2008年10月1日水曜日

3年生冬学期講義「制御工学第二」の進め方に関して(10/1暫定版)

(変更は、適宜修正・付記します。)

本講義の指定教科書はありません。
 「新: 制御理論の基礎 昭晃堂」は、特に制御工学全般を短時間で見渡すのに優れた参考書であると思います。
 下に推奨参考書として挙げている、堀洋一著「応用制御工学」(丸善出版)は現在入手困難と思われます。図書室などで必要に応じてご覧ください。

 (講義にご参加いただいている中でより詳しく学びたい皆様には、
著者である堀先生のご厚意により堀先生の書かれた教科書用原稿電子ファイルを上巻相当の内容下巻相当の内容)から特別に御覧いただくことができます。なお、左記のリンク情報は2週間ほどをめどに削除の予定です。)

10/7の講義で説明した、夏学期 制御工学第一の状態フィードバックに関係する期末テストの解説(デモ)に用いたMatlabのソースを以下に示しておきます。

% ex081007.m: CTRL example  program coded by KOSEKI, OCT 2008
 
clear all
%-----Definition of physical constants
 %%%---Fundamental state feedback---
%
A0=[0,1; 10,0 ]
B0=[0;1] 
C0=[1,0]
D=0

%---Pole placement---
Te=1/sqrt(5) % Equivalent settling time
% --3rd order Kessler canonical form---
H=[Te^2/2, Te, 1];
P=roots(H)

F=acker(A0, B0, P)

sys0=ss(A0, B0, C0, D)
sys1=ss((A0-B0*F), B0, C0, D)


figure(1); pzmap(sys0); sgrid
figure(2); pzmap(sys1);sgrid

figure(3); step(sys1)


--以下は第1回目の講義の導入資料--
制御工学第II (火曜日第一限 242教室)
古関隆章・堀 洋一
Ext. 26676, takafumikoseki @ ieee.org

制御工学第二講義予定
(01) 10/07 状態空間におけるシステムの取扱(1):夏学期の復習、状態変数と状態方程式、状態遷移行列
(02) 10/14 状態空間におけるシステムの取扱(2): 実現問題、時間応答シミュレーション
(03) 10/21 状態空間におけるシステムの取扱(3):状態フィードバック、最適制御、演習出題
(04) 10/28 堀教授特別講義 (電気自動車とモーションコントロール)
(05) 11/04 状態空間におけるシステムの取扱(4): 状態推定、システム同定
(06) 11/11 状態空間法、最適制御演習
(07) 11/18 ディジタル制御(1): 空間量子化と時間量子化
(08) 11/25 ディジタル制御(2): サンプリング動作の数学的表現、サンプリングを含む系の取扱とZ変換
(09) 12/02 呉助教特別講義 (福祉制御工学)
(10) 12/09 ディジタル制御(3): ディジタル系安定性判別、ディジタル系のアナログ近似、演習出題
(11) 12/16 ディジタル制御(4): 有限整定とデッドビート応答
(12) 01/13 状態推定法、ディジタル制御演習
(13) 01/20 非線形制御入門 演習出題
(14) 01/27 予備日
(##) 02/03 or 02/10 期末テスト

制御工学第一の内容(復習)
1.序論
 1.1  制御工学とは何か
 1.2  制御システムの例,分類
 1.3  閉ループ制御と開ループ制御
 1.4  制御工学の歴史

2.システム動特性の表現
 2.1  信号伝達と状態遷移
 2.2  動作点まわりの線形化
 2.3  線形システムの表現
(2.4  ラプラス変換法の基礎)
 2.5  ブロック図とその合成
 2.6  特性の計測法

3.制御システムの安定性
 3.1  線形システムの安定性
 3.2  ラウスの安定判別法
 3.3  ナイキストの安定判別法
 3.4  フィードバック系の安定度指標

4.フィードバック制御系の基本特性
 4.1  入力追従特性と外乱抑圧特性
 4.2  定常誤差と誤差係数
 4.3  2次系の過渡応答
 4.4  2次系の周波数応答
 4.5  高次系の代表根

5.線形フィードバック系の補償
 5.1  フィードバック制御系設計の基本指針
 5.2  直列補償とフィードバック補償
 5.3  ニコルズ線図を用いた制御系設計
 5.4  根軌跡を用いた制御系設計
 5.5  直列補償とPID調節計
 5.6  フィードバック補償

制御工学第二から制御工学第一への移行
 古典的制御の復習と状態空間法との関係(フィードバック制御と多項式法など)
 状態空間におけるシステム序論:連続量と離散量

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2. 教科書・参考書
新: 制御理論の基礎 昭晃堂
堀・大西: 応用制御工学  丸善
ただし、これは教科書指定ではなく、推薦参考書なので、授業では該当ページを示すのみで板書の内容と一対一の対応にはなっていない。主として、自宅学習や演習問題を解く際の参考として活用してほしい。具体的にはいろいろと探してみて自分に合うと思う本を買って学ぶのが良い。

平井・羽根田・北村: システム制御工学  森北出版
金原・黒須: ディジタル制御入門  日刊工業新聞社
小郷・美多: システム制御理論入門 実教出版社
正田: 制御工学  培風館 
前田・杉江: アドバンスト制御のためのシステム制御理論 
システム制御情報学会編 朝倉書店

MATLAB: SimuLink, Control tool boxなど
計測制御学会誌、電気学会雑誌、論文誌など

3. 授業の受け方

式を自分で追ってみる-------演習問題。
月曜午後の演習のようにSCILABなどを用いたシミュレーションもできると良い。
演習問題のレポートをすべて期限内に提出することを、期末試験を受ける条件とする。

A4の方眼紙をノートとせよ: 授業は基本的に板書を中心に行う。
色鉛筆を用意する-------作図の理解に便利。
昨今は振替休日のため、月曜日の講義の回数が少なく、最後に時間がなくなって非線形制御の解説は手薄になりがち。冬休みなどに「基礎制御工学」の相当部分を自主的に読んでもらえるとありがたい。

本資料の更新版をはじめ、講義中の資料は必要に応じて、http://takafumikoseki.blogspot.com/ から入手可能なようにアップロードします。

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