アンケートの結果を整理しそれに関する記載を報告書本文中で行うためにはさらに時間を要し報告書発行の遅延をさらに増すことになるため、アンケートの結果の分析とそのデータの記述は、報告書に含めず、このページで公開をすることに決断を致しました。
鉄道用変電所における保守のための計測と余寿命判定技術の動向
--鉄道用変電所における機器運転実績と余寿命の判定に関する
調査専門委員会編--
調査専門委員会編--
----予定目次----
1. はじめに
2. 活動報告
2.1 委員会概要
2.2 調査体制
2.3 調査研究活動
2.3.1 委員会の開催内容
2.3.2 アンケート調査
3. 余寿命判定とは
3.1 考え方、基礎となる手法
3.2. メンテナンス技術と保守支援の現状
3.2.1 総合的メンテナンス技術
3.2.2. リモートメンテナンス
3.2.3 保全計測支援サービス
3.3 最新の余寿命診断技術の事例
3.3.1 スイッチギアの劣化診断・余寿命推定
3.3.2 油入変圧器の高精度余寿命診断システム
3.3.3 X線による透過診断技術
4. 鉄道変電設備の維持管理における課題
4.1 鉄道事業者の変電設備維持管理の現状と動向
4.1.1 変電設備の検査体系について
4.1.2 設備の機能維持に向けた取組
4.1.3 保全管理技術について
4.1.4 機器更新に対する考え方
4.1.5 機器設置環境において考慮すべき事項
4.1.6 鉄道事業者の抱えている課題
4.1.7 鉄道事業者間における技術交流について
4.2 アンケートの分析とその傾向 (詳細はここに示すリンクで公開予定(暗号化ファイル、パスワードは報告書に記載予定):工事中
5. まとめと今後の課題
別紙1 アンケート調査票+別紙2 調査結果まとめ
(詳細はここに示すリンクで公開予定(暗号化ファイル、パスワードは報告書に記載予定):工事中
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見本: 上記内容の一部紹介:
1. はじめに
電鉄向け変電所の機器老朽化に伴い、更新時期についての議論が問題になることが多くなってきた。近年の鉄道事業のサービス向上は著しく、車内サービス、駅務機器の機能向上、バリアフリー対応等に多くの資金が使用されるのは時代の趨勢として受け入れざるを得ない。しかしながら電気鉄道運営のインフラとして重要な位置付けにある地上設備の更新計画は事業運営にとって非常に重要な要因であると考えられる。
変電機器は多種、多様にわたりパワー機器から電子機器まで種類も豊富である。しかしながら、これらの重要設備を更新する場合の判断基準は全て経験に頼るしかなく、ユーザによってバラツキが大きいのが実体となっている。
機器は製造直後の初期故障期を経て偶発故障期と呼ばれる安定期が続いた後、故障が増大する摩耗故障期に入ることが一般的(バスタブカーブ)と言われている。また、使用環境による経験則や他社使用実績等を踏まえて余寿命を判定することが一般的に行なわれている方法と考えられる。また、ドキュメントとして残されている基準には ①大蔵省令による建物付属設備等の耐用年数 ②電気学会耐用年数アンケート調査結果 ③建築保全センター耐用年数アンケート調査結果 ④建設省耐用年数アンケート調査結果 等が存在している。これらはそれぞれ関係省庁、ユーザ、電気主任技術者、メーカの立場で評価したもので基準が明確でない上にバラツキも多く見られるデータとなっている。更に「官庁建物用受配電機器の平均使用予定年数」、「日本電機工業会の更新推奨時期」、「日本配電盤工業会の配電機器更新状況報告」等もあるが、運転実績との関連が明確に表現されていないことから、あくまでも目安との位置付けとなっていて、実際の更新時期検討の参考になっていないのが実情である。
近年、予防保全のためのデータ取得技術や判定ソフト等も製品化されつつあるが、余寿命判定の必要性は年々高まっているのが実体である。先にも述べたが鉄道事業がサービス向上を目指している中、事業の基盤である定時運用が絶対の使命であり、機器の故障による運用への影響は最小限に抑えねばならない。一方、機器を限界まで使用したいとのユーザ意向や環境対策との関連など検討すべき項目は多岐に渡るものと考えられる。
本調査専門委員会は機器の運転実績と余寿命の判定方法を研究し、予防保全に役立てることはもちろんのこと、最適な機器の更新時期を判定する基準を定めることを目的に、
(1)鉄道用変電所における機器の種類と運用実績調査
(2)運用実績と余寿命との相関関係
(3)余寿命の判定手法
(4)最新の保全・計測システム、予防保全・診断技術の調査
を、具体的な調査検討項目として、当初2006年6月の活動開始を予定し設立された。
その後、委員長都合で活動開始が半年遅れ、2006年12月から2008年11月まで、2年間に15回の委員会、3回の見学会を開催し、以下の章で述べる調査活動を行った。 審議の中で、人の問題も含め現場の問題は深いとの実感を強くした。
3章で述べるように、故障物理が明確ならば余寿命診断の技術は部分的に実用化レベルのものが育っていることも明らかになった。一方、モニタの技術は大手の新設備に導入されているが、故障が起きないとそのデータの具体的活用の知見の蓄積は困難であるため、現状の実績では、データを取得したことの意味、保守作業の合理的な計画や遂行に具体的にどのような形で生かされているかについて一般的知見をまとめるには至らなかった。3.3節で述べるようにライフサイクルコスト評価という考え方は広がりつつある。しかし、現状では現場での機器更新の考え方とは直接結びついていない。
4章で述べるとおり、事業者による話題提供と議論、現場の電気設備の見学、および様々な事業者に対するアンケートを実施し、保守の実態、機器の使用状況や寿命の考え方の現状を調査した。その結果、大手の事業者においては、技術陳腐化の観点から寿命よりも早い更新がある一方で、一般には想定寿命をこえて機器が使用されている事例も多いことがわかった。
事業者アンケートは、詳細な内容を含んでおり、それ自身が貴重なデータベースとしての価値が大きいと思われるが、頁数の限られた本報告書の中にそのすべてを納めることは不可能であるため、本報告書関連のホームページにファイルへのリンク示す形で、通じて電子的な形で別途情報公開することを検討している。
===本文===
5. まとめと今後の課題
本委員会は,2006年7月から2008年6月の活動期間を予定し、設立の手続きを行ったが、諸事情により、2006年12月から2008年11月までの2年間に活動期間を変更した。活動期間中、15回の委員会、3回の設備見学会、3回の幹事会を通じ、十数名のメンバとその周辺の協力者の尽力により調査活動を進めてきた。その結果、機器の運転実績と余寿命の判定方法を研究し、予防保全に役立てるとともに、最適な機器の更新時期を判定する基準を定めるための基礎技術を調査するという所期の目的を達したので、予定どおり2008年11月をもって解散した。
最適な更新時期の判断方法については調査対象が極めて膨大であり今回の委員会で全ての調査を行うことは不可能であったが、本委員会において新しい余寿命診断技術の調査及び実態調査を行った成果として、新しい余寿命診断方法を取り入れたシステムの開発及び導入例を見いだすことが出来た。これらの技術は、関連性が考えられる項目についてのデータを蓄積し、それらの相関性を明らかにしていくことで余寿命の正確な診断を行おうとするもので、今後の研究の継続と経験的なデータ蓄積を通じ、様々な応用の広がりが期待できると考えられる。
しかし、現状で調査できる事例には限りがあり、長期の運転実績を通じて取得したデータと実際の機器に生じた不具合や寿命に関する情報の付き合わせが進み、具体的な相関性が明らかになるのは、今から数年後以降のこととなると考えられる。その時点を目途に新たに、本委員会と類似の目的意識を持った調査専門委員会を設置し、本委員会の調査を将来的に再開し継続をすることが適切と考えられる。
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