電動機の原理と等価回路

講義で時間の都合で省略した誘導電動機等価回路導出の物理的・数学的根拠の詳細はこちらをご覧ください。

6/01に提出をお願いするレポート課題をこちらから御入手ください。

8) 2015/06/01 月 誘導機II
誘導電動機の原理と等価回路(=T型、π型等価回路)
等価 回路に基づく特性計算 テブナンの定理とすべり--トルク特性
誘導機の始動法と比例推移特性
6/08に提出をお願いするレポート課題をこちらから御入手ください。

9) 2015/06/08 月 
誘導機III
 モデル同定のための測定法
 円線図を用いた特性の表現
誘導機の速度制御(逆相制動、回生制動を含む) 空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)

+同期機 I
   三相巻線と同期発電機の原理

6/15に提出をお願いする誘導電動機のまとめのレポート課題をこちらから御入手ください。

10) 2015/06/15 月
同期機II
 構造と分類, 同期機の機能, 電機子反作用

6/22に提出をお願いする同期機の基本的性質に関するレポート課題をこちらから御入手ください。

11) 2015/06/22 月 同期機 III  
特性のモデリング(円筒形発電機の等価回路とフェーザダイアグラム)
特性のモデリング(突極形発電機の等価回路とフェーザダイアグラム)
測定法  

本日最後に触れた p85の教科書の記述にはわかりにくいところがあるので、補足します。

---補足---
ここでは機械の単相等価回路の三相の結線はスター結線を仮定していると考えて良い。V_nが相関電圧を表しているとして、三相定格容量はS_n=sqrt(3)*V_n*I_n、インピーダンスの基準値Z_base=V_n/(sqrt(3)*I_n)となる。
また、単相等価回路の定格電圧E_n=V_n/sqrt(3)と考える。(<==このことが教科書中に明確には記されていないので、わかりくく感じられる!)

また、(4.21)の最後の項のZ_Sは、第二、第三項のZ_Sとは値の異なる無次元量であることを明示的に示すためZ_S-puなどと別記号を使用して表記すべきである。
---補足説明終わり---

6/29に提出をお願いする同期機の基本的性質に関するレポート課題をこちらから御入手ください。(問題2はやや難しく感じられるかもしれないが、上記のp85の記述を良く読んで考え方が理解できれば単純な計算で答えが求まる実は易しい問題である。)

12) 2015/06/29 月 同期機IV
同期発電機と電力系統
7/6に提出をお願いする突極機、同期電動機(<=ここは予習的要素を含む)についての基本演習のレポート課題をこちらから御入手ください。

13) 2015/07/06 月 (講義最終日)
同期電動機の種類とその特長、同期電動機: トルクの発生原理 V特性と同期調相機
+期末試験について:演習問題の復習など

(時間があれば:)パワーエレクトロニクス入門 
(パワー半導体デバイス、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, オンオフ機能を持たない素子と転流回路, 高調波問題と解析法,
オンオフ制御能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ
+電気駆動制御と座標変換
制 御 同期機の原理と直流機の関係
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、
制御と電気機器の一般理論?)
 ==> これについては時間の都合上、説明を諦めました。 興味のある方は、この資料をご覧ください。(講義最初に説明したPWつき暗号化ファイル。)

7/6で講義は全て終了しました。
講義アンケートへのご協力誠にありがとうございました!

14)  7/31 期末テスト@246号教室 09:00-12:00 (講義の部屋と違うので注意!)
         自分で書いたA4の紙1枚持ち込み可能


以下の☆の数はあくまでも初心者向けという観点からの古関の個人的見解に基づくものです。

--- 本年度教科書指定---
仁田旦三・古関隆章:
 新・電気システム工学 電気機器学基礎 数理工学社 ISBN-978-4-901683-76-0 
  作業中で不完全ですが正誤表や演習問題の解答をここでご覧ください。

---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>
☆☆☆☆「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)
(専門性の高いレベルまでコンパクトにまとめられている。)
電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」

☆☆☆☆☆:西方正司 基本を学ぶ電気機器 (オーム社 ISBN-978-4-274-21138-6)
(初学者に大変わかりやすく記述されている!)

☆☆☆藤田:「電気機器」 森北出版
(amazonでは5つ星がついています!)

<一般的なもの>
☆☆☆☆☆:「最新小型モータが一番わかる ~基本からACモータの活用まで~ (しくみ図解)」見城 尚志, 陳 正虎, 簡 明扶 著
出版社: 技術評論社 (2013/3/27), ISBN-10: 4774155845, ISBN-13: 978-4774155845

技術に興味のある人向けの一般的な解説書ですが、写真や図が具体的で、原理的な理解を深めるのに適していると思います。

☆☆☆:(株)日立製作所総合教育センタ技術研修所編
「小形モータの技術」 オーム社
メーカのエンジニア養成を目的に書かれていますのでわかりやすく実用的です。電気自動車や有限要素法による特性計算の話題までカバーしますので、基礎的な知識を広く身につける意味でお薦めです!

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」

☆仁田他: 「大学課程 電気機器(1)」 オーム社
(これは昨年まで準教科書として用いていた書籍です。現在、名誉教授の仁田丹三先生が、数理工学社から出版予定の教科書を執筆準備されています。)


<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
☆☆☆:坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版


総合科目 「足からロケットまで ---走る/飛ぶ/探る科学入門」(2015/07/08改訂)

総合科目「足からロケットまで
---走る/飛ぶ/探る科学入門」


平成27年04月01日 
取りまとめ:工学部電気電子工学科 教授  古関隆章 
(URL http://www.koseki.t.u-tokyo.ac.jp, 
e-mail: takafumikoseki AT ieee.org) 
Skype: takafumikoseki 
場所: 駒場キャンパス 156教室 金曜日5限(16:50-18:35)
科目コード 31481


===WHAT'S NEW===
3/22 講義のページを立ち上げました。
4/03 講義時間などの情報を更新しました。
4/19 156号教室への講義室変更を反映させています。また、4/17の講義で述べた講義コードが誤っておりました。お詫び申し上げます。正しくは「31481」ですので、ファイル取扱いの際などに誤りの無いようご注意ください!
4/30 ゲスト講師の仕事の都合により5/29を休講とし、当初そこに予定されていた講義を予備日としていた7/3に行うことといたします。
5/06 4/17と5/01の講義資料をまとめて再度アップロードしました。

6/26の藤本先生の講義資料をアップロードしました。
7/10の古関の講義資料をアップロードしました。
レポート 提出にかんする情報を7/3の合意に基づき具体化しました。

===============

標記講義を、駒場キャンパスにて開講します。
 ものを動かすことに興味のある人は、目指す専門分野を問わず広くご参加くださりますよう願っております。大学の 講義では細かく見ればわからないところがたくさん出てきますが、それはむしろ当たり前のことです。わからないことがあったことを、いちいち気にする必要は ありません。大切と思われることを、必要に応じて自分で調べ、あるいは教員に積極的に質問し、わからぬことをわからぬままに放置せぬ努力を忘れねば大丈夫 です。
   人や物を効率良く運ぶことが、文明社会の成立に欠かせず、移動手段を提供する技術が、我々の生活の基本を支え、そして生活を楽し く豊かにするために大切です。実際、日常的な生活の中で、自動車や鉄道などの身近な交通は不可欠なものとなっていることを実感しているでしょう。人々は太古の昔から、速くて、快適で、便利な移動手段を求めてきました。近年は、これに加えて、安全性への意識も高まっており、環境への負担の少ない交通、高齢社 会への移行に伴い「交通弱者でも移動の自由が奪われない」バリアフリーに対応した交通など、移動手段の「質」に対する要求もさらに高いものとなっていま す。このような様々な要求に応える「運ぶ」営みのために、電気や情報の技術が貢献できることは多く、交通における電気・電子・情報技術の役割はますます大 きくなっています。本講義では、このような視点から、電気エネルギーおよび情報通信や計算機技術を積極的に用いて人や物を「うまく」運ぶ方法論を

--電気自動車、ハイブリッド自動車
--リニアモータ・磁気浮上超高速鉄道
--電気鉄道など軌道系の交通システム
--宇宙環境におけるロボットの移動技術

を例に、オムニバス形式で2-3時間程度ずつ解説をし、高校や教養学部で習う物理や数学の延長上にどのようにこれらの技術が構築されているかをできるだけわかりやすく具体的に解説するとともに、最新の研究動向を紹介します。

(この研究に興味を持つ受講者には希望により研究室の見学なども可能です。熱心な文系の学生も歓迎するが、基本的には高校の理系科目選択者程度の物理、数学の知識を前提とした講義内容とします。)

古関隆章(こせきたかふみ 教授 工学部)以外の講師陣:
藤本博志(ふじもとひろし 准教授 工学部)
+JAXA 宇宙科学研究所, 新領域創成科学科 および東日本旅客鉄道株式会社からのゲスト講師 計4名(林屋/久保田/居村)

---H27年度の講義スケジュール---
(各講義タイトルは概要を示すものですので、今後、微修正の可能性があります。4/3)
16:50-18:35 講義あしろけ@156教室 駒場キャンパス

済(01) 04/10 (Fri) 居村 初回 講義ガイダンス+ワイヤレス電力伝送の概説
   本講義の全体説明のスライドのコピーをこちらから御入手ください。
済(02) 04/17(Fri) 古関 エネルギー変換と電気駆動
     
(03) 04/24(Fri) 藤本 電気自動車の運動制御

(04) 05/01 (Fri) 古関 電気車両駆動技術史;電気鉄道と電気自動車の類似点と相違
4/17および5/1に紹介した古関の講義資料(暗号化ファイル 更新版)をこちらから御入手ください。

(X05) 05/08 (Fri) 連休中のため休講
(--) 05/15 (Fri) 五月祭準備のため講義なし

(06) 05/22(Fri)  林屋(古関) 電気鉄道の環境性とそれを支える電力供給技術 I 鉄道電気システムの基本
(X07) 05/29(Fri) 講師都合により休講
(08) 06/05(Fri) 久保田 宇宙研の紹介, 宇宙に挑む制御の技術
(09) 06/12(Fri) 久保田 映画「HAYABUSA はやぶさ」に見る電気電子技術
(10) 06/19(Fri) 久保田 宇宙の謎を探る,月惑星探査ロボット
(11) 06/26 (Fri) 藤本 電気駆動と航空機 ------ 電気で空を飛べるか?
 期末レポート、成績評価などに関するアナウンス

藤本先生の講義資料をこちらから御入手ください。 (講義で示したPWつき暗号化ファイル)

(12) 07/03 (Fri)   林屋(古関) 電気鉄道の環境性とそれを支える電力供給技術 II JRの新技術への挑戦

(13) 07/10 (Fri) 古関 超電導技術と輸送の科学

古関の講義資料をこちらから御入手ください。(講義で示したPWつき暗号化ファイル)

 講義資料で電子ファイル配布があるものは、このページからDL可能なようにします。ファイルにはPWをつけアクセス制限をかけることがあります。

----------------------
重要:
本講義の成績評価の主たる部分は以下のレポートの評価結果に基づき行います。
レポートを、以下の要領でe-mailで提出してください。成績評価は、レポート採点結果と講義への出席回数を総合し、厳正に行います。

[1] 締め切り (教員側で採点作業をし報告できるぎりぎりの設定をしているので厳守してください!)
2年生の履修者(高専編入生を含む): 2015/07/29 (水) 11:59  JST
1年生の履修者:  両者とも    2015/07/31 (金) 19:59  JST

[2] 提出先 pdfのe-mailの添付ファイルとして takafumikoseki@infoseek.jp あてに 

(古関から受け取り確認のメールを返しますので、その確認の連絡が2-3日以内に来ない場合には古関まで(別アドレス: takafumikoseki@ieee.org)確認のご連絡をお願いします。)

[3]提出に関する技術的注意と参考情報

着実かつ迅速な採点作業のための重要な技術的お願い:
e-mailの Subject: 欄を以下の形式で書いてください。
Ashirocket_Report_to_レポートを見てほしい希望教員名: 学生証番号 提出者氏名
(例) Ashirocket_Report_to_KOSEKI: 240557d学生太郎 

同様に、レポート本文の添付ファイル名を

学生証番号_提出者氏名.pdf
(例) 240557d_GakuseiTaro.pdf
としてください。

ワープロなどは任意ですが、 フリーのlibreofficeなどを用いれば、数式を用いた文書もpdf化も含めすべて簡単に処理できます。(ちなみにこのページや教材の作成は、 OSすらWindows環境ではなく、Ubuntu上のソフトですべてを行っています。)
google docs、zohoなどを用いても図入りの文書作成とpdf化は可能です。(ただし、数式作成機能はありません。)
また、任意の文書ソフトからの pdf化もフリーのツールで可能です。
大きいファイル(数百 kB以上?)をメールに添付することは避けてください。そのような場合には http://box.raksul.com/ Dropbox などのフリーのアップローダをご利用ください。


[4] レポート課題
表紙に記載する項目
課題名:  ○○○○
学生証番号: ○○○○    提出者氏名: ○○○○ とコメントを返すためのメールアドレス
関係講義テーマとレポートを見てほしい希望教員: ○○○○
教員からのフィードバックを送るべきe-mailアドレス(夏休み期間でもアクセス可能なメールのアドレス) 


-----------------------------------------
課題: 講義課題に関係するキーワードを選び、自分の興味のあるテーマを1つ設定し、それに関して、単なる調査ではなく必ず自分の意見を入れて、 A4 レポート用紙で、6ページ以内で論じてください。

キーワードの例
超電導技術と輸送の科学

エネルギー変換と電気駆動
電気車両駆動技術史
電気鉄道と電気自動車の類似点と相違
電気鉄道の環境性
電気鉄道における電力供給技術

宇宙と電気技術者
月惑星探査
電気で動く宇宙探査機
宇宙に挑む制御の技術
探査ロボット

電気自動車の未来
電気自動車とバッテリー技術
ワイヤレス電力伝送技術
電気自動車の運動制御

(調査・参考した資料については、末尾に参考文献リストを記載し明示してください。参考文献の上手な挙げ方も評価対象になりえます。)


※講義改善への積極的ご提言を、講義アンケートあるいはこのブログへのコメントの形でお寄せいただきますようお願い申し上げます。

初年次ゼミ(代表教員 古関) 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」  (2015/07/01改訂)

初年次ゼミ 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」の詳細連絡のための掲示板

水曜4限(14:55-16:40) @駒場キャンパス517教室 30868

What's new?
15/05/10 講義計画の一部修正と追加資料の掲載をしました。
15/05/06  の講義の資料を掲載しました。
15/05/01 成績評価に関する記述を追記しました。
セミナーの進展に伴う更新情報、参考資料、質問などへのフィードバックはこのページを用いて行います。

 [1] 授業のタイプ 実験データ解析型
 [2] 学術分野(大分類/小分類)  工学/ 電気電子工学
キーワード: 物理 力学 運動方程式 微分方程式 動的システム 運動制御 ロボット 車両

[3] 目標、概要
すでに高校の物理で習ってきたように、目の前のものから、天体に至るまで世にあるものは力学に関する物理法則にしたがって動いている。ニュートンにより提唱された力学の法則は数学的表現では、時間に関する二階の微分方程式の形をとり、ものをうまく動かすために、その微分方程式に基づく「動的な性質」を理解し取り扱うことが重要になる。ものの「動的な性質」に着目して対象をモデル化し、状態を計測し、リアルタイムに情報を処理して、入力をうまく決め、「思ったように物を動かす」一連の手法を制御という。ここでは、倒立振子という、そのままでは倒れてしまうものを例題に、上手にものを動かすモーションコントロール=運動制御について、グループでの議論、数値計算、実験を通じて学び、数式に基づいて論理的に考えることの大切さを体験することを目的とする。

 [4] 授業の方法: 
 序盤は、高校で学んできた物理や数学の知識をもとに、動的なシステムの理解を深めるための入門的な講義を行う。推薦参考書、webからダウンロードした電子版のテキストやスライド配布資料などを自習に活用しながら、講師の話を聞き、TAの支援を得て練習問題をやりながら、運動方程式の基本となる微分方程式の表現や典型的な解法、それらを簡単に扱うためのラプラス変換という演算子法などの実用的に有用な手法を体験する。
 中盤には、パーソナルコンピュータを用いて、その上にある「制御系CAD」と呼ばれる計算に便利なアプリケーションを用いて、グループワークを行う。動的システムのモデルを記述し、時間的な波形や周波数応答などを、実際に自分で数値的に計算し、様々なグラフを描く体験を通じて、動的なシステムの取り扱いや制御器を設計するという作業を、数値シミュレーショの中で仮想的に体験し、グループ内での議論や講師、TAとの議論を通じて、制御の面白さを感じながら、序盤で座学を通じて学んだ物理数学的基礎や動的なシステムの取り扱いの科学に関して、さらに理解を深める。
 終盤には、グループごとに簡単な運動制御実験の中で、実際に制御器の設計を実体験し、理論との相違や実世界における設計や計測の難しさを体験する。それらのシミュレーションや実験の結果を比較しながら、グループの検討の成果を、レポートと発表資料の形にまとめる。最終日に小さな「研究発表」を自分たちで行い、グループ相互の質疑を体験する。

 [5] 教科書: なし ただし、参考プリント電子ファイルを本ページから配布

 [6] 参考書:
 木村英紀: 制御工学の考え方―産業革命は「制御」からはじまった 講談社(ブルーバックス) 新書   2002/12/16
 森 政弘, 小川 鉱一: 初めて学ぶ基礎制御工学? 東京電機大学出版局 2001/1
 佐藤 和也, 平元 和彦, 平田 研二: はじめての制御工学  講談社 (KS理工学専門書)
 遠山 啓 数学入門 上 下 岩波新書 <==この本は理系を志すすべての学生にお奨めです!

 [6] ガイダンス 初回講義 (初回から3回目4/22の講義)

 [7] 授業計画 
 (1) 4/8 (水)全体ガイダンス(教養学部担当 大講義室)
 (2) 4/15 サイエンティック・スキル講習 (教養学部担当)

 (3) 4/22 (水) 文献検索実習 +「第1回目 モーションコントロール入門」  (担当教員 居村・ TA美浦)
制御工学入門:
「ダイナミック」に考えることの重要さ!
入門: 制御工学とは? 運動制御は我々の生活にどのように役立っているか? 制御の難しさと面白さ この授業の進め方
  4/22講義参考資料をここからご入手ください。(PWつき)

(4) 5/7 (木) 「第2回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 堀・TA 美浦)
講義: 工学への数学応用は「思考の節約=手抜き法」である!
  5/7講義参考資料をここからご入手ください。

今後説明予定資料も含め、堀教授の講義にかかわる資料を以下のリンクから御入手ください。
   A-1. 電気自動車関係動画ファイル 1  (PWつき 約377MB 大きいので注意)
       A-2. 電気自動車関係動画ファイル 2  (PWつき 約731MB 大きいので注意)
       A-3. 電気自動車関係動画ファイル 3  (PWつき 約107MB 大きいので注意)
     
       B. 基礎制御工学まとめファイル 4 (PWつき 約23MB)
       C. 運動制御まとめファイル 5 (PWつき 約11MB)
   D. ラプラス変換 の理論まとめファイル6 (PWつき 約2.5MB)

なお、上記Dに相当する堀先生のラプラス変換についての教科書はこちらですので、興味のある人は成書をじっくりと読んで学んでください!

また、5/7の講義で堀教授が示した、古関作成の

  E. 5/7用の講義ノート(約1MB) こちらから入手
  F. 5/13用の講義ノート(約1MB) こちらから入手

は、清書ができておらず読みにくい形で申し訳ありませんが、理論の流れを納得できる形できちんと追いたい人のために早期に公開しますので、読んでみてください。5/7の講義ノート中の数値例についてはこちらのスライドをご覧ください。(こちらはPWつきです。)

わからないところがあれば今後の講義の中で質問していただければいいかと思います。


(5) 5/13 (水) 「第3回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 堀・TA 美浦)
講義: 賢い手抜き法I:運動方程式を簡単に解きモデルを見やすくする数学

 (6) 5/20 (水) 「第4回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 美浦)  
演習: 賢い手抜き法II:信号の流れを図で表現する方法
Octaveを用いて数値計算をする方法を体験的に学びます。
その練習問題、解説をこちらからご入手ください。

 (7) 5/27 (水) 「第5回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 堀・TA 美浦)
講義: 賢い手抜き法III:
振動(ばね)と減衰(ダンパ)の数学表現---複雑な現象を身近にある簡単なモデルにあてはめて考える手抜き法

----------------------------------------------------------
 (8) 6/10(水) 「第6回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 美浦)
演習:  賢い手抜き法 IV:
複雑な現象を身近にある簡単なモデルにあてはめて考える計算法

(9) 6/17(水) 「第7回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 美浦) 
演習:  賢い手抜き法 V:
制御器設計とシミュレーション体験----開ループと閉ループ---上手に情報を戻して制御に使う科学

(10) 6/24 (水) 「第8回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 美浦)
実験の体験とグループ討論:  不安定システムを安定化する I 

6/10-24で講義中に示したoctaveのシミュレーションのためのコマンドについては、こちらをご参照ください。

(11) 7/01 (水) 「第9回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 美浦)
実験の体験とグループ討論: 不安定システムを安定化する II
台車を動かして制御する倒立振子のモデリングの基礎 (+剛体の力学としての定式化)
(<==概要はこちらを参照
角度および速度フィードバックゲインの設定による挙動の変化の体験

(12) 7/08 (水) 「第10回目 モーションコントロール入門」 
実験をふりかえる演習、グループ討論を通じた制御性能の評価と成果発表の準備
(1グループ10分のプレゼンテーションの資料をまとめる作業)

(13) 7/15 (水) 「第11回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 美浦)
グループ成果発表と討論
成果レポートの取りまとめの連絡

以後の議論・考察のための論点
以下のキーワード、論点を参照しながらグループ内で議論をし、良いプレゼンテーションにつなげよう。

(1) 運動の安定性と不安定性----- 安定なつり合いの点と不安定なつりあいの点 とはどのようなものか?

(2) 運動の安定化におけるフィードバック制御の意味
倒立振子の例の場合: 位置のネガティブ・フィードバック 速度のネガティブフィードバック の意味 なぜししばしば、位置のみならず速度のフィードバックも必要になるのか?

(3) 倒立振子の挙動の数値計算 実験の結果とそれに基づく考察(必須課題)
(モデルや実験の計画をどのように考えて、どのような作業をし、どのような結果を得たか?
それらは当初の予想、期待と比べて合っているか?違っているか?
違っているとしたらその理由は何だろうか?)

(4) (自主的な)発展課題
例:安定化制御でモデルが実際と異なっていると何が起こるか? 
---たとえば倒立振子の先端になにかつけて重くしてみたらどうなるか?
安定化制御をエネルギーの流れという観点から見たら、何が言えるか?など
その他、自由に自分達で議論のための問題設定してみよう!


プレゼンテーションのガイドライン: スライド 10-13枚程度?

----<スライドの構成例>----
 表紙 (表題、グループ番号 氏名)
 はじめに (論点、目的)
 内容
 問題設定
 理論的基礎
 基礎方程式 モデル
数値計算
実験条件
実験結果
考察

まとめ、おわりに
----------------------
 
[期末レポート提出のお願い(重要)]
成績評価のための「個人レポート」は上記(1)-(4)の4つから、(3)ともう1つ、合計2つを選択して、自分の言葉で考えたことをまとめてください。

(1) 「上記4つから2つを選択」の1番目の課題
(2)  「上記4つから2つを選択」の2番目の課題
(3) 本講義に対するコメント、来年度の講義に向けて改善すべきこと

<レポート記述上のヒント>
 レポートをまとめるには、図や数式を適宜用い、また、グループでプレゼンに用いた数値計算や実験結果を適宜利用して充実した内容にすべく努めてください。
  また、参考文献などで学んだ「facts」と自分自身で考えたことを明確に区別して記すようにするのが良いと思われます。参考文献やweb上の情報からの 引用については、適宜参考文献のリストを(レポート末尾に)作成し、本文中の記述に該当する参考文献番号を具体的に記載することが必要です。
 レポートは、pdfとして、TAの美浦さんあてにe-mailで送付してください。
  (締切は 8/1(土)正午 e-mail受信記録で時間管理します。)
送付先のアドレスは、講義中に示します。
(あるいは古関研究室のメンバーのページから美浦を探してください。)

大きなファイルとなる場合には、メール添付ではなく、dropbox, googledocsなど適宜オンラインのディスクを用いたリンクの形で ファイルをお送りください。
美浦さんの確認作業を確実にするため以下の様式に従ってください。

ファイルはpdf    
学生証番号が 340427g 提出者氏名が「日本太郎」の場合 
 メールのサブジェクト欄の記載: MotionControl_340427gNipponTaro
 提出ファイル名:  340427g_NipponTaro.pdf

(なお、レポート提出後、美浦さんからのファイル受領確認の連絡が2-3日以内に来ない場合には別途、念の為確認の連絡を試みてください。)


[8] 学習上のアドバイス
(1) 自主的に学習に取り組もう。
(2) このページに掲げた参考文献を始め、関心を持って、制御や動的システムに関する参考書に予め目を通し、疑問に思う点をまとめて授業に参加しよう。
(3) 物理的直感を重視しながらも、数式を嫌わず、数式に基づいた合理的な議論をするよう心がけよう。
(4) 疑問に思う気持ちを大切に、恥ずかしがらず疑問に思うことは、講師や仲間に積極的に質問して、議論を通じた理解を深めよう。
(5) インターネットを通じて入手できる SciLab Octave などのツールを調査し、自分のPCにインストールして色々自分で試してみよう。

[9] 成績評価
講義における参加実績、プレゼンテーションの出来(50%) + 期末レポート(50%)

ご参考;
倒立振子実験キット ビュートバランサ 2