Thursday, 4 November 2010

第1回鉄道技術展セミナー 海外への展開!日本の鉄道産業への将来の提言(古関担当分 2010/11/11 14:00-15:00) について 2010/11/18 更新

2010年11月10日-12日に最初の「鉄道技術展」が幕張メッセで開催されました。
その際のセミナーに関する資料を下記に掲載します。

第1回 鉄道技術展 セミナー

2010111114:00-15:00 幕張メッセ国際会議場 301会議室

「海外への展開!日本の鉄道産業の将来への提言」(2)

 -----電気技術者の視点から-----

東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 准教授 古 関 隆 章


[1] はじめに:
 日本の鉄道技術を語る会の論点

(1) 日本の高速鉄道は世界一だと言われているが、本当にそうなか?
(2) 日本のガラパゴス化? 技術者の問題意識
(3) 安全の性能、環境の性能、個々の製品の信頼性の高さは、日本の最大の強み
(4) 日本の鉄道技術の長所:きまじめな現場技術者による

[2] 鉄道の特長とは <== 特に 「電気鉄道」  (須田先生の言うとおり?)他モードとの比較では、何でも2番 でも大きな部分を担うのに都合が良い?   インフラ整備と維持が必要 <=> 人口密度が高い場所 

 公共性 ---
  都市間高速鉄道は国の力の象徴(新幹線 磁気浮上高速鉄道)
  都市鉄道はライフ・ライン: 市民のためのもの 都市景観の一部 観光的魅力
  地方: 交通弱者の移動手段 地方鉄道/ LRT/ バス,...
.........実はこの観点は欧州に比べれば弱い?
      早期の鉄道は民鉄として発達
      破綻した日本国有鉄道 ----公共性を正面に打ち出すことへの抵抗感
 高速性
 正確性
 環境適合性-----鉄道における環境対策は、暗黙のうちにローカルな公害対策であった (騒音、建設時の環境負荷,... グローバル環境として語られることは最近のこと)
 安全性
 安心感 

一方で、鉄道は、自由な資本主義 とは相容れない部分もある。

戦争のためのインフラとして発達した都市間幹線鉄道
自由な自動車 計画性を要求する鉄道

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[3] 国際環境: グローバル化は不愉快か?
自動車産業との大きな相違: 国内市場できちんと食っていける(来られた?)日本の鉄道界
海外から見た日本の特徴:特殊な市場

---ヨーロッパで鉄道のシェアが圧倒的に高いスイス人による評価---
Compared with Swisses, Japaneses have: スイス人と比べて日本人は
Twice population concentration2倍の密度で住んでいる。
three times frequently use trains3倍頻繁に鉄道で旅している。
30% longer trip by rail 30%長く列車で旅をしている。
1/14 times freight by rail per capita1人あたり鉄道貨物輸送量は1/14倍。
60% more transport per operator1鉄道事業者あたり60%多く輸送実績がある。
30% less cars per capita人口1人あたり30%乗用車が少ない。
only ¼ times highway per capita人口1人あたりの高速道路長は1/4倍しかない。

海外市場への進出
市場開放の海外からの要求
国際標準化と日本の技術

日本語は世界に通じないというハンディキャップ

[4] 国際環境: 躍進する中国は脅威か?  日本の停滞は宿命か?
「賢明で誇り高い 隣人」 
==> 中国で鉄道が急速に延びるのは当然のこと  

ビジネスとしてみた場合「公平な競争にならないという問題」

知恵と経験にあふれる商人 上位下達の社会 

躍進する中国も高齢化の軛のもとに

長期的に持続可能でない発展 ---- 力のあるうちに進めねばならぬインフラ整備

==> 中国で鉄道整備が進むのは日本にとっても基本的に良いこと

[5] 再び「電気鉄道の優位性」についてのキーワード
車両技術:
 車両情報システム 合理的保守 
 高効率・正確な動力分散形駆動技術と回生制動 エネルギー管理
電力供給システム----歴史的多様性と保守管理の技術
運転保安と安全 将来を見て列車検知をどうするか?
運行計画・緻密な運行管理
ITの活用: 通信 車上情報システム 旅客営業 旅客案内設備   貨物? 
交通: さまざまな種類があり都市鉄道、地下鉄は強いが....
手薄なLRT分野 弱いネットワークとしての連携

[6] 海外ビジネス展開のために
(1) 己を知る
(2) 技術的先端性の主張
(3) 国際標準と日本の固有技術
(4) 計画性を重んじる文化、日本人のきまじめさは売れる技術となるのか?


[7] 己を知る

[強さと弱さは表裏一体!]

1. 組織
専門性と縦わり
事業者、メーカ、官、学、/コンサル、商社ーーー固定的? 基本的にdomesticーー>国際化対応への違和感?
日本的効率性と、匿名性
安全重視と保守性・変化に時間がかかること/持続性
日本語
独立採算性とインフラの持続可能性、更新の困難

2. 人
専門家としての矜持とモラル/偏狭姓と思考の固定化
鉄道としての一体感/異業種との人事・情報交換の不足
業界内での秩序と暗黙のヒエラルキー
弱点: 年齢構成のギャップ(JR?)と高齢化 持続可能性?

3. 技術
車両:
国鉄解体後の多様化:魅力向上と開発資源の分散化
環境親和性、信頼性の高さ<-->性能と堅牢性、快適性

土木:
鉄道固有技術についての国際標準化対応は基本的に不必要
日本固有技術ということで閉じていても構わない?しかし、東京大学において土木工学科はいち早く国際化を積極的に進めた

[8] 技術の先進性の国際発信:<見せ球 打ち上げ花火としての高速鉄道>
新幹線では<わかりやすい>先進性のアピールは難しい
日本のお家芸「超電導磁気浮上鉄道」の実用化は喫緊の課題
議論に時間をかけすぎる事なく早く建設すること!
 時間をかければ互換性のないインフラは死ぬ
日本の磁気浮上鉄道の特長: 鉄道事業者が主体的に研究開発を行ってきたこと 世界で稀有
==> ドイツ、スイスの轍を踏んではならない!
絶対にやるという気合が必要!
「賢明にして誇り高きわが隣人」の台頭を前に日本が国際競争力を目に見える形で示せる唯一最後のチャンス

方式 超電導誘導反発式リニア地上一次形同期モータ推進方式
 速いのがとりえ


[9] 国際標準化への取り組み ==> 片手間にはできない:人も金も本気でかける!

[10] 日本人のきまじめさは売り物になるか?----説明可能なシステム化、可視化がどこまでできるか?

[11] まとめ: 主 張
(1) 日本の技術は優れているという<先入観>を棄て頭を冷やす
==> 日本の強みと弱みを良く議論する 技術の囲い込みを回避
(2) 最高速の技術の早期商用化!==ナンバーワンでなければだめ
(3) 地方鉄道の持続可能な運営のための知恵の開発とアジアの大きな市場の重なり
(4) 「きまじめさ」を理解される形に!
 国際標準化と総合鉄道技術を俯瞰できる専門家の育成
(5) 「きまじめさ」をシステムとして体現する電気・電子・情報技術


おまけ: 沖縄に鉄軌道を! LRT Workshop in Okinawa 2010

訂正:

講演中で昨年度までの情報に基づき、日本の電子計算機の最高速度記録の世界的地位が急速に年々低下しているということを申し上げましたが、それから数日内に、現在の日本の地位が4位といわれるようになった事、評価法によっては最高性能とも言えるとの報道が出ましたので、(前言は講演時点では誤りではなかったものの)、現時点での情報に基づき修正させていただきます。

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