2008年6月9日月曜日

3年生夏学期講義「電気機器学基礎」第9回 080609 を終えて

本日は同期発電機の等価回路、フェーザ図と出力特性、円筒機、突極機とd軸・q軸の定義など、同期機を扱うための理論の最も大切な部分を扱いました。次回は同期電動機の話を中心にするため、実用上重要な同期電動機のV特性について、課題レポートをまとめる中で予習をしてきてください。また、本日講義の中で、教科書の記述に譲らざるを得なかった、d, q軸の異なるリアクタンスを考慮した場合のフェーザ図も、課題レポートの中で、自分自身で手を動かして書いてみてください。

講義の中で強調したように、同期機のフェーザ図を描く上で最も重要なポイントは、空間ベクトルとフェーザを1つの図の上に重ねて書くために「起磁力とそのもととなる電流のベクトルを同じ方向に書く」ということです。


------第9回目の演習問題(6/16提出分)------
所属学科/学生証番号/氏名 

同期機基礎 演習問題:

[1] 突極形発電機のフェーザ図を示し、それに基づき突極形発電機の出力の式を示せ。また、出力の2項のそれぞれについてそれらの意味を説明せよ。
[2] 次回の解説の予習として教科書/参考書を調べて、同期電動機のフェーザ図を示し、同期電動機のV特性と、同期機を用いて力率を調整する方法を説明せよ。


これまでの進捗状況を反映し、当初予定を下記のとおり、微修正します。

----本学期の講義予定(6/23 修正版)----
電気系事務室のアナウンスによれば

  4/3-7/17が講義期間、
  7/18-31が期末テストの期間

とされています。

回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2007/04/07 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

2) 2007/04/14 月
電気機器学の学問としての位置づけ、電気機械の種類、(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習、思考の手抜きの技術としての電気回路、フェーザ表示

3) 2007/04/21 月 多相交流と進行磁界
多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味

4) 2007/04/28 月 誘導電動機I
誘導機の原理と特長、誘導機の構成、変圧器と誘導電動機

5) 2007/05/12 月 誘導電動機II
誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、モデル同定のための測定法、円線図を用いた特性の表現

6) 2007/05/19 月 誘導電動機III
誘導機の種類とエネルギーの流れ、誘導機の可変速制御、空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意

7) 2007/05/26 月 同期機I
同期発電機の原理、構造と機能上の分類

8) 2007/06/02 月 同期機II
同期機の構成要素、電機子巻線、空間高調波の低減法と巻線係数、電機子反作用

9) 2007/06/09 月 同期機III
同期発電機のフェーザ図、等価回路と特性のモデリング
円筒機、突極機と直軸リアクタンス、横軸リアクタンス
同期発電機の出力とリラクタンス出力

10) 2007/06/16 月 同期機と直流機
測定法、
発電機の並行運転と電力系統、
トルクの発生原理、同期電動機の種類とその特長
v特性と同期調相機、永久磁石同期電動機とサーボ制御
同期機の原理と直流機の関係

11) 2007/06/23 月 直流機 電気機械一般の座標変換
直流電動機と発電機
直流機の種類と特性の比較
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論

12) 2007/06/30 月 直流機 
電機子反作用、直流機の結線方法と特性の相違

13) 2007/07/07 月 パワーエレクトロニクス入門I
パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己能力を持たない素子と転流回路、高調波問題と解析法
(<==ちなみにこの日の1限の制御工学第一では、主として状態空間法の基礎を概説しますが、その0打意図して直流機の制御について言及するつもりです。)

14) 2007/07/14 月 パワーエレクトロニクス入門II
自己消弧能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ
電気駆動制御

制御工学との関係:定常現象と過渡現象、産業応用の話題(電機駆動とモーション制御)


15) 2007/07/28 10:15-11:45 月 期末テスト
1限の制御工学第一@241号室の期末テストに引き続き245室にて「電気機器学基礎」の期末テストを行います。(月曜日の講義は大変ですね!)

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