このページでは、原則として、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授 古関隆章 が大学で行う、講義および演習に関する補足的情報提供をいたします。その講義についての重要連絡の妨げにならない範囲で、時に個人的な情報発信もしたいと思います。
2006年11月27日月曜日
メールの対応が遅いことのお詫びと近況報告(楊助教授を囲んで)
先週は、ICEMSが長崎で開かれたこともあり、多くの関係者が日本を訪れました。古関自身も同会議の実行委員でありながら、この5月以来の病気のために、実質的な貢献が何も無いまま、会議当日も出席できずに、発表の代理を大学院生にお願いするという情けない状態でしたが、会議が成功裏に開催されたことをまずはお慶び申し上げます。
本研究室の最初の博士課程修了者である楊中平君(現在北京交通大学助教授)はじめ、先週は多くの訪問者がお見えになりました。電磁環境の委員会で会場の連絡を間違えるなど、自分自身の余裕のなさも感じざるを得ない日々で、いろいろな記録の取りまとめやメールへの返信ができておりません。不手際をお詫び申し上げます。
楊君を囲む会を週末に開き、研究室の卒業生が数人集まってくれました。それぞれが立派に社会に出て活躍している様子を聞かせてもらえるのは(自分自身がお酒を飲めないのが残念ではありますが、)何よりもうれしいことです。
制御工学第二: オブザーバと分離定理 (お詫びと12/4の予告)
制御工学第二 最適LQRのフィードバック則最適性の簡易証明
2006年11月19日日曜日
制御工学第二 第2回演習プリント(12/18提出締切)12/11誤記修正!
提出は12/18の講義開始時にお持ちいただくということにします。実験・演習など課題がいろいろあって大変な時期だと思いますが、頑張ってやってみてください。講義では直接扱わない最小次元オブザーバの簡単な設計練習も、ここで11/15にアップロードした資料などを参照しながら、試しに経験してみてください。(リンクを11/27にはりなおしました!また、既に演習を始めた人からの指摘により、[1]の誤植を12/11に訂正しています。)
2006年11月15日水曜日
制御工学第二 状態推定器(オブザーバ)および多項式法に関する説明資料
2006年11月13日月曜日
制御CAD演習 EA3 前半Gr最終レポート提出の期限
2007年1月10日(水曜日) 午後5時 @電気系事務室レポート提出用ポスト宛てに提出
を締め切りとします。
履修者は、5, 6日目の課題プリントをベースにして、レポート作成に励んでください。
(個々の能力とやる気に応じて、自由課題を設定し検討を広げてくださることを歓迎します!)
制御工学第二講義予定(11/13修正版)
制御工学第二の講義は10/30版の予定からさらに進行上の遅れを生じています。10/30修正・公開の予定表を再修正し、今後の予定をお 示しします。
まずは、11/27のレポート提出よろしくお願いします。
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制御工学第二講義予定
(01) 10/02 序論:夏学期の復習、本講義の扱う内容と制御工学全般における位置づけ、参考書について
10/09 (休日)
(02) 10/16 状態空間におけるシステムの取扱(1): 状態変数と状態方程式の考え方
(03) 10/23 状態空間におけるシステムの取扱(2): 実現問題、ラプラス変換との関係
(04) 10/30 状態空間におけるシステムの取扱(3): 状態遷移行列、時間応答シミュレーション
(06) 11/06 状態空間におけるシステムの取扱(4): 線形系における安定性判別、可制御性と可観測性、状態フィードバック概論
(07) 11/13 状態空間におけるシステムの取扱(5):状態フィードバック、極配置法、演習出題、最適制御の考え方とLQRの意味
(08) 11/20 状態空間におけるシステムの取扱(6):最適制御、 状態推定、システム同定
(09) 11/27 ディジタル制御(1): 第1回演習課題提出、第2回演習課題出題、空間量子化と時間量子化、サンプル動作の数学的表現、サンプリングを含む系とZ変換
(10) 12/04 ディジタル制御(2): ディジタル系安定性判別、ディジタル系のアナログ近似、演習出題
(11) 12/11 ディジタル制御(3): 有限整定とデッドビート応答
(12) 12/18 状態推定法、ディジタル制御演習
(13) 01/15 非線形制御入門(1)
(14) 01/22 堀教授特別講義: 外乱オブザーバとロバスト制御の話
(15) 01/29 非線形制御入門(2)演習出題
( ) 02/05 期末テスト?
2006年11月8日水曜日
意図せぬ講義延長のお詫び
来週の講義も古関が進行を担当させていただきますが、同じ間違いを繰り返さぬよう努めますのでよろしく御願いします。会社の経験に基づく非常勤講師の先生の示唆に富むお話ですので、積極的に質問をして、貴重な機会を生かして欲しいと思います。
自分の名前をYahooで検索したら...
自分の名前で検索をかけたら、数年前に教養学部で行っていた物理学の講義に対する学生による非公式評価が出てきて、驚きました。恐ろしい時代になったものです。黒板の字が汚いと書かれていたので気をつけようと思いますが、まあ、字の汚いのは直らないでしょうね。
制御工学第二 平成18年度第1回演習問題
2006年11月6日月曜日
F君のアクチュエータの次の展開
金博士のTAの新提案から派生して考えた
F君の二号機のアイデア
(可動子構造強化部に、位置センシング、配線補助
の機能を持たせたもの)
残念なことに、Halbach磁石が持つ内部応力に、磁石を装着していた接着剤の力が勝てずに、前述の1号機については、虎の子の試験機を破損するという不幸を最近経験しています。
この後の新しい試験機の設計を、金博士のTAの構成を拝借して応用する形で行っていくのか、空心コイル+Halbach磁石配列のアイデアを引き継ぐ形で行うのかは未定です。もし後者でいく場合には、金博士がTAで新たに工夫された、構造強化部と類似の構造を持つ構造強化体を、空心コイル可動子の補強に用いる下図のようなタイプがよいのではないかと思います。詳細検討ができていないので、現段階では論文の形で成果公開ができませんが、そのアイデアは以下のようにしたいと思っています。
上図のように、可動子の構造強化部に、その側面を利用して、電源の配線や位置センシングなどの機能を搭載することで、システム全体としての小型化、軽量化に寄与するような構成ができれば良いと考えます。
このアイデアは、これまでもF君の奨学金申請や審査のために必要なところでは説明していたので、そういう意味で既に「公知の事実」ですが、これまでは、金博士の新しい提案のビジネス上の展開を阻害せぬよう、議論を一般の場で行うことは控えてきました。しかし、すでに、アイデアの元になっている構造強化部の構成を展示会で金博士が公開されたため、大手を振ってこの提案を皆様にお示しし、今後の研究開発のために御意見をいただくことができるようになりました。
今後、F君中心に具体的な検討を進め、何ヶ月か後の学会や展示会での議論に載せられるようになると良いと、JIMTOFでの展示者の熱意を感じて決意を新たにしました。
(といってもJIMTOFは大変人が多かったので、疲れてしまい、あまり多くの展示を見て回ることができなかったのは、病後の体ということで、自ら情けなく思った次第です。)
古関研での研究への金弘中博士の御支援
私達は、金博士からは多大な御支援をいただいています。古関研では、10/4の記事でも書いたとおり、熊本先生が提唱された二関節筋の機能をもつアクチュエータを、永久磁石形リニア同期モータとして実現するための基礎研究をしています。これに関係して、前出のF君が1年かけてアイデアを提案し設計、製作をした、Halbach磁石を可動子に持つ空心形リニアアクチュエータが、金博士の積極的なご支援のもと、ようやくその基礎特性を測定するまでにいたりました。
JIMTOFでの展示の様子と金弘中博士
今回は、先端的なモータ制御技術、産業用ロボットと工作機械の大手として有名な「黄色い会社」のF社の展示ブースが大変盛況でした。学生実習でS君がお世話になったK博士、M取締役から、モータドライブ、リニアモータ技術の応用の最新の研究成果、開発状況についてお話をうかがうことができました。
H研究所のTAで有名な金博士も、最新の成果を公開すると張り切って、静岡理工科大学の展示ブースで自慢のTAの紹介を大変熱心にされていました。その金博士の御紹介で、古関の病気後長らくお目にかかる機会の無かった、JSTのK博士とも久々にお目にかかることができ、うれしく感じました。K博士は、リニアドライブ、モータ制御技術の工作機械など産業応用を常に支持する活動をしてくださっていますので、これからわれわれの研究活動も、肯定的に見ていただけるよう、努めねばと決意を新たにしました。
金博士の最新成果は、永久磁石の可動子が軽く作られているため、構造的には弱い部分もあったのを、中央に「垂直尾翼」のような強化構造体をつけることで、本来のTAのメリットを損なわぬままに、構造の強化、大型化を図るもので、今回の展示会でも、その熱意が稔って多くのエンジニアの注目を集めていたようです。
JIMTOFを見学して
5月の病の後は、大学以外への外出は努めて控えてきたのですが、1年に1度の最新技術動向を学ぶ機会を逸するわけには行かないので、少し無理をして、11/2木曜日に、研究室の博士課程のF君、修士課程のS君とともに工作機械の見本市JIMTOFの見学に行きました。
WEBで登録していたにも関わらず、いきなり入り口で1時間以上の入場待ちとなり、大変な繁盛でした。これらの技術を支える、電気エネルギーコース、電気系の学科の大学における人気はここ数年低調といわざるを得ないのですが、産業界における関係分野のこの熱気との間の大きな乖離が、不思議に思われます。
11/5の制御CAD演習を終えて
演習6の記載に10/30の正誤表にあるような、制御器の伝達特性の式に誤植があり、ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
本日出していただいたレポートを採点して、既に演習中に個々にコメントを返しましたが、全体として下記の<非常に初歩的な>問題点をもつ報告書が多かったと思います。次回からのレポート作成(本科目のみならず他の実験なども含めて一般的に!)では読む意味のあるレポート(=自分自身でまとめる意味のあるレポート)を書けるよう、一般的に共通してみられる問題点として以下の点に留意してください。
- 計算機演習共通の問題だが、アナログの対象の例題を扱っているにもかかわらず、有効数字の概念が抜け落ちている。
- 計算結果や、計算の過程を示すソースコードは記載されているが、考察、議論がきちんと書かれていない。
- 計算結果のグラフは、デフォルト設定で出力したままを印刷しているだけで、ゲイン余裕、位相余裕などを、どこで具体的に読み取ればいいのかなど、注目すべき点に関する記載や、そのために必要な目盛りをグラフに加えるなどの、読み手の立場に立った配慮に欠けていて、計算結果の取り扱いがぞんざいな感じがする。
- 日本語として意味不明な記述をしている人もいる。
- 複数の曲線をグラフに描いているときに、設定条件とその曲線の対応関係が明示されていないグラフがあった。
- シミュレーションを繰り返しながらゲインの探索をする部分で、どのような方法論で解答に近づいて言っているのかが明示されていない。(単なる試行錯誤でもよいが、その過程でも何らかの合理的な判断をしているはずなので、そのことを記録しておくべきであろう。)
- カラーのグラフをグレースケール化したときに、見えなくなってしまったものをそのまま載せているのは、レポートとして明らかな不備である。
- ソース、コードには、最低限、プログラムの目的、コードをした日付、変数の定義、主たる機能の定義などの説明的な記述を入れておくべきである。
当方の誤植を指摘してくれたことも含め、とてもよくできていると思ったレポートが2件ありました!!
2006年11月5日日曜日
The paper for the COE-workshop at the Dept. EE UOT, submitted by KOSEKI
“Hybrid Magnetic Levitation Control Based on Fuzzy Model for a Contactless Servo-Actuator”
The paper “Hybrid Magnetic Levitation Control Based on Fuzzy Model for a Contactless Servo-Actuator” prepared for COE-workshop at the Dept. EE, UOT is available here.