「電気機器」
冬学期 1時限目 (09:00-10:30)
[1] 履修条件
高校および大学の理系の教養課程で物理学の基礎としての力学(剛体の力学を含む)および電磁気学を習得していること
複素インピーダンスを用いた交流回路計算法を含む基礎的な電気回路理論を習得していること
複素数、三角関数、簡単な定係数線形微分方程式やラブラス変換を用いた簡単な計算ができる数学的基礎を有すること
インターネットを通じた定期的情報取得が可能な環境とPCリテラシィを有していること
[2] 授業概要
電力システムの発変電の基本、電気自動車、鉄道車両や工作機械、ロボットなどの運動制御の基礎となる電気-機械エネルギー変換の基本的な仕組みと理論を学ぶ。
また、電気機械の理解を通じて、複雑な物理現象の本質を簡易に扱う「電気技術者の思考テクニックとしての等価回路に基づく考え方を修得する。
[3] 授業計画
1) 2011/09/22 はじめに
講義/学習の進め方
電気-機械エネルギー変換、交流と直流、多相交流
電気-機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性
電気機械の種類、静止器と回転機、エレクトロニクスとパワー
第1回レポート課題をここから入手(9/29の講義開始時に提出)
第1回の投影資料をここから入手(PW付き 約8MB)
2) 2011/09/29 交流における電気エネルギー変換・電気機械エネルギー変換入門
古典力学と電磁気の復習: 電気機器学の学問としての位置づけ
第2回レポート課題をここから入手(10/06の講義開始時に提出)
3) 2011/10/06 電力の計算と交流回路、単相電力と三相電力の考え方
第3回レポート課題をここから入手(10/13の講義時に提出 <==「10/27に簡単な解説をするのでその直後に出しても良い。」として変更した。)
磁気回路計算の基本的復習と、次回解説する変圧器の原理の予習を兼ねてやってみてください。
また、三相交流を用いるもう一つの大きな理由である、三相対称交流と進行磁界/回転磁界の関係については、こちらをご参照ください。
4) 2011/10/13 三相交流と電力、三相交流と回転磁界 変圧器
(基本構成、機能と理想変圧器)
第4回レポート課題をここから入手(10/27の講義時に提出)
##) 2011/10/20 休講
5) 2011/10/27
変圧器:実在の変圧器の等価回路表現と基本的測定法、電気材料
変圧器の性能(百分率インピーダンス、電圧降下、 三相結線法など)
第5回レポート課題をここから入手(11/10の講義時に提出)
6) 2011/11/10 誘導機 I
誘導機の原理と特長 誘導機の構成、変圧器と誘導電動機
誘導電動機の原理と特性表現法(=T型、π型等価回路)、
等価回路計算のための準備(鳳-テブナンの定理の使い方)
第6回レポート課題をここから入手(11/17の講義時に提出)
古関が執筆した誘導電動機に関する基本的解説(オーム社のハンドブックの元原稿)
7) 2011/11/17 誘導機 II モデル同定のための測定法
等価回路の導出と特性計算、誘導機の種類とエネルギーの流れ、誘導機の始動法
第7回レポート課題をここから入手(11/24の講義時に提出)
8) 2011/11/24 誘導機 III: 誘導機の試験法、 空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)
第8回レポート課題をここから入手(12/08の講義時に提出)
9) 2011/12/01
直流機概説I: 直流電動機と発電機
直流機と同期機入門: 同期機の特殊形としての(他励)直流機
10) 2011/12/08直流機概説 II
エネルギー保存則とモータ定数
運動制御のアクチュエータとしてのモータの特性とその基礎モデルとしての電機子の回路方程式
アップロードのタイミングが遅くなったため、12/15提出予定のレポートはお休みにし、冬休みの宿題とします。すみません。
11) 2011/12/15 直流機概説III 同期機入門
直流機:他励と自励の結線方式と、電動機および発電機負荷特性
同期機I :機能上の分類と構造上の分類
第9回レポート課題をここから入手(12/22の講義時に提出)
12) 2011/12/22 同期機 II
同期発電機
回転数と周波数/界磁と電機子/電機子巻線誘導起電力/漏れ磁束/
自励式直流発電機に関する補足説明
直流分巻発電機が自励で電圧を発生できるのは、その磁極に残留磁気があるからである。また、その電圧が安定するのは、端子を開放した状態で測定できる界磁電流に対する電機子開放電圧(端子電圧)特性曲線と界磁回路の抵抗による電圧降下を表す界磁電圧-電流特性直線とが交点を持つからである。もし、前者が飽和しなければ、無負荷電圧はどこまで上昇するかわからない。
第10回レポート課題をここから入手(01/12の講義時に提出: 提出は表裏1枚としていただくことを原則としますが、技術的にそれが出来ない場合には、2枚目に必ず学生証番号と氏名を記入してください。)
13) 2012/01/12
下記の積み残し項目をすべて1時間で話すのは無理なので、上記の10回レポートをやりながら、フェーザ図と等価回路、特性計算、無効電力補償(力率調整)の原理、同期機のV特性、突極性トルク(リラクタンストルク)とリラクタンスモータの原理(12/22の講義で訂正的には説明済)に関して、重点的に予習していただくことをお願いします。
同期機 III: (公式講義日程最終日)
講義アンケートの実施
フェーザ図と同期機の特性表現/同期発電機の特性
単位法、短絡比同期発電機の出力特性
同期電動機:
等価回路/出力/V特性/乱調/始動法と速度特性/損失と効率
+期末テストに関するアナウンスと試験準備に関する助言
今後の学習のために---同期機に関する補足おおよびパワーエレクトロニクスの入門的解説はこちらでご覧ください。
14) 期末テスト 2011/01/26
表裏に任意の手書きの記述のある白いA4の紙1枚のみ持込可
[4] 評価方法
(インターネット経由で講義後毎週出題する)小レポートの講義開始時の毎週の提出(40%)と期末テスト(60%)
[5] テキスト 参考文献など
---教科書指定---
仁田・古関: 電気機器学基礎 (数理工学社 新・電気システム工学 \2500)
---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>
「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版
藤田:「電気機器」 森北出版
森北出版 松井「電気機器 (基礎からの電気・電子工学)」
電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」
<一般的なもの>
電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」
<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版
[6] 授業外の学習活動 特に無し
[7] そのほかの特記事項 特に無し
[8] 参考URL
古関のブログ:講義に関する情報、補足資料やレポート課題をここから御入手願います。
http://www.takafumikoseki.blogspot.com/
[9] 参考資料
上記のリンクから適宜入手してください。
[10] 履修者の皆様への備考
本ページは演習の出題なども含め、適宜更新されますので注意深く頻繁にご覧ください!
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