2019年3月30日土曜日

初年次ゼミ 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」 Ver. 19/08/02

初年次ゼミ 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」の詳細連絡のための掲示板

水曜4限(14:55-16:40) @駒場キャンパス KOMCEE West K401

---What's new?---
19/03/30 講義計画初版を公開しました。
19/04/05 ガイダンススライドなどを追加しました。
19/04/27 自己紹介pdfの提出練習をしましょう!
自己紹介のファイル名を Intro-YourName_YourStudentID.pdf とし こちらのリンクからご提出ください。 ファイル名の例 古関の場合 Intro-TakafumiKoseki_240426F.pdf
19/05/08 Some simple Octave-sample codes were uploaded.
     5/8, 15の講義内容に準拠したMatlab/Octaveのサンプルコードは上記でご参照ください。
19/05/21 古関研究室大西助教提供のMatlab入門に関する資料を掲載しました。
19/05/22 5/22および6/5に取り組んでいただく演習課題を掲載しました。
19/06/13 台車付き倒立振子の力学の基礎的定式化に関する資料へのリンクを掲載しました。 
     6/26, 7/3の堀教授による講義に関する資料へのリンクを掲載しました。
19/07/11 堀教授の課題レポート、最終レポートとしての7/10の修正スライド提出方法についての情報を掲載しました。皆さん、半年にわたるゼミへの熱心なご参加ありがとうございました。まずは、今季の期末試験、頑張って乗り切ってください!健闘を祈ります。
19/08/02 皆さんからのレポート提出を確認し、教務課への成績報告を完了しました。履修ありがとうございました。堀先生からのレポートへの公表を以下に記します。

------------堀先生のコメント------------

5班ぶんのレポート拝読。しっかり考察してくれていて,感謝しています。
 今日も,国交省の人々と,いろいろ相談をしていて,どのようにして普及させていく仕組みを作るかとアイデアを出し合っています。
 そういう段階に来ているので,案外実現は早いのかもしれません,

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 [1] 授業のタイプ 実験データ解析型

 [2] 学術分野(大分類/小分類)  工学/ 電気電子工学
キーワード: 物理 力学 運動方程式 微分方程式 動的システム 運動制御 ロボット 車両

[3] 目標、概要
 すでに高校の物理で習ってきたように、目の前のものから、天体に至るまで世にあるものは力学に関する物理法則にしたがって動いている。ニュートンにより提唱 された力学の法則は数学的表現では、時間に関する二階の微分方程式の形をとり、ものをうまく動かすために、その微分方程式に基づく「動的な性質」を理解し 取り扱うことが重要になる。ものの「動的な性質」に着目して対象をモデル化し、状態を計測し、リアルタイムに情報を処理して、入力をうまく決め、「思った ように物を動かす」一連の手法を制御という。ここでは、倒立振子という、そのままでは倒れてしまうものを例題に、上手にものを動かすモーションコントロー ル=運動制御について、グループでの議論、数値計算、実験を通じて学び、数式に基づいて論理的に考えることの大切さを体験することを目的とする。

 [4] 授業の方法: 
  序盤は、高校で学んできた物理や数学の知識をもとに、動的なシステムの理解を深めるための入門的な講義を行う。推薦参考書、webからダウンロードした電 子版のテキストやスライド配布資料などを自習に活用しながら、講師の話を聞き、TAの支援を得て練習問題をやりながら、運動方程式の基本となる微分方程式 の表現や典型的な解法、それらを簡単に扱うためのラプラス変換という演算子法などの実用的に有用な手法を体験する。

 中盤には、パーソナル コンピュータを用いて、その上にある「制御系CAD」と呼ばれる計算に便利なアプリケーションを用いて、グループワークを行う。動的システムのモデルを記 述し、時間的な波形や周波数応答などを、実際に自分で数値的に計算し、様々なグラフを描く体験を通じて、動的なシステムの取り扱いや制御器を設計するとい う作業を、数値シミュレーショの中で仮想的に体験し、グループ内での議論や講師、TAとの議論を通じて、制御の面白さを感じながら、序盤で座学を通じて学 んだ物理数学的基礎や動的なシステムの取り扱いの科学に関して、さらに理解を深める。

 終盤には、グループごとに簡単な運動制御実験の中 で、実際に制御器の設計を実体験し、理論との相違や実世界における設計や計測の難しさを体験する。それらのシミュレーションや実験の結果を比較しながら、 グループの検討の成果を、レポートと発表資料の形にまとめる。最終日に小さな「研究発表」を自分たちで行い、グループ相互の質疑を体験する。


 [5] 教科書: なし ただし、参考プリント電子ファイルを本ページから配布


 [6] 参考書

 木村英紀: 制御工学の考え方―産業革命は「制御」からはじまった 講談社(ブルーバックス) 新書   2002/12/16
 森 政弘, 小川 鉱一: 初めて学ぶ基礎制御工学? 東京電機大学出版局 2001/1
 佐藤 和也, 平元 和彦, 平田 研二: はじめての制御工学  講談社 (KS理工学専門書)
 遠山 啓 数学入門 上 下 岩波新書 -- この本は理系を志すすべての学生にお奨めです!
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古関研究室の大西助教が3年生の制御工学の講義のために準備した、Matlab入門の資料をこちらからご入手ください。
 大西助教が準備した制御工学第一関係のHPへのリンクはこちら
(制御工学第一の資料に関するパスワード情報はこちらです: 左記リンクは本初ゼミ講義用のPW付の暗号化ファイルです。)

 (1) Mathworks社提供のMatlab入門説明スライドをこちらで閲覧(暗号化pdf)
 (2) 大西助教提供の2019/05/20の制御工学第一の講義入門解説をこちらで閲覧(暗号化pdf)
   (3) 大西助教およびTAの準備したフィルタ解析の例をこちらで閲覧(非暗号化pdf 3年生向けの専門的内容のため1年生には理解が難しいかも。読み飛ばしてよい。)

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3年生冬学期の制御CAD演習(2018年度)の資料をご参考までこちらでご覧ください。

 [7] ガイダンス 初回講義 (初回から3回目4/24の講義)

 [8] 授業計画 
(01) 4/10 (水)全体ガイダンス(教養学部担当 大講義室
  ガイダンス時のスライドのファイルをこちらでご閲覧ください。
(02) 4/17(水) サイエンティック・スキル講習 (教養学部担当)
(03) 4/24 (水) 文献検索実習 +「第1回目 モーションコントロール入門」  (担当教員 古関・ TA溝口)
制御工学入門:
講義:「ダイナミック」に考えることの重要さ!
制御工学とは? 運動制御は我々の生活にどのように役立っているか? 制御の難しさと面白さ この授業の進め方
講義: 工学への数学応用は「思考の節約=手抜き法」である!
PC演習: Google, OPACなどを用いた検索方法、
     クラウドへのファイルの保管、 オンラインofficeの使い方
     Libreofficeを用いた文書の取りまとめ
この日の講義に用いたスライドのファイルをこちらからご入手ください。(講義時に示したPWつき暗号化pdf)
(04) 4/27 (土) 「第2回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 溝口)
スライドを用いた自己紹介:短いプレゼンテーション演習
(05) 5/8 (水) 「第3回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 溝口)   講義: 賢い手抜き法I: 運動方程式と運動の軌跡: 線形微分方程式の解法
 サンプルファイルをこちらでご覧ください!
  Please access sample codes here. 
(06) 5/15 (水) 「第4回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 溝口)
講義と演習: 賢い手抜き法II:
Octave演習続き: 運動方程式の記述を状態変数法に変換し、数値計算で運動軌跡を計算する方法

(07) 5/22 (水) 「第5回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 溝口)
演習: 賢い手抜き法 III:
本日は、過去2期の講義内容を実地に体験し学んでいただくため、この問題に皆で取り組みスライドの形でレポートにまとめてみてください。

信号の流れを図で表現する方法
振動(ばね)と減衰(ダンパ)の数学表現---複雑な現象を身近にある簡単なモデルにあてはめて考える手抜き法
複雑な現象を身近にある簡単なモデルにあてはめて考える計算法
演習: 二次系の応答計算 
### 5/29は講義なし!

(08) 6/05 (水) 「第6回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA  溝口)
演習: 二次系の応答計算への取り組みの各班における議論と演習レポートとりとめ
6/05の追加課題をこちらでご覧ください。そのヒントとしては5/8にもリンクしている下記のリンクでご覧ください!
  Please access sample codes here. 
  前回に続き、自分たちで実験やその確認の数値計算をして、グループ発表の準備もしていただきます。皆さんの自由な取り組みによる良いレポート/グループ発表を楽しみにしています!
 本日も前回に引き続き、追加課題に班の仲間で取り組み、スライドの形でレポートまとめてください。       
+実験教材配布

(09) 6/12 (水) 「第7回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 溝口)
5/
22, 6/5に取り組んだ課題を1つのレポート(スライド)にまとめ、pdfでこちらに提出してください。なお、レポートのスライドの最初のページには
   レポートのタイトル 
   第班か(班のNo. ) +班のメンバー全員の学生証番号と氏名 を忘れずに記してください。
 
実験の体験とグループ討論: 不安定システムを安定化する I
角度および速度フィードバックゲインの設定による挙動の変化の体験 

(10) 6/19 (水) 「第8回目 モーションコントロール入門」 
実験の体験とグループ討論: 不安定システムを安定化する II
角度および速度フィードバックゲインの設定による挙動の変化の体験

2017度に提示したものと同じ資料ですが、みなさんが実際にで実験する機械に近い「台車付きの倒立振子」の力学や制御のゲインと応答の関係を計算した例についての資料を、ご参考までこちらでご覧ください。

実験結果を解釈、説明するための計算
グループ討論を通じた制御性能の評価と成果発表の準備(1グループ10分のプレゼンテーションの資料をまとめる作業)

☆(11) 6/26 (水) 「第9回目 モーションコントロール入門」(担当教員 堀・TA 溝口)
講義:  運動方程式を簡単に解きモデルを見やすくする数学
   電気自動車の運動の理解と数学的表現

堀教授の講義に関係する資料をこのリンクから御入手ください。(非暗号化zip 約18MB)

☆(12) 7/03 (水) 「第10回目 モーションコントロール入門」  (担当教員 堀・TA 溝口) 
      電気自動車の運動制御へのフィードバック制御の応用 

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堀教授レポート課題
以下の3点につきグループでまとめてレポートを作成し提出せよ。

(1) 講師が講義で述べた「モータ/キャパシタ/ワイヤレス」の意味するところを述べよ。

(2) 講義を聞いて新しく得られた知見があれば述べよ。講師の意見に賛同する点、賛同しない点について述べよ。

(3) 走行中ワイヤレス給電でクルマが走るようになると思うか?そのためにはどのようなビジネスモデルが考えられるか。

レポートには、「表題」「学生証番号」「氏名」フィードバックのコメントが欲しい場合には、その旨を明記しそれを送るための「メールアドレス情報」を表紙に記してください。pdfファイルとしてここにアップロードしてください。締切は2019年8月2日正午とします。
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(13) 7/10(水) 「第11回目 モーションコントロール入門」  (担当教員 古関・TA 溝口)
グループ成果発表と討論

[期末レポート提出のお願い(重要)]
成績評価のため、各班の代表は、上記のスライドに、7/10 の議論に基づく微修正、追記をしたものに、本講義に対するコメント、来年度の講義に向けて改善すべきことの助言を追加ページに記してpdf化し、8/2 正午までに、最終レポートとしてこちらのリンクからご提出ください!

議論・考察のための論点
以下のキーワード、論点を参照しながらグループ内で議論をし、良いプレゼンテーションにつなげよう。

(1) 運動の安定性と不安定性----- 安定なつり合いの点と不安定なつりあいの点 とはどのようなものか?

(2) 運動の安定化におけるフィードバック制御の意味
倒立振子の例の場合: 位置のネガティブ・フィードバック 速度のネガティブフィードバック の意味 なぜししばしば、位置のみならず速度のフィードバックも必要になるのか?

(3) 倒立振子の挙動の数値計算 実験の結果とそれに基づく考察
(モデルや実験の計画をどのように考えて、どのような作業をし、どのような結果を得たか?
それらは当初の予想、期待と比べて合っているか?違っているか?
違っているとしたらその理由は何だろうか?)

<ーー実際の実験モデルのシミュレーションと実験の比較はわからないパラメータやモデルに正確には把握でき無い各種の摩擦などの影響で難しいと思いますが、基本的簡易数値計算で比例フィードバックのゲインや微分フィードバックのゲインを変化させるとどのような応答が得られるかの傾向を把握し、その予想と実際の実験で制御器のパラメータを「標準」から変化させた時の挙動の変化を比較して論じることは可能でしょう。

(4) (自主的な)発展課題
例:安定化制御でモデルが実際と異なっていると何が起こるか? 

---たとえば倒立振子の先端に重りをつけて重くしてみたらどうなるか?
安定化制御をエネルギーの流れという観点から見たら、何が言えるか?など
その他、自由に自分達で議論のための問題設定してみよう!

プレゼンテーションのガイドライン: スライド 12-14枚程度?

----<スライドの構成例>----
 表紙 (表題、グループ番号 氏名)
 はじめに (目的 特に注目した点)

内容

 問題設定
 (理論的基礎  基礎方程式 モデル)
数値計算?
実験条件
実験結果
上記、理論と実験の比較に基づく考察
まとめ、おわりに

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2019年度 最終成果発表


<良い発表のためのヒント>
実験の条件、それぞれグラフのカーブが何を示しているか、を明示。
比較の際は軸のスケールをそろえて一目で量的な違いが分かるようにグラフを描く。
工夫した点をスライドのタイトルなどに盛り込む。
設計で何を考えたかを論理的に述べる。
できる限り理論的な推定と実験結果を比較して話を組み立てられるとよい。(実際には実験機で分からない条件が多いためここはなかなか難しいが…)

[9] 学習上のアドバイス
(1) 自主的に学習に取り組もう。
(2) このページに掲げた参考文献を始め、関心を持って、制御や動的システムに関する参考書に予め目を通し、疑問に思う点をまとめて授業に参加しよう。
(3) 物理的直感を重視しながらも、数式を嫌わず、数式に基づいた合理的な議論をするよう心がけよう。
(4) 疑問に思う気持ちを大切に、恥ずかしがらず疑問に思うことは、講師や仲間に積極的に質問して、議論を通じた理解を深めよう。
(5) インターネットを通じて入手できる SciLab Octave などのツールを調査し、自分のPCにインストールして色々自分で試してみよう。

[10] 成績評価
(講義参加実績+プレゼンテーションの出来): (50%) 
+(堀先生宛レポート+期末レポート): (50%)

ご参考; (工事中)
倒立振子実験キット ビュートバランサ 2
倒立振子の実験に関する南山大学の論文 論文2
倒立振子の実験に関する沼津高専の論文
関連ソフトのダウンロードのページ
システム情報制御学会の特集記事のページ

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