古関の拙い講演をお聞きくださりありがとうございます。その際の資料(暗号化pdf)こちらにてご覧ください。なお、6/4に、講演時のご指摘を反映させたものに版を改めております。
ご聴講とご指導ありがとうございました。
------------
2018/06/01 技術講演
「次世代の公共交通システムードライバレス自動運転実用化への挑戦ー」配布資料
古関 隆章 (東京大学 大学院)
投影スライドの控えを 上記のリンクから講演後にご覧いただけるようにします。ファイ暗号化されていますので、PWとして、P###############1 を入力してファイルをご覧ください。[1] 次世代の公共交通システム ー ドライバレス自動運転実用化への挑戦ー
古関隆章(東京大学)
[2] はじめに
都市鉄道の運転とその将来
Automated Guided Transport と自動運転
なぜ自動運転か?
地下鉄への適用:国際動向 標準化
日本の地下鉄事業者の取り組み
自動車と鉄道の自動運転技術
都市鉄道一般への展開と技術的課題: 最近の検討の動向
省エネルギー運転と自動運転
[3] 都市鉄道の運転とその将来
[4] 大都市の大量輸送
[5] 人口減社会における公共交通の重要性
[6] 持続可能な鉄道経営のために
情報通信技術の活用
需要への柔軟な対応
利便性を追求する短編成高頻度運行,
デマンド運行?
持続可能なビジネス: 省力化と高安全・高信頼運転の両立
[7] Automated Guided Transport と自動運転
[8] 1980年台に始まる新交通システム
[9] 魅力的な都市空間活用と移動手段
[10] 利便性と高速性
[11] なぜ自動運転か?
[12] 持続可能な鉄道ビジネス:省力化と高安全・高信頼運転の両立
1. 需要への柔軟な対応
2. 利便性を追求する短編成高頻度運行,デマンド運行?
3. 自動運転ならではのさらなる価値
[13] 輸送需要変化への柔軟な対応
(1) 経済成長への対応から人口減の社会
(2) ピークへの対応力を持ちながら、オフピークでも資源有効活用のできるシステム
いつも長編成の列車を走らせておくわけにはいかない
少ないスタッフで、運転もメインテナンスも持続可能な形?==>自動化 IT活用
(3) システム技術としての国際競争力
[14] 利便性を追求する短編成高頻度運行, デマンド運行?
(1) 輸送需要が少なければ、列車を間引くのではなく、短編成で利便性の高い高頻度運行を行う。
(2) 交通弱者への対応: 高齢時代は デマンド運行
(3) 運転の完全自動化は、イベント時の超高頻度運転および終夜運転にも貢献
[15] システムによる運転ならではの付加機能
1. イベント対応 高頻度運転
2. 終夜運転 (除雪のみの目的でも)
3. 省エネルギー運転(後述)
4. 電力融通を考慮した複数列車同期運転
5. 状態監視のための運転?
[16] 運行管理との融合 ビッグデータと学習機能?
[17] 運転整理における柔軟性の拡大
(1) ドライバレスなら乗客と列車の筋で運行管理が可能に
(2) 現在でもATOの方が、運転再開は早い?
(3) OCCがすべてを把握し、情報を送り、列車を動かす
(4) 多くの手を「定石」としてもっておく
(電力システムのマネージメントも含む?)
(5) 機械学習でシステムも経験を積む?
[18] 地下鉄への適用:国際動向 標準化
[19] パリ地下鉄における実用化
地下鉄14号線で無人運転の実用化
← IEC62267に準拠した設計、ホームドア(フルスクリーン)による無人運転の実現化
地下鉄1号線での無人運転化(順次)、
→ CBTC(列車無線制御システム)への変更とセット IEC62267で規定されたホームドア(腰高式)の実現
・パリ地下鉄公社(RATP)によるドライバレスは、省力化、省エネルギー化を目標
・トンネル内での非常停止等に対しては、OCC(Operation Control Center)
からの指令、遠隔リセットによる再起動で基本的には対応するが、万が一の場合は、Staffが30分以内に到着し、避難誘導を行う
[21] Bombardier社のビジネスモデル シリーズで世界展開 Innvovia
[22] 世界市場の広がり
[23] 欧州の動向: ニュルンベルク地下鉄の事例
[24] 国際標準化 IEC 62267 WG39
(1) 都市交通システムの運転士による運転を自動運転にする場合の、
リスクを低減させる方策例を述べ、安全性要件を述べる規格
(RATP関係者が、国際主査)
(2) 都市交通の運転の機能を整理して、役割をStaffか、systemかによって、
自動運転の程度を階層化する
(3) DTO(Driverless Train Operation)、UTO(Unattended Train Operation)
を自動運転と定義する
(4) 現在の日本の無人運転システム(ゆりかもめ等の新交通システム)も
この規格に準拠している
(5) ホームドアの安全性要件もこの規格で記述されている
[25] IEC 62267 WG39における運転方式分類
[26] 日本における自動運転の実現方法
[27] 国内標準化 JIS E 3802
(1) IEC62267の成立を受けて、自動運転装置(ATO)のJISの改定を行った。
(2) 自動運転装置(ATO)の試験法を定める規格で、IEC62267とは直接リンクしないものの、安全確保の考え方、ATOの機能は準拠している。
(3) ATOの構成についても規格化されているが、IEC62267は、構成そのものについては、規格化はしていない
[28] AGTにおける先行的展開
(1) 日本では、高架構造の新交通システムでUTO,DTOが実現されている。
(2) これは、避難誘導が比較的簡易に実施可能なことによる
(3) 基本的に、日本の新交通システムは、故障しない、駅間に停止しないことを
前提とした設計となっている。
(4) 地下鉄で実用化されないのは、トンネル内火災の場合の対応、避難誘導に
関して、車内にstaff(特に先頭)がい(て、異常を監視す)ることが基本と
なっているためである。
(5) この監視機能(火災等の異常)、避難誘導が、現状のStaffと同程度に実施
可能ならば、ドライバレス地下鉄は可能
(6) 福岡市交通局七隈線はDTOであるが、これは、設計時に、十分な駅部火災対策
を行い、また、先頭にStaffが乗車していることにより実現された。
[29] 日本の都市交通の運転自動化に向けた取組
[30] 日本の地下鉄事業者の取組
[31] 日本地下鉄協会における調査検討(1)
福岡市 七隈線 2005年 2月開業
2001年度: 日本地下鉄協会で、次世代地下鉄システム研究委員会(委員長 東京理科大学 正田英介教授 当時)
魅力有る駅空間の創造とドライバーレス運転の本格的な導入による安全性、利便性、快適性、経済性向上の可能性を集中的に討議: 2002年6月に報告書
[32] ドライバレス運転: 経済性は如何?
[33] 福岡市交通局の挑戦
[34] 日本地下鉄協会における調査検討(2)
引き続き、国土交通省での ドライバレス運転検討会
2005 3月「地下鉄における運転方式の課題と対応策に関する検討」 =>当面は運転士付きでの開業とした。
2014年2月から 地下鉄における運転方式の課題と対応策に関する調査検討小委員会(地下鉄のドライバーレス運転に関する調査検討)を現在までこれまで12回開催し、検討継続中
[35] 日本地下鉄協会における 海外調査
[36] 最近の各社での検討
[37] ドライバレス運転: 添乗員 DTO と巡回員 UTO
添乗員: すべての列車に乗務、動力車操縦者運転免許を有さなくても良い。列車先頭部の乗車でなくとも良い。
巡回員: 数列車中1列車に確率的に乗務、動力車操縦者運転免許を有さなくても良い。客室を巡回する。
<==巡回員付きドライバレス(UTO)が、公共交通の国際標準。
[38] 車上鉄道スタッフの役割と責任?
<男の鉄道?>:適性は男性にあるのか?
これは国際的には愚問:ドライバレスはお猿の列車?
安全確認、避難誘導は女性の方が適している?
セキュリティ管理巡回員 おっさん のほうが良い?
2. 行政の意思(省令など?)と鉄道事業者の判断
安全上の判断を求められるなら、スキル・訓練の
要求レベルは高い
[39] (2018時点で)懸念すべきことと技術基準の検討
[40] 自動車と鉄道の 自動運転技術
[41] 付加的機能から入ったITS---自動運転なんて....
[42] 自動運転はビジネスの核心に?
[43] 自動車の自動運転
[44] 自動化レベル
[45] 急激な変化
エンジニアのおもちゃから実用化期待への劇的展開?
[46] 自動車の駆動技術の電気化と自動運転の相性
(1) 内燃機関から電気モータへ 頭脳も足回りも電気!
(2) モータ駆動 制御の速さ、精度、再現性....
電気現象は機械系より2桁早い motion control
電気ー機械エネルギー変換の双方向性
回生制動 バッテリーマネージメント
(3) 情報も電力供給も道路から: 走行中WPT
[47] 鉄道と自動車:融合研究分野ITSへの 交通研の取り組み
[48] 問題の核心:(自動車自動運転における)安全の責任論
[49] 鉄道屋は自動車の技術発展から何を得るのか?
(1) 汎用センサの利用による高機能化、省コスト化
(2) 安全性の考え方
(ドライバーはバックアップか、完全にシステム依存か)
(3) セキュリティ(ハッキング対策等)の考え方
(4) 国際標準化の考え方
(国際商品としての自動車は、国際基準で規定する場合も)
[50] 都市鉄道一般への展開と 技術的課題
[51] DTO@地上の都市鉄道でさらに考えるべきこと
(1) 踏切での安全性の確保
(2) 前方監視による安全性確保
(3) 避難誘導による安全確保
[52] 省エネルギー運転と自動運転
[53] 省エネルギー運転の基本思想と 「水間プロジェクト」
省エネルギー運転の基本(2010年時点で):運転支援による省エネ
(1) エネルギ蓄積デバイスの導入は当面将来課題とする。
(2) 走行時分は守る。
(3) 出来るだけだ行を長く導入する。
(4) 回生ブレーキを最大限有効活用する(ベストエフォート)
+大きな回生パワー放出を回避し回生失効を防ぐ。
定電力ブレーキ!
(5) 無駄な再力行を避ける。
(6) 加減速は最大性能を用いる:(加減速時間の最小化!)
[54] 人にとっての省エネルギー運転の難しさ
[55] 省エネルギー運転の基本思想と 「水間プロジェクト」 実装法と実績
[56] 省エネルギー運転 「水間プロジェクト成果例 in 2012」
[57] 日本地下鉄協会 での省エネルギー運転実証試験
[58] おわりに 鉄道事業の将来に明るい展望をもつために
自動運転 ドライバレス化に向けた検討は,新交通システムでの実現は先行したものの、在来鉄道では、「黒船」対策として始まった。
---在来鉄道における実用化では、マレーシア、シンガポール、中国の
後塵を拝している日本
情報と実在システムの融合:
安全かつ高品質・高信頼な制御
本来は日本のお家芸 のはず。 ??
自動運転の付加価値: 人口減少社会での持続的鉄道運行、
「風が変わった?」
運行の柔軟性+省エネルギー、ビッグデータへの対応と人工知能応用?
0 件のコメント:
コメントを投稿