2010年4月27日火曜日

第32回「交通ビジネス塾」 リニアモータ・磁気浮上の技術と軌道交通への応用の展望 についての補足資料 (5/1改訂)

連休の合間の夜にお集まりいただきまして、熱心な御討論ありがとうございました。
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■テーマ リニアモータ・磁気浮上の技術と軌道交通への応用の展望

2010年4月4日日曜日

総合科目人間環境一般「足からロケットまで---走る/飛ぶ/探る科学入門」(2010/07/07 改訂)

取りまとめ:工学部電気電子工学科 准教授  古関隆章
(URL http://www.koseki.t.u-tokyo.ac.jp,
e-mail: takafumikoseki AT ieee.org)
Skype: takafumikoseki
場所: 駒場キャンパス 118教室 金曜日5限(16:20-17:50)
科目コード 11740

標記講義を、駒場キャンパスにて開講します。ものを動かすことに興味のある人は、目指す専門分野を問わず広くご参加くださりますよう願っております。大学の 講義では細かく見ればわからないところがたくさん出てきますが、それはむしろ当たり前のことです。わからないことがあったことを、いちいち気にする必要は ありません。大切と思われることを、必要に応じて自分で調べ、あるいは教員に積極的に質問し、わからぬことをわからぬままに放置せぬ努力を忘れねば大丈夫 です。
人や物を効率良く運ぶことが、文明社会の成立に欠かせず、移動手段を提供する技術が、我々の生活の基本を支え、そして生活を楽し く豊かにするために大切です。実際、日常的な生活の中で、自動車や鉄道などの身近な交通は不可欠なものとなっていることを実感しているでしょう。人々は太 古の昔から、速くて、快適で、便利な移動手段を求めてきました。近年は、これに加えて、安全性への意識も高まっており、環境への負担の少ない交通、高齢社 会への移行に伴い「交通弱者でも移動の自由が奪われない」バリアフリーに対応した交通など、移動手段の「質」に対する要求もさらに高いものとなっていま す。このような様々な要求に応える「運ぶ」営みのために、電気や情報の技術が貢献できることは多く、交通における電気・電子・情報技術の役割はますます大 きくなっています。
本講義では、このような視点から、電気エネルギーおよび情報通信や計算機技術を積極的に用いて人や物を「うまく」運ぶ方法論を
--電気自動車、ハイブリッド自動車
--リニアモータ・磁気浮上超高速鉄道
--電気鉄道など軌道系の交通システム
--宇宙環境におけるロボットの移動技術
--エネルギー問題から見た交通と、グローバル環境への影響
を例に、オムニバス形式で2-3コマ程度で解説をし、高校や教養学部で習う物理や数学の延長上にどのようにこれらの技術が構築されているかをできるだけわかりやすく具体的に解説するとともに、最新の研究動向を紹介します。
(この研究に興味を持つ受講者には希望により研究室の見学なども可能です。熱心な文系の学生も歓迎するが、基本的には高校の理系科目選択者程度の物理、数学の知識を前提とした講義内容とします。)
古関隆章(こせきたかふみ 准教授 工学部)以外の講師陣:
大崎博之(おおさきひろゆき 教授 工学部)
堀洋一(ほりよういち 教授 工学部)
藤本博志(ふじもとひろし 准教授 工学部)
呉 世訓(オ・セフン 助教 工学部)
+JAXA 宇宙科学研究所 および東日本旅客鉄道株式会社からのゲスト講師 計4名

---H22年度の講義スケジュール----

(1) 4/9: 久保田 導入(宇宙と電気技術者)+宇宙研の紹介(1)
月惑星探査,探査ロボット(仮題)
講義紹介スライド(70kB)
久保田講師の講義スライド(暗号化圧縮ファイル 710KB)
40名近い皆様にお集まりいただきありがとうございました。

(2) 4/16: 古関 講義全般の紹介と成績評価についての事務的連絡  
エネルギー変換と電気駆動
第1回目に出ていただきましたほとんどの皆さん、講義に継続して熱心にご参加くださりありがとうございます!
古関の講義スライド(暗号化pdf 1.65MB)

(3) 4/23: 藤本 電気自動車の運動制御

(4) 5/7: 大崎 超電導技術と輸送の科学

(5) 5/14: 古関 電気車両駆動技術史;電気鉄道と電気自動車の類似点と相違

古関の講義スライド(暗号化pdf 7.9MB)

(6) 5/21: 林屋(古関) 環境に優しい公共交通機関としての電気鉄道技術

5/28 五月祭準備のため講義なし
 
(生産技術研究室の公開は翌6/4, 5 でした。

  誤解に基づく誤った情報を掲載いたしましたことをお詫び申し上げます。)

6/2の午後に本郷キャンパス工学部2号館を中心に、電気電子情報系の学科に関係する研究室のオープンハウスを行います。ふるってご参加ください。

(7) 6/4:
福地(古関研): 高速な鉄道運行の安全を支える技術----信号保安技術 (16:20-17:10)
 古関: 世界の鉄道の高速化技術 (17:15-17:40)

古関の講義資料スライド(暗号化 約4.1MB)

福地の講義資料スライド(暗号化 約2.1MB)

(8) 6/11: 古関 磁気浮上とリニアモータの技術の軌道交通への応用
           +レポート課題と提出についての打診6/15 期末レポートについての重要情報を出しましたので、末尾の記述にご注意ください!

古関の講義資料スライド(暗号化 約3.4MB)

(9) 6/18: 呉 電動駆動で人間の足を作るには

(10) 6/25: 堀 「ちょこちょこ充電しながら走るクルマ社会へ」

(11) 7/2: 坂井 人工衛星の動かし方&作り方 人工衛星 姿勢制御 小型衛星 フォーメーションフライト +宇宙研公開情報

(12) 7/9: 橋本 宇宙研の紹介(2)+宇宙探査機は電気で動く
~小惑星探査機「はやぶさ」も電気で動く~
講義資料をここから入手(PW付き 約 10MB)
(13) 7/14: 林屋(古関)電気鉄道の環境性を支える電力技術の最新動向
+レポート課題と提出についての確認(古関)

講義資料で電子ファイル配布があるものは、このページからDL可能なようにします。ファイルにはPWをつけアクセス制限をかけることがあります。

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重要:

本講義の成績評価の主たる部分は以下のレポートの評価結果に基づき行います。

(6/11にこのアナウンスを出すのは、期末試験期間に入る前に十分な時間的余裕を持ってレポート作成をしたいという方のご要望に答えるためです。)

レポートを、以下の要領でe-mailで提出してください。成績評価は、レポート採点結果と講義への出席回数を総合し、厳正に行います。

[1] 締め切り

すべての履修者: 2010/08/01 (Sun) 21:00 JST
==> レポートの受付を締め切りました。すべての提出者にはすでに受け取りの確認の連絡をしたつもりですので、おかしいと思った方は至急古関宛takafumikoseki AT ieee.orgにご連絡ください!

[2] 提出先 pdfのe-mailの添付ファイルとして takafumikoseki AT infoseek.jp あてに 
(古関から受け取り確認のメールを返しますので、その確認の連絡が2-3日以内に来ない場合には古関まで(別アドレス: takafumikoseki AT ieee.org)確認のご連絡をお願いします。)

[3]提出に関する技術的注意と参考情報
ワープロなどは任意ですが、 フリーのopenoffice.orgを用いれば、数式を用いた文書もpdf化も含めすべて簡単に処理できます。(ちなみにこのページや教材の作成は、 OSすらWindows環境ではなく、Ubuntu上のソフトですべてを行っています。)
google docs、zohoなどを用いても図入りの文書作成とpdf化は可能です。(ただし、数式作成機能はありません。)
また、任意の文書ソフトからの pdf化もフリーのツールで可能です。
大きいファイル(数百 kB以上?)をメールに添付することは避けてください。そのような場合には Dropsend  http://www.dropsend.com/ などをご利用ください。


[4] レポート課題

課題名:  (課題1. )  ○○○○
学生証番号: ○○○○    提出者氏名: ○○○○ とコメントを返すためのメールアドレス
関係講義テーマと採点希望教員: ○○○○ (末尾の参考資料から選択)

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課題1: 参考資料にある講義課題に関係するキーワードを選び、自分の興味のあるテーマを1つ設定し、それに関して、単なる調査ではなく必ず自分の意見を入れて、 A4 レポート用紙で、6ページ以内で論じてください。

(調査・参考した資料については、末尾に参考文献リストを記載し明示してください。参考文献の上手な挙げ方も評価対象になりえます。)

課題2: 本講義の良かったところ悪かったところを忌憚なく御指摘ください。特に、来年度以降の講義の改善に役立つような、積極的批判、ご意見を期待しております。
(講義時間帯、講義の進め方、教室、話題の選択、成績評価の方法など、気づいたことは何でも遠慮なく指摘してください。教員に対して厳しいことを書いたから、成績評価が悪くなることはまったくありません。遠慮なく有用な意見を述べてください。)==>ただし、匿名性を持たせるため、このブログページへのコメントの形でご記入いただいても結構です!

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参考資料:本年度の講義の担当教員とキーワード
(足からロケットまで の順で!)

呉 電動駆動で人間の足を作るには

藤本 電気自動車の運動制御
堀 「ちょこちょこ充電しながら走るクルマ社会へ」

古関 エネルギー変換と電気駆動
古関 電気車両駆動技術史;電気鉄道と電気自動車の類似点と相違
古関: 世界の鉄道の高速化技術
福地(古関研): 高速な鉄道運行の安全を支える技術----信号保安技術
林屋 環境に優しい公共交通機関としての電気鉄道技術
林屋 電気鉄道の環境性を支える電力技術の最新動向

大崎 超電導技術と輸送の科学
古関 磁気浮上とリニアモータ技術の軌道交通への応用

久保田 月惑星探査,探査ロボット
坂井 人工衛星の動かし方&作り方 人工衛星 姿勢制御 小型衛星 フォーメーションフライト +宇宙研公開情報
橋本 宇宙探査機は電気で動く

電気電子工学科 学部3年生「電気機器学基礎」 (2010/06/23改訂)

電気機器学基礎の講義は、月曜日の 10:15-11:45@245号教室で行います。本年度は4/5開講です。

昨年度効果的であった講義のやり方を踏襲し、出席調査がわりの簡単なレポート課題を出題します。毎週このブログを良く見てください。

----本学期の講義予定----
回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2010/04/05 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性、電気機器学の学問としての位置づけ

初回の講義に大勢お越しくださりありがとうございました。
本日のスライドのデータ、講義での説明の通り、暗号化してここから入手可能にしましたので、ご覧ください。来週は入学式のためお休みです。19日に再度お目にかかりましょう。
<==スライド配布資料の文字が見えないというご指摘がありました。そのために、みにくかった手書きの数式部分の補足説明ファイルをここに置きます。

---第1回目のレポート課題(4/19提出)---
電気エネルギー機械変換がわれわれの生活や産業界の世界で果たしている役割を述べよ。他の動力発生方法と比較して、電気機械による動力発生の優れている点、劣っている点は何かを考えそのことと関係付けて論じてみよ。(A4レポート用紙半ページ程度で短く回答してください。レポートの最初に、学生証番号、氏名と提出日を明記してください。)

<==引き続き4/26にも提出を受け付けます。 最初のレポートを拝見して:  第1回目のレポートを見て、何について論じているのか表題も無くいきなり書き始めているものが多く見られました。講義レポートといえども「読み物として完結」している必要があるでしょう。
 (1) 学生証番号/氏名
 (2) 表題(講義レポートの場合には問題文の再掲でも良い)
 (3) 内容(事実と意見コメントなどは明確に分けて書くのが良い)
 (4) (必要に応じ)参考文献リスト、参考資料の出典
などの基本的事項が、たとえ短い報告書であっても形式的に明確に示されている必要があると思います。

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2) 2010/04/12 月 入学式のため休講

3) 2010/04/19 月
電気機械の種類と分類、電気機械エネルギー変換の物理的基礎、思考の上手な手抜き:磁気回路法によるモデリング
次週以降の講義の順番を多少変更します。
第二回のレポート課題(4/26提出)はここからご入手ください(再訂正版)!(巻線抵抗rの定義がなされていないというご指摘があり4/22深夜に差し替えました。<==さらにお詫びと訂正: 既にいただいたレポート中で、問題文の重要な誤植(磁気抵抗のインバースの上付文字が書き落とされていたこと)が指摘されておりましたので訂正版に差し替えます。これに起因する採点上の不利は無いようにしますが、磁気抵抗に関わる次元が矛盾したままの答案が多くなってしまいましたので、今後の物理的な正しい理解のために御注意ください!)

4) 2010/04/26 月 直流機
直流電動機と発電機、同期機の特殊形としての直流機

5) 2010/04/30 金(月曜扱いの振替日)  直流機の結線の種類と特性の比較 

------第3回目の演習問題(5/10提出に変更しました!)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名 

(1) 直流電動機、直流発電機の電機子巻線の定常状態の回路方程式を示し、それに基づき直流機におけるエネルギーの流れを説明せよ。

(2) (必要に応じて参考書などの記述を参照しつつ)他励直流機の界磁巻線(field winding)、電機子巻線(armature winding)の結線方法を図示し、(1)で示した回路方程式に基づき、その結線をした場合の発電機(generator)としての負荷特性(回転数一定、界磁電流をパラメータとし、横軸--負荷電流、縦軸--電機子電圧の関係を示すグラフ)、および電動機(motor)としての負荷特性(電機子電圧を一定、界磁電流をパラメータとし横軸--機械トルク 縦軸--回転数の関係を示すグラフ)を描いて簡潔に説明せよ。

補足説明:4/30の講義中の最後に質問のあった他励直流電動機(motor)の負荷特性(電機子電圧を一定、界磁電流をパラメータとし横軸--機械トルク 縦軸--回転数の関係を示すグラフ)についての質問は、ご質問者の誤解に基づくもので、トルクの式を用いて電機子電流I_aを表現し、それを電機子巻線の回路方程式に代入して、I_aを消去しトルクと、界磁電流および負荷トルクの式を書くことで、講義で示したような綺麗な直線の特性が得られることをご納得いただきました。
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皆さん良い連休を!

6) 2010/05/10 月 直流機の特性のまとめ+ 誘導電動機I

------第4回目の演習問題(5/17提出: 5/13修正)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

(1) (必要に応じて参考書などの記述を参照しつつ)分巻直流電動機および直巻直流電動機の界磁巻線(field winding)、電機子巻線(armature winding)の結線方法を図示し、その回路方程式に基づき、これらの結線を施した場合の負荷特性(電機子電圧を一定として、横軸--機械トルク 縦軸--回転数の関係を 示すグラフ)を描き、その動作特性を簡潔に説明せよ。

(2) 誘導電動機について(5/13追記)
三相対称交流の復習と進行波形成の確認
V_1(x,t)=V_0 cos(x)*cos(wt)
V_2(x,t)=V_0 cos(x-2/3*%pi)*cos(wt-2/3*%pi)
V_3(x,t)=V_0 cos(x+2/3*%pi)*cos(wt+2/3*%pi)

この3つを重ねあわせた V_total(x,t)=V_1+V_2+V_3
が進行波となることを示せ。 図として表現する方法についてはこちらを参照

(3) 自習のために
誘導機の単相等価回路を示せ。(図示して簡単な説明を付け加えるのみでよい。)

[参考] 誘導機の定常特性は変圧器に似た単相等価回路を用いて議論され、特性測定法などもそのモデルに基づいて決められているが、その等価回路自身の導出は必ずしも自明ではない。講義ですべて説明するには分量が多すぎることもあり、講義の中では説明を省略する。その詳細な導出過程については
この記述を参照せよ。この資料では、5.3.61式までで、三相交流により進行波=回転磁界が形成されるという基本から単相回路回路の導出を説明している。

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7) 2010/05/17 月  誘 導電動機II
交流における 電気機械エネルギー変換入門 :(回転系を中心とした)古典力学と電磁気の復習、思考の手抜きの技術としての電気回 路、多相交流、三相巻線と進行磁界、回転磁界の数学的表現方法、力とトルク、その物理的意味、誘導機の原理と特長、誘導機の構成

------第5回目の演習問題(5/24提出: 5/18出題)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

(1) 端子電圧と一次電圧が一定のときの誘導機の速度、トルク特性の典型的な概形を示し、同期速度、臨界トルク、始動トルク、定格動作点、すべりなどの主要な用語を、そのグラフとの関係の中で説明せよ。

(2) 講義の中では直接説明していないが、誘導電動機の二次側(回転子)の構造には、巻線形二次導体、かご形二次導体がある。参考書、WEBの記述などを参照し、それらの構造上の特徴と長短を説明せよ。

(3) (予習)参考書などを参照に、誘導電動機の定常特性を表現する1相あたりのT形等価回路を書き、変圧器の等価回路との類似点、相違点を説明せよ。
(ヒント:この等価回路の二次側回路において、二次回路の抵抗によるジュール損と機械出力が各々どのような形で表現されているか?)

8) 2010/05/24 月   誘導電動機III (項目を整理しました!)
変圧器と誘導電動機
誘導電動機の原理と等価回路(=T型、π型等価回路)
等価 回路に基づく特性計算

------第6回目の演習問題(5/31提出 5/24出題)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

[1] 誘導機の単相あたりの等価回路を図示し、この回路の二次電流をテブナンの定理を用いて簡単に計算する手順を示せ。そして、その手法を用いてギャップを介して二次側に伝達される電力を計算せよ。また、この電力の物理的意味を講義ノートを参照して説明せよ。

[2] 予習:誘導機等価回路の式を用いて、一次周波数一定の電圧源で駆動される誘導機のトルク--すべり特性(あるいはトルク--速度特性)が、二次抵抗を変化させることでどのように変化するかを説明せよ。この性質を利用し、巻線形誘導機の始動時の円滑な加速のために、どのような工夫がされるか。

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9) 2010/05/31 月 誘導機IV
モデル同定のための測定法
誘導機の種類とエネルギーの流れ、円線図を用いた特性の表現
誘導機の始動法と制御

------第7回目の演習問題(6/6提出 5/31出題)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)

所属学科/学生証番号/氏名 

[1] 誘導機の単相T形等価回路を書き、(実験書や参考書の記述を参照しながら)この等価回路の定数を定める(=モデル同定)のための、基本的な試験法とその測定結果を用いた定数の具体的算出方法を簡潔に説明せよ。

[2] (参考書やウェブの関連ページなどを参照しつつ、)講義で簡単に触れた誘導機の円線図の概形を描け。ただし、一次側抵抗値は近似的にゼロとして良い。特に、s=0, 1, ±∞の動作点が、その円上のどこに位置するか記入し、その動作点の意味を説明せよ。

[3] かご形二次導体を持つ誘導機の場合、「比例推移特性」を生かし始動の円滑化を図るために、どのような原理/方法が用いられているかを説明せよ。

10) 2010/06/07 月  同期機I
(誘導機補遺:空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)) 
三相巻線と同期発電機の原理

------第8回目の演習問題(6/11出題 6/14の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名 

(1) 小電力用単相誘導モータにおいて、どのようにして回転磁界を得るかという点を中心に、その原理と方式を説明せよ。

(2])交流巻線の空間高調波低減方法について述べ、巻線係数の意味を説明せよ。

11) 2010/06/14 月   同期機II
構造と分類, 同期機の機能, 電機子反作用

------第9回目の演習問題(6/16出題 6/21の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名 

(1) (参考書を参照しながらの予習:)同期発電機(円筒機)の準定常状態における1相あたりの等価回路を示し、負荷の力率が1である場合の、内部起電力、端子電圧と、負荷電流、電機子巻線抵抗と同期リアクタンスによる電圧降下の関係をフェーザ図を描いて示せ。

(2) 上と同様に、負荷電流の力率がゼロ(遅れ負荷電流、進み負荷電流の場合のそれぞれについて)フェーザ図を描け。ただし、この図では電機子巻線抵抗は十分小さく無視できるとしてよい。これらの図から進みの負荷電流をとる場合には、電機子反作用が増磁作用になることを説明せよ。


12) 2010/06/21 月 同期機 III  電機子反作用、特性のモデリング

最初に説明をした、負荷電流が力率1および力率0(電機子反作用による減磁作用、増磁作用)のフェーザ図でおいていたモデル簡易化のための仮定は

(1) 電機子巻巻線の抵抗 r_aは無視できるほど小さい、
(2) 同期リアクタンスX_sの中で、漏れリアクタンスはきわめてわずかで、同期リアクタンスのほとんどは電機子反作用リアクタンスであると考えてよい、
の2つでした。(講義後に、質問に来た方から、あとの説明との関係が明確でないという指摘がありました。良いご質問ありがとうございました。)

------ 第10回目の演習問題(6/23出題 6/28の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名

(1) 6/21の講義ノートを復習し、円筒形同期発電機のフェーザ図の描き方を確認せよ。(これは特にレポートに記載する必要はない。)そして、同期発電機の(準)定常状態を表現する単相等価回路を描き、内部起電力、電機子反作用の影響を考慮するために等価回路の中に含める同期インピーダンスとして考慮する各インピーダンスについて簡単に説明せよ。

(2) 参考書の該当する記述を参考にしつつ、突極機のフェーザ図を描け。また、突極機において、直軸リアクタンスと横軸リアクタンスが一般に異なる値をとるのはなぜかを簡潔に説明せよ。

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13) 2010/06/28 月 同期機IV
測定法、 発電機と力系統 トルクの発生原理、

------ 第11回目の演習問題(6/29出題 7/05の講義時に提出)------
(必 ずしも問題文を書き写す必要はないですが、レポートには何について論じているのか、テーマを最初に書くことが必須です。)
所属学科/学生証番号/氏名

(1) (参考書のp142ページなどの記述を参照しつつ)同期電動機の界磁電流を調整することで電機子電流の力率が調整できる原理を説明せよ。同期機のV特性といわれるグラフを示し、その原理を説明せよ。

(2) 6/28の講義で扱った電力の式に基づき、(電機子巻線の抵抗が十分小さいという前提のもとでの)突極機のトルクの式を示せ。その右辺第二項を積極的に利用したモータをリラクタンスモータという。リラクタンスモータの長所と欠点を述べよ。

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7/5の講義は最後のコマとなるため、板書を行う時間が十分にないことが予想されます。
そこで、この講義ノートを投影する形で説明を迅速に進めたいと思います。
(約400kB PWつき 初回の講義で通知したとおり、k####0です。)

7/12を休講とせざるをえないため変則的な加速を伴う進め方となりますことをお詫び申し上げます。

14) 2010/07/05 月
同期機補足:
同期発電機の並行運転 同期電動機の種類とその特長、同期電動機: V特性と同期調相機
パワーエレクトロニクス入門 I
パワーエレクトロニクス入門I: パワー素子、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, 自己消弧能力を持たない素子と転流回路


15 ) 2010/07/12 月  パワーエレクトロニクス入門II
高調波問題と解析法, 自己消弧能力を持つ素子とPWM,
ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ

+電気駆動制御と座標変換
制 御 同期機の原理と直流機の関係
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、制御と電気機器の一般理論?
制御工学との関係:定常現象と過渡 現 象、産業応用の話題(電機駆動とモーション制御)、
機器設計に伴う諸問題==> 電磁界数値解析(上記リンクの説明のみで概ね斜字で示したこの発展部分は省略とします。)

休講予定: ==> すみません。
講義の進度に応じ、適宜補足説明をこの部分に掲載する予定です。

電気機器学基礎の講義の範囲を超えますが、4年夏学期の堀教授の「モーションコントロール」の講義などで習う、回転機械の一般的な座標変換を用いた永久同期形モータの「速い制御」の考え方をまとめた資料を、参考のためここにご提供します。この資料では、制御および過渡現象のシミュレーションを、MatlabのSimulinkというツールを用いて、古典的な電流フィードバック制御器、速度フィードバック制御器、位置フィードバック制御器を順を追って設計する方法をまとめています。

16) 2010/07/22 木 13:00-14:40  期末テスト
自分で書いたA4の紙1枚持ち込み可能

--- 本年度教科書指定---
「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)

---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>

☆☆☆ 電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」

藤田:「電気機器」 森北出版
(amazonでは5つ星がついています!)

<一般的なもの>
☆☆☆☆☆:(株)日立製作所総合教育センタ技術研修所編
「小形モータの技術」 オーム社
メーカのエンジニア養成を目的に書かれていますのでわかりやすく実用的です。電気自動車や有限要素法による特性計算の話題までカバーしますので、基礎的な知識を広く身につける意味でお薦めです!

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」

仁田他: 「大学課程 電気機器(1)」 オーム社
(これは昨年まで準教科書として用いていた書籍です。現在、名誉教授の仁田丹三先生が、数理工学社から出版予定の教科書を執筆準備されています。)


<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
☆☆☆:坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版

英語で基礎的なことが良く書かれている本(これは古関が大学院生の時に輪講のために購入したものですが、現在では入手が困難になっているようです。)
☆☆☆☆:
Fitzgerald/Kingsley/Umans: "Electric Machinery" International Student Edition, MacGrawHill